1兆円の収益をフォートナイトが2年で上げていたことが判明
By Marco Verch
人気バトルロイヤルゲーム「フォートナイト」の開発元であるEpic Gamesは、フォートナイトがApp Storeから削除されたことを受けて、Appleに対して訴訟を起こしています。そんな中、現地時間2021年5月3日から始まった訴訟のトライアル(対審)でEpic Gamesが公開した文書から、「フォートナイトは、2018年と2019年の2年間でEpic Gamesに90億ドル(約1兆円)以上の収益をもたらした」ということが判明しました。
epic-apple-trial-epic-games-exhibit.pdf
(PDFリンク)https://assets.documentcloud.org/documents/20696836/epic-apple-trial-epic-games-exhibit.pdf
Fortnite made more than $9 billion in revenue in its first two years - The Verge
https://www.theverge.com/2021/5/3/22417447/fortnite-revenue-9-billion-epic-games-apple-antitrust-case
Appleは公式アプリストアであるApp Store以外でのアプリの配信を禁じており、アプリ内でコンテンツを販売する場合は、アプリ内課金以外の方法で支払いを行うことも禁止しています。そして、Appleはアプリの売上の30%(小規模事業者は15%)を、App Storeでアプリを配信するための手数料として徴収しています。
しかし、Epic Gamesは「Appleの手数料は高すぎる」として、現地時間2021年8月13日にフォートナイトにApp Storeを経由せずにゲーム内通貨を購入する「Epicディレクトペイメント」を導入しました。AppleはApp Storeを経由しない支払いを認めていないため、規約違反であるとしてiOS版のフォートナイトをApp Storeから削除。これを受け、Epic Gamesは「公正な競争」を求めてAppleに対して訴訟を起こしました。
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現地時間2021年5月3日には、Apple対Epic Games訴訟のトライアルがアメリカ・カリフォルニア州北部地区連邦地裁でスタートしました。Epic Games側は、Appleが開発者に対して「アプリのApp Storeでの配信」「アプリ内課金の利用」を義務づけている現状が独占禁止法に反していると主張。対するApple側は、「Microsoftやソニーとは異なり、AppleはiOS版フォートナイトでのクロスプレイ対応を最初から許可していた」「任天堂およびソニーも、提供するプラットフォーム以外からの課金を認めていない」と述べ、公平な環境で競争していることを強調しています。
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このApple対Epic Games訴訟の一環として、Epic Gamesは2020年1月の財務報告書を公開しました。この財務報告書から、フォートナイトは、2018年に56億2800万ドル(約6200億円)、2019年に42億2100万ドル(約4600億円)の収益を上げていたことが明らかになりました。つまり、2年間で合計96億4900万ドル(約1兆円)をEpic Gamesにもたらしていたこととなります。
さらに、Epic Gamesが開発するゲームエンジン「Unreal Engine」は2018年と2019年の2年間で2億2100万ドル(約240億円)の収益を上げ、2018年12月にサービスを開始したゲーム配信プラットフォーム「Epic Gamesストア」は2018年と2019年の2年間で2億3500万ドル(約260億円)の収益を上げていたことも明らかになっています。
なお、Apple対Epic Games訴訟の中では、「ソニーが、クロスプレイの実装を求める開発者に対してロイヤリティを要求していた」ということも判明しており、今後もApple対Epic Games訴訟への注目が続きそうです。
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