新型コロナウイルス感染症に長期間苦んだ患者の85%が経験している症状とは?
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)で死亡した患者の脳組織で損傷が確認されたり、COVID-19が主要な臓器で血栓を発生させることが報告されたりと、COVID-19には肺炎以外にも多様な症状が現れることが判明しています。そして新たに、COVID-19の症状に長期間苦しんだ患者の85%が神経学的症状を経験していたことが明らかになりました。
Persistent neurologic symptoms and cognitive dysfunction in non‐hospitalized Covid‐19 “long haulers” - Graham - - Annals of Clinical and Translational Neurology - Wiley Online Library
https://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/acn3.51350
85% of COVID-19 long-haulers have multiple brain-related symptoms | Live Science
https://www.livescience.com/long-covid-19-neurological-symptoms.html
COVID-19の症状が続く期間は患者によってさまざまで、中にはCOVID-19の症状に数カ月間苦しむ患者もいます。ノースウェスタン大学のフェインバーグ・医学院のイゴール・コラルニック教授が率いる研究チームは、COVID-19の症状を6週間以上経験した100人の患者の情報を収集し、どのような症状を経験していたのかを分析しました。
分析の結果、「頭に霧がかかったように感じる(81%)」「頭痛(68%)」「しびれを感じる(60%)」「味覚障害(59%)」「嗅覚障害(55%)」「筋肉痛(55%)」「めまい(47%)」「視界がぼやける(30%)」「耳鳴り(29%)」といった多様な神経学的症状が現れていることが判明。さらに、分析対象患者の85%が少なくとも4つの神経学的症状を経験していたことが明らかになりました。
また、COVID-19の症状が現れてから5カ月後に「体調がCOVID-19の症状が現れる以前の水準まで回復したと感じるかどうか」を尋ねたところ、63.9%の人が「回復したと感じる」と回答。コラルニック氏は「COVID-19の症状に長期間苦しんでいる患者の正確な人数は分かりません。おそらく、アメリカでは何百万人もの人々がCOVID-19の症状に長期間苦しんでおり、認知機能や生活の質を低下させていると考えられます」「COVID-19の症状が長期間続く原因を特定し、治療法を発見するために多くの研究が必要です」と述べています。
なお、今回の研究の対象となった患者は、70%が女性で、88%が白人でした。そのため、研究チームは「今回の研究結果は、全ての集団に当てはまるわけではない可能性があります」と述べています。
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