ピラミッドは奴隷ではなくエリートの職人が建設したものだった
これまで、エジプトにあるピラミッドは大勢の奴隷によって建設されたものと考えられてきました。しかしさまざまな証拠により、その説は覆されつつあります。では誰が、どのように建設したのか、さまざまな教育的コンテンツを掲載するウェブサイト「Open Culture」が解説しています。
Who Built the Egyptian Pyramids & How Did They Do It?: New Archeological Evidence Busts Ancient Myths | Open Culture
https://www.openculture.com/?p=1087327
200万個以上の大量の石のブロックから成るピラミッドの建設には、大量の人員と長い年月が必要とされたと推定されています。かつて旧約聖書や歴史小説などの影響で、ピラミッドの建設に携わった人々は何千人もの「奴隷」であると信じられてきました。しかし、実際に建設に携わった人々は奴隷などではなく、むしろ建設業界のエリート労働者であったという説が浮上しています。
何回かの発掘調査の結果、ピラミッドの周囲から、数千人の労働者が毎日肉を食べるのに十分な量の牛や羊、ヤギの骨が発見されました。さらにピラミッドの近くで、労働者のための専用の墓地も発見されています。考古学者たちは「ピラミッドの建設は非常に危険な作業であり、建設に携わった人々はその功績をたたえられ、名誉ある場所に埋葬された」と推測。一連の証拠から「ピラミッド建設に携わる労働者はある種の上位階級にあり、王族のような食事を与えられていた」と結論付けています。
また、労働者たちがどのようにピラミッドを建設していたのかも明らかになりつつあります。考古学者らによると、ピラミッドが建設された4000年以上前の時代には「車輪」を用いる技術が存在しなかったとのこと。その代わり、当時唯一採掘された金属である「銅」や、スロープや滑車といった物理的な機構を使用して建設を行ったものと考えられています。現代で行われた実験では、これらの技術を使って1200人~1500人の労働者でピラミッドの建設に十分な量の石を採掘・運搬できたと判明しており、これは今までの建設人数に関する説とも合致するとのこと。
ピラミッド建設に関しては、何人かのチーム制で行われたものという仮説もあり、実際にチーム名を示唆したものとみられる「メンカウラーの酔っぱらい」などと書かれた落書きも見つかっています。ナイル川沿いの豊かな土地では農耕も十分に発達して食べ物にも困らず、ピラミッド建設者の給料が「ビール」で支払われた説もあるなど、発掘調査によりさまざまな新事実が分かってきています。
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in Posted by log1p_kr
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