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Facebookは広告指標が誇大だと知りながら収益のために無視してきた


Facebookは中小企業向けの広告ツールを提供したことで大きな成功を収めたといわれていますが、広告主向けの指標が誇大だったとして、訴訟に面しています。内部文書の存在から、Facebookの幹部は指標が誇大だと知りながらも、収益に打撃を与えるとして、指標の修正を提案した従業員を無視したことが明らかになっています。

Facebook reported revenue it ‘should have never made’, manager claimed | Financial Times
https://www.ft.com/content/c144b3e0-a502-440b-8565-53a4ce5470a5

Facebook knowingly inflated key advertiser metric, say court filings - The Verge
https://www.theverge.com/2021/2/18/22289232/facebook-ad-revenue-proposed-reach-inflation-lawsuit-unredacted-filings


世界最大の広告企業の1つであるFacebookは「広告の能力が誇大に宣伝されており、実際には能力不足である」ということがかねてから指摘されており、いくつもの広告主による集団訴訟に面しています。

「Facebookは小規模ビジネスの友ではない」、Facebookがターゲティング広告の精度をごまかしていたことが集団訴訟で明らかに - GIGAZINE


新たにイギリスの経済紙Financial Timesが報じた内容から、広告指標を適切に変更することを提案した従業員を、Facebookの幹部役員は無視してきたことが判明しました。

(PDFファイル)裁判文書によると、シェリル・サンドバーグCOOは2017年の時点で、「ターゲットオーディエンスの人数を推定するFacebook広告のPotential Reach(潜在的リーチ)の数字にはフェイクアカウントや重複アカウントなどが含まれ、実際の数字よりも誇張されていること」を認識していましたが、この数字を修正するという提案を「収益に大打撃を与える」として却下したとのこと。

より具体的にいうと、Facebookの潜在的リーチは広告主に対して「人」へのリーチ数のように見せかけますが、実際にはアカウント数について測定してものとなっており、Facebookは故意に「フェイクアカウントの数」「重複アカウントの数」を含めてきました。裁判文書では、2018年初頭にFacebookが重複アカウントの数を省いて分析を行ったところ、数値が10%減ることが判明したと示されています。


当時提案を行ったプロダクト・マネージャーのヤロン・フィドラー氏は「私たちは間違ったデータに基づいて収益を得るべきではありませんでした」と述べており、別の従業員は「広告リーチの見積もりとレポートの現状は大きく間違っています」とコメントしています。

Facebookは「潜在的リーチという指標は無料ツールであり、広告キャンペーンの費用や今後リーチする人数を示したものではありません」と主張していますが、広告主は潜在的リーチに基づいて広告予算や戦略を決めるため、Facebookが潜在的リーチについて「間違いなく私たちの広告作成インターフェイスにおいて最も重要な数字です」と言及していたことについても裁判文書で指摘されています。

一方で、ニュースメディアThe Vergeに対してFacebook広報のジョー・オズボーン氏は「これらの文書は原告の主張に沿うよう選ばれたものです。『潜在的リーチ』はキャンペーンの計画を援助するツールであり、決して料金が請求されるものではありません。潜在的リーチは概算であり、ヘルプセンターや広告設定画面には、その計算方法が明示されています」とコメントを寄せました。

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in ネットサービス, Posted by darkhorse_log

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