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デジタルな概念に唯一無二の価値を与える「非代替性トークン(NFT)」とは一体何なのか?


2021年2月に、大手電気自動車メーカーのテスラが「近いうちに製品代金の支払い方法としてビットコインの受入を開始する予定」と発表するなど、支払い方法としての暗号資産は今後ますます普及していくと期待されています。そんな暗号資産でモノやサービスを売買する上で重要な「非代替性トークン(Non-Fungible Token:NFT)」という概念について、大手暗号資産取引サービス「Coinbase」でプロジェクトマネージャーを務めた経歴を持つLinda Xie氏が解説しています。

A beginner's guide to NFTs — Mirror
https://linda.mirror.xyz/df649d61efb92c910464a4e74ae213c4cab150b9cbcc4b7fb6090fc77881a95d

NFTとは、イーサリアムなどのブロックチェーン上で所有権が追跡されている、一意のデジタル資産を指し示す言葉です。例えば、2015年にローマ教皇が愛用したiPadがオークションに出品され定価の何十倍もの値段で取引されたことがあります。この「ローマ教皇が愛用したiPad」のように、他のものでは代えられない性質をデジタルな製品やサービスに導入するためのものがNFTだと言えます。

記事作成時点では、大半のNFTはイーサリアムでの取引で使用されていますが、今後さまざまなスマート・コントラクトプラットフォームでNFTの利用が拡大すると見込まれているとのこと。そこでXie氏は、「なぜNFTが注目されているのか?」と「具体的にどんなシーンで使われるのか?」の2つに分けて、NFTを解説しました。

◆1:なぜNFTが注目されているのか?
Xie氏によると、NFTに期待が集まっている最大の理由は「既存の金融システムと組み合わせることで誰でもNFTを作り、所有し、取引することができるから」だとのこと。ここでのポイントは、「中央集権的なプラットフォームを介さなくても取引が可能」という暗号資産の長所がそのままNFTの強みになるということです。例えば、オンラインゲームの開発者が「ゲーム内にユーザー間で取引可能なアイテムを実装したい」と思った時、NFTのプロトコルを利用すれば作ったアイテムが即座にゲーム内取引に出回るようにすることができるそうです。

実際に、NFTを活用したゲームも登場しています。たまごっちに触発されたという「Aavegotchi」というゲームもその1つ。Aavegotchiでは幽霊のようなキャラクター「Aavegotchi」をNFTに紐づけされた唯一無二のキャラクターとして育てたり戦わせたりすることが可能ですが、暗号資産の取引形態である分散型金融(DeFi)を通じて通貨のように貸し出したり売ったりすることも可能です。


◆2:具体的にどんなシーンで使われるのか?
デジタルな概念でありながら、現実にある物品のように貸したり担保にしたりすることもできるため、NFTは多くの分野で活用されることが期待されています。その中でも、近年は特に「ゲーム」と「アート」の分野で活発に使われるようになっているとのこと。

NFTを利用したゲームとして代表的な作品の1つが「Axie Infinity」というゲームです。このゲームはAxieという生き物を育てたり戦わせたりするゲームですが、Axieの各個体はNFTに紐付けられているので取引に使うことも可能。また、ゲーム内で戦闘に勝ったり、クエストをこなしたりすることでトークンを獲得し、このトークンで取引を行うこともできます。

Xie氏によると、レアなAxieが15万9000ドル(約1661万円)で取引されたり、ゲーム内の土地が1億6500万円で売却されたりといった事例が見られるなど、Axie Infinitでトークンを稼ぐのは多くの国で最低賃金を上回る収入源となってきているそうです。


デジタルアートも、NFTがよく利用されている分野の1つです。現実世界では、絵画を売った画家がお金を受け取るのは1回限りですが、NFTに紐付けられたアート作品に二次利用の権利を付与すれば、アート作品が再配布された際に元のアーティストに収入が入るようにすることができます。

また、作品を暗号資産の相場と連動させて、イーサリアム相場が一定の価格に上昇したときだけ背景が変わるようにしたり……


同じ作品をさまざまな角度やレイヤーの組み合わせで販売したりするという、「プログラマブルアート」というジャンルも誕生しているそうです。


また、ゲームやアート以外にも、「ソーシャルトークン」という形態でNFTを利用する人も増えています。ソーシャルトークンは「パーソナルトークン」「コミュニティトークン」「クリエイタートークン」などさまざまな呼ばれ方をしており、言葉の定義も一定していないので一口に説明することは困難ですが、ソーシャルトークンを使うとこれまで取引できなかったようなものまで取引できるようになるとのこと。

例えば、以前Coinbaseで法務を担当していたルーベン・ブラマナサン氏は、「自分の1時間」をトークンとして発行し、それを買った人のために1時間仕事をするといったビジネスをしたことがあります。また、自分の将来の収入の一部をトークン化して発行するという、ある種の「出世払い」にソーシャルトークンを使うという事例もあるそうです。

Xie氏はNFTの未来について「NFTは今後、株式のトークン化のように伝統的な資産と暗号資産の橋渡しになるような使れ方や、ウェブサイトの広告スペースをトークン化する『デジタル不動産』のような新しい利用方法に活用されていくことでしょう。私が最も楽しみにしているのは、暗号資産だからこそ可能になるまったく新しいコンセプトが生まれてくることです」と話しました。

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in ソフトウェア, Posted by log1l_ks

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