サイエンス

6500枚の銀貨や王族の名前が刻まれた金の指輪がトウモロコシ畑から発掘される


ポーランド中西部のスウシュクフにあるトウモロコシ畑の地下から、6500枚の銀貨を含む6600点以上の中世の宝飾品が発掘されました。

Medieval treasure trove ‘belonging to princess’ found in cornfield following tip off from village priest – The First News
https://www.thefirstnews.com/article/medieval-treasure-trove-belonging-to-princess-found-in-cornfield-following-tip-off-from-village-priest-18571

6,500 medieval coins and rare gold rings unearthed in Polish cornfield | Live Science
https://www.livescience.com/medieval-polish-hoard.html

今回宝飾品が発掘されたトウモロコシ畑の地中には、6000枚を超える銀貨や、銀のインゴット、金の指輪などの6600点以上の宝飾品が埋められていました。宝飾品を発見したポーランド科学アカデミーの考古学・民俗学研究所に所属する考古学者のアダム・ケンジェルスキ氏によると、宝飾品は約900年前のもので、3つのリネンの袋に分けられ、バスケットに詰めてから陶器に入っていたとのこと。


ケンジェルスキ氏は、1935年に発掘された宝飾品についての研究するために、2020年11月にスウシュクフを訪れました。1935年に宝飾品が発掘された地点の詳細な情報を調査していたケンジェルスキ氏は、地元の牧師であるJan Stachowiak氏から他の宝飾品が埋められた場所についてのウワサを聞きました。

ケンジェルスキ氏は、Stachowiak氏から聞き出した地域を、金属探知機を用いて調査しました。その結果、トウモロコシ畑の地下から中世の陶器を発見することに成功。この陶器の中に、前述の宝飾品が入っていました。ケンジェルスキ氏は、「陶器は地下30cmほどという浅い場所に埋められていたにも関わらず、フタの一部が欠けていただけで、ほぼ完全な状態で保存されていました」と発見当時の様子を語っています。


発見された硬貨には、11世紀の終わりから12世紀の初めごろにポーランドで鋳造された銀貨だけでなく、チェコ・デンマーク・ハンガリー・ドイツといった他国の硬貨も含まれていました。


さらに、こうした硬貨に加えて銀の指輪も見つかっています。ケンジェルスキ氏によると、中世初期のポーランドにおいて、金の宝飾品は非常に貴重な品物であったことから、指輪の持ち主は、中世ポーランドを支配していたピャスト朝で高い身分を与えられていた人物だと推測できるとのこと。


この金の指輪には、キリル文字で「主よ、あなたのしもべマリアをお助けください(Lord, may you help your servant Maria)」と刻まれていました、このことから、ケンジェルスキ氏は指輪の持ち主をキエフ大公ウラジーミル1世の娘であるドブロネガ・ウラジミロヴナだと推測しています。

ケンジェルスキ氏は、「今回の発見により、スウシュクフがポーランドの歴史において重要な役割を果たした地域である可能性が示唆されました。さらなる研究のために、発掘した宝飾品の来歴を確かめる必要があります」と今後の研究に対する意欲を語っています。

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in サイエンス, Posted by log1o_hf

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