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「修理する権利」が確立されると修理代金が年間どのくらいお得になるのか?


スマートフォンなどの電子機器の修理を行えるのはメーカーだけであるという状況は独占禁止法に違反している疑いがあるとして、近年アメリカで「修理する権利」を求める声が広がっています。関連法案が20を超える州で提出され、テクノロジー企業の代表格であるAppleも「修理する権利」を認める動きを見せています。消費者は高額な修理費用を支払うよりも新製品を購入しているのが現状ですが、2021年、消費者保護に携わる非営利団体「公共利益調査グループ(PIRG)」が「買い換えではなく修理を選択するとどれくらい費用を節約できるのか」を試算し発表しました。

Right to Repair off to the races in 2021 with 14 active states | U.S. PIRG
https://uspirg.org/blogs/blog/usp/right-repair-races-2021-14-active-states

2021年1月の初め、PIRGのネイサン・プロクター氏らは「修理は家族を大きく救う」と題したレポートを発表しました。レポートの中でネイサン氏らは「アメリカ人は自宅に平均して24個の電子機器を持っている」と述べており、「新製品を購入するより修理に出した方が家計にも環境にも優しい」と主張しています。今回のレポートでは実際に修理を行うとどれくらい費用を節約できるのかを調査し、「より多くの製品を修理してより長く使用すれば、アメリカ人は1家族あたり年間330ドル(約3万4000円)節約できる」と発表しました。

修理する権利の対象は電子機器だけにとどまらず、や農業機械にまで範囲を広げており、今後修理に必要なパーツが一般に広く行き渡るようになるだろうとのこと。2021年、ワシントン州の消費者保護とビジネスに関する下院委員会は修理する権利について初めての公聴会を開き、機器の部品や情報の不足が非正規店での修理にどれほど影響するのか議論が行われました。


多くの人が自宅で過ごすようになった昨今、機器の修理に関する需要は高まっており、修理する権利は広く必要とされています。ネイサン氏らは「議会や連邦機関で修理の権利獲得を加速させる機会は数多く用意されており、オーストラリアやフランスでも動きが活発化している」と締めくくっています。

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in Posted by log1p_kr

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