レビュー

商人や金鉱堀りといった役割をこなしながら富と名声を求めるカードゲーム「サンファン2」で遊んでみた


建築士や商人といった5種類の職業を使いこなし、さまざまな効果を持つ施設を建築したり、価格が変動する商品を売ったりしながら誰よりも大きな富と名声を得る事を目指すカードゲームが「サンファン2」です。「サンファン2」には、2004年に登場した「サンファン」に新たなカードが追加されているとのことで、一体どんなゲームなのか実際に遊んで確かめてみました。

サンファン2 - メビウスゲームズ オンラインショップ
https://mobiusgames.shop-pro.jp/?pid=155789143

サンファン2のパッケージはこんな感じ。


プレイ人数は2~4人で、対象年齢は10歳以上、1ゲームにかかる時間は30~60分を想定しています。


パッケージの中には、「インディゴ染料工場」「サトウ精製所」「タバコ保存所」といった「生産施設カード」が入っています。カードの上側に記された数字はそのカードを使うための「コスト」を示しており、下側に記された数字は「勝利ポイント」を示しています。


「資料館」「救貧院」「礼拝堂」といったさまざまな種類の「都市施設カード」も入っており、「生産施設カード」と同様にコストと勝利ポイントが記されています。


さらに、「商人」「参事会議員」「金鉱堀り」「建築士」「監督」といった5種類の役割カードと、スタートプレイヤーを示す「総督カード」も入っています。「商人」は「商品を売却する」、「参事会議員」は「山札からカードを引く」といったように各役割には異なるアクションが割り当てられています。


他に、商品の売値を決める「商館カード」も入っていました。


ゲームを始めるには、「生産施設カード」と「都市施設カード」をよく混ぜて山札にして、山札の隣に5枚の「役割カード」を並べます。さらに、「役割カード」の上側に「商館カード」を配置し、「総督カード」をスタートプレイヤーに渡します。


次に、各プレイヤーが山札から4枚のカードを手札に引きます。


最後に、各プレイヤーが1枚ずつ「インディゴ染料工場」受け取って場に配置したらゲームの準備は完了です。


ゲームが始まったら、「総督カード」を所持しているプレイヤーが役割カードを1枚選びます。今回は、「生産施設カード」から商品を生産できる「監督」を選択しました。


「監督」カードが選ばれたフェイズでは、場の全員が生産施設に商品を生産することができます。商品の生産は、山札から引いたカードを裏向きのまま生産施設の上に配置して行います。ゲーム開始時では、手元にある生産施設は「インディゴ染料工場」1枚のみなので、全員が手元の「インディゴ染料工場」に山札からカード1枚を置きました。


サンファン2では、総督が「役割カード」を引いたら、全員がそのアクションを行うことができます。全員のアクションが完了したら、総督の左隣のプレイヤーが場に残っている役割から1つ選択し、再び全員がその役割のアクションをプレイするということを繰り返します。

次のプレイヤーは、「商人」を選択しました。「商人」のアクションは「商品を1つ売却できる」というもので、各プレイヤーは生産した商品を売却することで、山札から手札にカードを加えることができます。


商品を売却する前に、まずは商品のレートを決めるべく、「商館カード」の山の一番上のカードを表向きにします。商館カードには、「インディゴ染料工場」は青色、「サトウ精製所」は白色といったように、各生産施設カードに対応した色と共に、商品を売却した際に獲得できるカードの枚数が記されています。例えばインディゴ染料工場の場合、商品1つを売ると1枚のカードを山札からゲットできます。


次に、各プレイヤーは売却する商品を選択します。今回は先ほど生産した「インディゴ染料工場」の商品を売却して山札からカードを1枚引くことにしました。


売却する商品を捨て札にして……


山札からカードを1枚引きます。勝利点を集めるためにはカードが必要ですが、生産施設で「生産」した商品を「売却」することで、手札のカードを増やすことができるというわけです。


全員が商品の売却を終えたら、「商館カード」を山の最下部に戻して「商人」のプレイは完了です。


カードを獲得する方法は商品の売却だけではありません。「役割カード」の「参事会議員」では、各プレイヤーが「山札から2枚のカードを引き、1枚選択して手札に加える」というアクションを行うことができます。


なお、「役割カード」を選択したプレイヤーは通常のアクションに加えて「特権」も使えます、例えば、「参事会議員」を選んだプレイヤーは特権の効果で、「5枚のカードの中から1枚選択」することができます。


他にも、特権を持ったプレイヤーだけが山札からカードを引ける「金鉱堀り」という役割もあります。ただし、このカードで手札をゲットできるのは、金鉱掘りのカードを選択したプレイヤーのみです。


さまざまな方法を駆使して手札にカードを集めたら、「建築士」のアクションで手札にある「生産施設カード」や「都市施設カード」に記された建物を建設できます。


建物を建築する際は、カードに記されたコストの枚数だけカードを捨てる必要があります。今回は、カードを1枚捨ててコスト1の「インディゴ染料工場」を新たにもう1つ建築しました。


なお、「建築士」を選択したプレイヤーは「建築コストが1少なくなる」という特権を使えます。このプレイヤーは特権のおかげで、「生産施設の建築時のコストが1少なくなる」という効果を持つ「鍛冶屋」をコスト0で建設することができました。


役割の選択を全てのプレイヤーが行ったら、「ラウンド」が終了します。ラウンドが終了したら総督は「総督カード」を左隣のプレイヤーに渡し、全員が「役割カード」を場に戻した後、次のラウンドが始まります。サンファン2では、このサイクルをいずれかのプレイヤーが12個の建物を建築するまで続けます。


「都市施設カード」の中には、カードを獲得する方法を増やす効果の施設も存在します。例えば以下の「金鉱」は、「金鉱堀り」の役割が選択された際に、特権を持っていなくてもカードを引くチャンスが得られるというもの。


ただし、「金鉱」でカードを得られるのは「4枚のカードを山札から引き、4枚全てのコストが異なる場合のみ」で、ゲットできるのは最もコストの低いカードです。今回引いた4枚のカードは3・3・2・3とカードのコストが重複していたため、カードを獲得することはできませんでした。


「都市施設カード」には他にもさまざまな効果の施設が用意されています。例えば、「図書館」は全ての役割の特権効果を強化することができます。今回は「参事会議員」の「5枚のカードの中から1枚選択」という特権を強化して、「8枚のカードから1枚のカードを選択」することができました。


他にも以下の「礼拝堂」は、ラウンド開始時に手札を1枚下に置くことができます。礼拝堂の下に置かれた手札1枚につき勝利点を1点追加できるので、早い段階で出して毎回手札を1枚ずつ入れれば、大量の勝利点を上乗せすることが可能。単にカードをどんどん出すだけではなく、都市建設カードの効果に合わせてさまざまな戦略を考えるのがこのゲームの肝。


ゲームが進み、1人のプレイヤーが12個の施設を建築したため、ゲームは終了となりました。ゲームが終了したら勝利点を計算して勝者を決めます。勝利点の計算は、まず、各カードの下部に記された数字を合計します。


さらに、「都市施設カード」の効果によって勝利点を獲得することもできます。例えば、このプレイヤーは「勝利記念塔」と「騎士」の効果で合計8ポイントと、「宮殿」の効果で7ポイントを獲得し、合計37ポイントを獲得しました。


今回優勝したプレイヤーが建設した施設はこんな感じ。「生産施設カード」はゲーム開始時から建設されている「インディゴ染料工場」しか建設しておらず、残りの7枚は全て「都市施設カード」です。合計8枚の施設しか建設されておらず、それぞれの勝利ポイントの合計は19ポイントしかありませんが……


「勝利記念塔」「騎士」「彫像」という勝利ポイントを追加で獲得できる建物の効果で11ポイント、さらに「凱旋門」の「建設した記念碑の数に応じてポイントを獲得できる」という効果で8ポイントを獲得しており、合計38ポイントを獲得して優勝しました。


このように、サンファン2では、戦略に合わせて建設する「都市施設カード」を選択することにより、少ない施設でも勝利することができます。また、「参事会議員」のアクションで狙い通りのカードを手札に引くことができるため、一般的なカードゲームと比べて、自分の戦略通りにゲームを進めやすく感じました。

次のゲームでは、30枚の拡張カードを加えてプレイしてみます。


30枚の拡張カードは全て「都市施設カード」で、「各ラウンドの開始時に手札と山札のカードを交換できる」という効果の「執務室」や、「商品を売却する度に1勝利ポイントを獲得する」という効果の「港」など、ゲームの戦略を広げる効果のカードが含まれています。


拡張カードを使う場合でも基本的なルールは変わりませんが、ゲーム開始時に「商館カード」の隣に「大聖堂」を配置する必要があります。「大聖堂」はコストを7支払えば誰でも獲得できる「都市施設カード」で、「他のプレイヤーの建設したカードのコストに応じて勝利ポイントを獲得する」という強力な効果を持っています。


今回の最初の手札はこんな感じ。「港」を手札に引くことができたので、商品をどんどん売却して勝利ポイントを稼ぐ戦略でプレイすることにしました。


しかし、先ほどのプレイで生産施設をまったく建設しなかったプレイヤーが優勝したため、今回のゲームではほとんどのプレイヤーが都市施設を多く建設する戦略でプレイする結果に。そのため、「商人」の「役割カード」が選択される機会が少なく、なかなか商品を売ることができません。


拡張カードには、「港」のような勝利ポイントの獲得に関わる「都市施設カード」以外にも、さまざまな効果の「都市施設カード」が含まれています。例えば、「公園」は「クレーン」と組み合わせることで、建物を建築するコストを6減らすことができるという強力な効果を持っています。


このプレイヤーは、「公園」「クレーン」を組み合わせることでコストが6の「居城」をコスト0で建築することに成功しました。


そして、ゲームが進んでいくうちに手札に6枚のカードを集めたプレイヤーが……


建築コストを1減らす「建築士」の特権を利用して、「大聖堂」をコスト6で建築することに成功しました。


その後、建物を12個建設したプレイヤーが現れたのでゲームは終了。今回のゲームでは生産した商品の売却をあまり行えなかったため、「港」の効果で得られた勝利ポイントはたったの4ポイント。合計で37ポイントと、先ほどのゲームよりも低い勝利ポイントしか獲得できませんでした。


「建築士」の特権を使って「大聖堂」を建設したプレイヤーは、「大聖堂」の効果で10ポイント、「礼拝堂」の効果で11ポイント、「市役所」の効果で10ポイントなど、「都市施設カード」の効果を上手に活用して大量の勝利ポイントを獲得し、合計58ポイントを獲得して優勝しました。


サンファン2を実際にプレイしてみたところ、すぐに理解できるシンプルなルールで、カード以外にダイスやコマなどは必要ないため、すぐにゲームを始めることができました。また、山札からカードを選んで引いたり、山札と手札のカードを交換したりと、手札を調整する手段が多く用意されているため、自分の考えた戦略の通りにプレイすることができます。ただ、他のプレイヤーの戦略によっては、自分の戦略が有効にならないケースもあるため、他のプレイヤーの戦略を読み取りながら柔軟に戦略を変更することも求められます。サンファン2はカードゲーム初心者にも遊びやすく、戦略を練るのが好きなカードゲーム上級者も楽しめるバランスのいいカードゲームでした。

なお、サンファン2は記事作成時点では、Amazon.co.jpにて2400円で入手できます。

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in レビュー,   ゲーム, Posted by log1o_hf

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