金銀財宝やラクダを売り買いしながら王様お抱えの商人としての成功を目指す「ジャイプル」レビュー
インドのラジャスタン州の州都・ジャイプルで、マハラジャ(王様)のお抱え商人として黄金やダイヤモンド、香辛料、ラクダなどを売り買いしながら富を築く2人対戦型カードゲームが「ジャイプル」。2010年度ドイツ年間ゲーム大賞候補作で、2020年にアートワークやBOXデザインなどを刷新した日本語版がホビージャパンから登場したので、実際に遊んでみました。
ジャイプル | | ANALOG GAME INDEX
http://hobbyjapan.games/jaipur/
ジャイプルのパッケージには、銀製品や金製品、豪華な布などに囲まれた、かっぷくのいいインドの商人が描かれています。
対象年齢は10歳以上、プレイ時間は30分、プレイ人数は2人を想定。
フタを開けるとこんな感じ。内容物がスッキリと収まっています。
内容物は、品物カードが55枚。
品物カードは金・銀・ダイヤモンド・香辛料・布・皮革・ラクダの7種類が用意されています。
ラクダトークンが1枚、優秀の証が3枚。
38枚ある品物トークンは、品物カードと同じ色をしており、6種類。
品物トークンの裏面には勝利点を表わす数字。なお、品物トークンは勝利点が表にも書かれています。
ラクダトークン1枚と、ボーナストークン18枚。
ボーナストークンは3種類あり、カードが3~5枚描かれています。ボーナストークンの裏には品物トークンと同じように数字が書かれていますが、ボーナストークンの場合は裏返さないと数字が分からない仕様になっています。
そして、ダイキャスト製のずっしりとした「ジャイプル」のメダル。このメダルはジャイプルが発売されて10周年を記念したオマケアイテムとのこと。ゲーム中でこのメダルを使うことはありませんが、ゲームの先攻後攻を決めるのに使ったり、勝者に授けたりするのに使うのもアリ。
ゲームを始める前に、まずラクダのカードを3枚だけ品物カードから取り除いて、テーブルの中央に並べます。
そして、残りの品物カードをシャッフルして山札にし、上から2枚を取って3枚のラクダカードの横に並べます。このテーブル中央に置かれた5枚を「市場」と呼びます。
残った山札から、各プレイヤーに5枚ずつを手札として配ります。
もし手札の中にラクダカードが入っていれば……
以下のように、市場手前のエリアに横にして配置します。この横にして置いたラクダは自分の「家畜」となり、自分の財産になります。
品物トークンとボーナストークン、優秀の証3枚を並べ、残った山札を置きます。なお、品物トークンは種類ごとに上から大きい数字順に並ぶように並べ、ボーナストークンは表を向けた状態で順番をよくシャッフルし、積み重ねます。
これでゲームの準備は完了。
ゲームのルールは非常にシンプル。プレイヤーは「品物カードを取る」か「品物カードを売る」のどちらかを自分の手番に1回ずつ行います。カードを売ってゲットできるトークンに書かれる勝利点をたくさん集めた方が勝利となります。
品物カードは市場から1枚取ったら……
山札から1枚引いて、空いた部分に置きます。
品物カードは市場から複数枚獲得することもできます。
ただし、複数枚を獲得する場合は、山札ではなく自分の手札から同じ枚数分を補充しなければなりません。
つまり、市場から品物カードを複数枚ゲットする場合は、手札と交換というシステムになるわけです。
市場に出ているラクダのカードを獲得する時は、他の品物カードと違い、出ているラクダのカードすべてを獲得しなければなりません。
獲得したラクダカードは、自分の手前にある「家畜」エリアに横にして配置します。
そして、空いたスペースは山札から補充。
実はこの家畜にしたラクダが非常に重要。例えば、市場から香辛料のカードを2枚欲しいにもかかわらず、手札から2枚出せない、あるいは出したくない状況の場合は……
手札の代わりに家畜を差し出すことで、交換が可能となります。さらに、家畜は手札のカードを組み合わせて交換に出してもOK。つまり、家畜はいざという時の交換材料になるカードというわけです。
こうして手札に集めた品物は、捨て札にすることで売ることができます。例えば、手札に「布」カードが3枚集まったので……
3枚を捨て札にします。一度に売れる品物は必ず1種類のみ。また、「香辛料」「布」「皮革」は1枚から売ることができますが、高級品である「金」「銀」「ダイヤモンド」は2枚以上でなければ売ることはできません。
3枚の「布」カードを売ったので、「布」カードと同じ紫色の品物トークンを上から3枚ゲット。品物トークンの勝利点は高い順に上から並んでいるので、早く品物トークンをゲットした方がより高得点を目指すことができます。
また、同時に3枚以上のカードを売った場合は、ボーナストークンをゲット。今回は3枚のカードを売ったので、カードアイコンが3つ描かれたボーナストークンを獲得します。もし4枚売った場合はアイコンが4つ描かれたボーナストークンを、5枚以上売った場合は5つ描かれたボーナストークンを獲得できます。なお、ボーナストークンはカードアイコンの数が多いほど点数が高くなります。
カードを取ったり売ったりしながら、着々とトークンを集めていきます。
例えば、以下の手札はトークンの点数が高い「銀」と「金」が入っています。「銀」は1枚しかないので売れませんが、「金」は2枚そろっているのでもう売りに出せる状態。
しかし、ここはあえて3枚の「皮革」を先に売るという判断に出ました。「皮革」は「金」や「銀」に比べるとトークン1枚当たりの点数は低いですが、3枚出すことでボーナストークンをゲットできます。
その後、市場に「金」のカードが出てきたのでこれを即購入し、次の手番で「金」3枚を売りさばくことで、品物トークン3つとボーナストークン1枚を獲得。手札のカードをさっさと大量に売り抜けてしまうだけでなく、あえて待つことで一度に売る枚数を増やし、ボーナストークンによる追加点を狙いにいくのも重要な戦略。
その後、市場に2枚出た「銀」を確保し、一度に4枚も「銀」を売りに出すことに成功。同時にボーナストークンも獲得できました。
相手も「布」カードを4枚売りに出し……
残っていた「布」の品物トークン4枚を全部持っていきました。
その後、「ダイヤモンド」3枚を売りに出し……
残っていた「ダイヤモンド」の品物トークン2枚を獲得しました。
これで、場にあった6種類の品物トークンのうちの3種類が尽きてしまったので、ゲーム終了。ゲームは品物トークン3種類が尽きた時点か、品物カードの山札が尽きてしまった時点で終了となります。
各プレイヤーは、獲得したトークンをすべて裏返し、書かれている数字を合計します。
また、ゲーム終了時点でより多くの家畜を所有していた方には、勝利点5点の家畜トークンが授けられます。
最終的に勝利点の合計が高い方に、「優秀の証」が与えられます。この優秀の証を2枚集めたプレイヤーが勝利となります。つまり、2勝先取の3回勝負で勝利した者がマハラジャお抱えの商人として勝利するというわけです。
ジャイプルは非常にシンプルなルールで、アナログゲームに慣れていない初心者でもすぐに理解できます。1マッチはだいたい10分~15分なので、3回勝負の1ゲームはだいたい30分~45分ほど。どういうカードが出てくるかという「運」の部分もありますが、どのようにカードを買い集めながら売り抜くかという「戦略」の部分もしっかりとあり、サクッと遊べる上にリプレイ性はかなり高め。内容物も少なく非常にコンパクトで、広い空間を必要としないので、いつでもどこでも遊べるゲームに仕上がっています。
ジャイプル 日本語版はAmazon.co.jpで取り扱われており、記事作成時点で税込3000円で購入可能です。
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