レビュー

見た目の美しさと裏腹にプレイヤー間の高度な駆け引きを要求するシビアなゲーム「アズール」を実際にプレイしてみました


色とりどりのタイルを集めては自分のボードに並べていくというシンプルなルールにより、初心者でも気軽に遊べる一方で、まるで将棋のように相手の思考を読み合う高度な駆け引きを楽しめる、奥の深いボードゲームが「アズール」です。「ポルトガルの王・マヌエル1世に仕えるタイル職人が、エヴォラ宮殿の壁をカラフルなタイルで飾り立てる」という設定のため、プレイする楽しみだけではなく目で見る楽しみもあるということで、2018年2月28日に登場した日本語版を実際に編集部でプレイしてみました。

Azul
https://www.planbgames.com/en/home/30-azul.html


アズール – ANALOG GAME INDEX
http://hobbyjapan.games/azul/


アズールの外箱はこんな感じ。色とりどりのタイルが敷き詰められたようなデザインとなっています。


箱の裏にはおおまかなゲームの流れが記されていました。


箱を開けるとルールブックの他に、円盤型の工房展示ボードが9枚、プレイヤーボードが4枚入っていました。


さらにゲームの名前が描かれた青の布袋が1枚、「1」と書かれた先手プレイヤーマーカー、4つの黒い得点マーカー、5種類の色のタイルが入っていました。


5種類のタイルはこんな感じ。青・赤は無地で、黄色・黒・水色は柄入りとなっています。どれもつややかで、目にも鮮やかです。タイルは各色20枚ずつ、計100枚が用意されています。


まずは2人で「アズール」を遊んでみました。最初に全てのタイルを布袋に入れます。


中央に工房提示ボードを円形に配置します。工房提示ボードの枚数はプレイ人数によって変わり、二人プレイの場合は5枚配置となります。


先手のプレイヤーを決定します。ルールブックには「最近ポルトガルを訪れたプレイヤーが先手です」と書かれていたのですが、どちらもポルトガルに行ったことがないと判明したため、素直にジャンケンで決めました。先手のプレイヤーは「先手プレイヤーマーカー」を受け取ります。


先手のプレイヤーは、袋の中からランダムに選んだタイルを4枚ずつ取り出し、それぞれを工房提示ボードの上に置きます。全ての工房提示ボードの上にタイルを置いたら準備完了です。ゲームはおおまかに「タイルを順番にゲットする」→「タイルを壁に配置する」という流れになっていて、これを何度も繰り返し、一番多くの得点を稼いだプレイヤーの勝利になります。


まずは先手プレイヤーから、工房提示ボードからタイルをゲットします。ただし「ゲットできるタイルは一度に1色まで」「選んだ色のタイルは全て取らなければならない」という決まりがあります。以下の画像の場合だと、黄色を選択したので黄色2個全てをゲット。


そして、工房提示ボードに残ったタイルは中央へ移動させます。先手プレイヤーはこの時、先手プレイヤーマーカーも一緒に中央に出します。なお、後手のプレイヤーからは工房提示ボードからだけでなく、同じ色であればこの中央のプレーヤーマーカーからも回収できます。


工房提示ボードや中央からゲットしたタイルは、プレイヤーボードの左下にある「図案ライン」に配置します。図案ラインは5段組の階段状になっています。タイルを置くことができるのは1度に1段まで、さらに1つの段には同じ色のタイルしか置くことができないという制限があります。図案ラインの右にあるカラフルなエリアが、タイルを配置する「宮殿の壁」で、これと同じデザインを作れるようにタイルを集めていきます。


「一度に1色、選んだ色は全て取る」「タイルを置けるのは一度に1段まで、違う色のタイルを同じ段に置いてはいけない」というルールが、このゲームの戦略性を高めているポイントです。例えば以下の画像は、工房提示ボードの上にあるタイルは全てなくなり、中央に黄色6枚・水色4枚・赤3枚が残っているという状況です。


しかし図案ラインの3段目・4段目・5段目は既にそれぞれ赤・黄・青のタイルが置かれています。3段目の赤は埋まってしまっているために置ける場所がなく、4段目の黄色はあと1枚しか置けません。仕方なく水色4枚をゲットし、図案ラインの2段目に配置しますが、2段目には2枚までしか置けないので余ってしまいました。


余った2枚のタイルは「取り切れないタイルを床に落としてしまった」ということで、以下の画像のように床ラインへ配置します。床ラインの上にはマイナスが書かれています。減点はマイナスの総計となるので、この時点で4点も減点されることが確定してしまいました。


さらにその後、相手が赤3枚を持っていったため、残りの黄色6枚がこちらに回ってきてしまいました。6枚のうち1枚は図案ラインの4段目に置くことができますが、残り5枚はどう考えても置く場所がありません。


結局、余った5枚の黄色タイルは全て床ラインへ流れることに。床ラインは最大8枚まで置くことができ、それでも置けなかった分は箱のフタに入れます。床ラインが全て埋まったことで、14点の減点が確定してしまいました。「必要なタイルをゲットして並べる」というシンプルで分かりやすいルールの裏にある、「いらないタイルを押し付けあう」「どのタイルを取ったら相手を妨害できるかを考える」という駆け引きが重要になるという点が、「アズール」というゲームの肝といえます。


場からタイルが全てなくなったらフェイズ終了。全員でタイルを壁に配置します。


図案ラインの上から順番に、全部埋まっている段の右端にあるタイルを、同じ段&同じ色の箇所に配置します。タイルを1つ配置するごとに勝利点が1点もらえます。


ただし、縦横に隣接するようにタイルを配置した場合、もらえる点数が増えます。例えば以下の画像では、青いタイルを配置すると縦に2つ並ぶことになるので、2点ゲットできるというわけです。


また、以下の画像では、二段目に黒いタイルを置くことで縦5個・横2個が隣接して並ぶことになるので、合計7点を獲得できます。このようにただ配置するだけではなく、どこにどの順番で配置するかを考えて得点コンボを狙うことも重要になってきます。


なお、全て埋まった段の中で宮殿の壁へ配置するのは右端のタイルだけで、残りは一時的に箱のフタに入れます。また、全部埋まっていない段はそのまま残します。以下の画像の場合、図案ラインの4段目(赤)と5段目(黒)はまだ段が埋まっていないので、壁に配置せず、次のラウンドに持ち越しになります。


以上の流れで、「タイルを取る」→「タイルを並べて得点ゲット」→「工房提示ボードにタイルを並べる」を繰り返していきます。袋の中のタイルがなくなった場合は、箱のフタに一時的に入れたタイルを補充します。


誰かがタイルを横に1列以上並べたら、そのラウンドでゲームは終了となります。


最後にタイルの並べ方によって追加点が存在するのでこれを加味し、最終的な得点が高いプレイヤーの勝利となります。


なお、プレイヤーボードは裏表となっていて、裏返すと選択ルールで遊ぶことができます。選択ルールでは、宮殿の壁が一面灰色となっていて、同じ段・列に同じ色のタイルを置かない限り、好きな場所にタイルを配置することができます。


従来のルールであれば、相手のプレイヤーボードを見ることで「相手が何色のタイルを何枚欲しがっているのか」を推察することが可能だったのですが、選択ルールだと好きな場所に配置できるため、推察が非常に難しくなります。


以下の画像は4人で通常ルールでプレイしてみたところ。人数と共に工房提示ボードが増えて、場に出るタイルの枚数も増加します。中央にタイルが集まりやすくなるため、「中央にタイルがやばいぐらいにたまる前に、あえて減点を覚悟して少数の内にタイルを取る」という選択をする場面も多くなりました。自分以外のタイルの配置もすべて見えているため、唯一見えない「相手の思考」を読むことも求められる状況もしばしばあり、2人プレイよりもより複雑なゲーム性を楽しめました。


「アズール」はルールそのものは極めてシンプルなので、ボードゲーム初心者でもすぐに理解して遊ぶことが可能です。箱・タイル・ボードなど、カラフルで凝ったデザインで、一緒に遊んだ編集部員からは「例え負けてしまっても『縦一列が並べられたぞ』『ここはきれいにそろったな』と小さい達成感が得られるのが楽しい」という意見もあり、勝ち負けを競うだけではなく、目で見て楽しむこともできます。


また、見た目のきれいさとシンプルなルールとは裏腹に、「いらないタイルをどう扱うか」「相手は今何色のタイルを何枚欲しがっているか」など、考えどころと悩みどころがちゃんと用意されていて、非常に奥が深いものとなっています。

「アズール」には、手札や伏せカードなどの「自分には見えない情報」という要素がなく、タイルの配置や図案は全てまる見えとなっています。運の影響する部分がほとんどないため、中盤以降は特に「相手の動きを予測して自分の行動を決定する」という将棋に近いゲーム性を感じました。ただし、それ故にみんな長考し、どうしてもテンポが悪くなってしまいがちなので、ストップウォッチや対局時計などを活用して時間制限を設けるのがよさげです。

アズールの日本語版の定価は税込6048円で、Amazon.co.jpでも取り扱われていますが、記事作成時点では税込6959円で入手可能となっています。

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in レビュー,   ゲーム,   デザイン, Posted by log1i_yk