レビュー

限られた情報から仲間の手札を予想してミッションに挑む協力型カードゲーム「ザ・クルー」プレイレビュー


太陽系の第9惑星を目指すべく、参加者全員で協力して数々のミッションをこなす協力型カードゲームが「ザ・クルー」です。少ない情報から互いの手札を予測し、プレイするたびに攻略法が変わるミッションを楽しめるとのことで、実際にプレイしてゲーム性を確かめてみました。

The Crew - Quest for Planet Nine - Kosmos Games
https://www.kosmosgames.co.uk/games/the-crew-quest-for-planet-nine/

「ザ・クルー」のパッケージはこんな感じ。


「ザ・クルー」の対象年齢は10歳以上で、プレイ人数は2~5人、プレイ時間は20分を想定しています。


箱の中には、「プレイングカード」「ロケットカード」「リマインダーカード」「タスクカード」の4種のカードが入っています。


各カードの裏面はこんな感じ。リマインダーカードは表裏同じデザインですが、その他のカードには、宇宙に浮かぶ惑星が描かれています。


プレイングカードとタスクカードには青、黄色、赤、緑の4色が存在し、各色に1~9までの数字が記されています。


また、ロケットカードには1~4の数字が記されています。


他に、「司令官コマ」「救難信号コマ」「無線通信コマ」「タスクコマ」も入っていました。


説明書の裏面には「ログブック」が用意されています。プレイヤーは、謎に包まれた第9惑星を目指す宇宙船の乗組員として、ログブックに記された数々のミッションに挑戦します。


ログブックの中身はこんな感じ。第9惑星を目指すストーリーに沿って1~50までのミッションが用意されています。


各ミッションには短いストーリーが記され、右側にはミッションをクリアするために必要なタスクの数が記されています。例えば、ミッション1をクリアするためにはタスクを1つ達成する必要があります。なお、各ミッションの下部に用意された枠にはミッションをクリアするのにかかったターン数を記録しておくことができます。


「ザ・クルー」は太陽系の端にあるという第9惑星を調査するため、50種類ものミッションを協力してクリアしていくというゲームです。ミッションをクリアするためには、「トリック」と呼ばれるミニゲームを繰り返し、決められたタスクの達成を目指します。

トリックの進め方はシンプルで、スタートプレイヤーが場に出したカードと同じ色のカードを時計回りに出していくだけ。ただし、同じ色のカードを持っていない場合は、異なる色のカードを場に出すことができます。そして、参加プレイヤー全員が1枚ずつカードを場に出した時点でトリックは終了。「最初の手番のプレイヤーが出したものと同じ色」かつ「最も大きな数字」のカードを場に出したプレイヤーが「トリックの勝者」となります。


また、ロケットカードは出せば必ず勝利できるカードで、スタートプレイヤーが場に出したカードと同じ色のカードを持っていない時のみに使える切り札です。なお、複数のロケットカードが場に出た場合は、最も大きな数字のロケットカードを場に出したプレイヤーが勝者となります。


ルールを理解したら、ゲームを始める準備をします。まずは、各プレイヤーにプレイングカードとリマインダーカード、無線通信コマを配ります。


次に、全員で相談して挑戦するミッションを決めます。ミッションが進むごとに難易度が上がっていくので、ミッション1から順番に挑戦するのが無難。今回はタスクを2個達成する必要があるミッション2に挑戦することにしました。


挑戦するミッションが決まったら、決められた数のタスクカードをランダムに選んで場に出します。今回のタスクカードはこんな感じ。


次に、ロケット・4を所持しているプレイヤーが司令官となり、司令官コマを受け取ります。司令官の基本的な役割は「最初にタスクカードを選ぶ」「ミッションの最初のトリックを開始する」の2つです。また、司令官に特別な役割を与えるミッションも存在します。


司令官が決まったら、司令官が1枚目のタスクカードを選びます。2枚目以降のタスクカードは司令官から時計回りに選ぶ事になります。


今回司令官が選んだタスクカードは緑・1。選んだタスクカードは自分の近くに置いておきます。


「ザ・クルー」ではゲーム中に互いの手札の中身を話し合う行為は禁止されていますが、各プレイヤーはミッション中に1度だけ無線通信コマを使って、自分の手札の情報を他のプレイヤーに伝えることができます。伝えられる情報は「このカードは手札の中の同じ色のカードの中で最大」「このカードは手札の中の同じ色のカードの中で最小」「手札の中でこの色のカードは1枚しかない」の3種です。今回は、青・6のタスクカードを選んだプレイヤーが無線通信コマを使って「青・9が所持している青色のカードの中で最大」という事を伝えてきました。


タスクは、「タスクカードと同じ色・数字のカードが場に出ているトリック」で「タスクカードを所持しているプレイヤーがトリックの勝者になる」ことで達成できます。つまりタスク青・6をクリアするためには「青・6のプレイングカードが場に出ているトリック」で「青・6のタスクカードを所持しているプレイヤー」が勝利する必要があるということです。

司令官は「青・9を持っているということは、このターンで青・6のプレイングカードが場に出れば確実にタスク青・6を達成できるな」と考え、青・3を場に出しました。


今回のトリックの結果はこんな感じ。司令官の思惑通りに、青・6が場に出て、青・9のプレイングカードを持ったプレイヤーが「トリックの勝者」となり、タスク青・6を達成することができました。


達成したタスクカードは裏向きにします。


トリックの勝者が次のトリックのスタートプレイヤーとなります。スタートプレイヤーが緑・4を場に出し、緑・1も場に出たところで緑・1のタスクカードを持った司令官がロケット・4を場に出して「トリックの勝者」となりました。これでタスク緑・1も達成し、ミッションクリアです。全員の思惑が通じ合い、2回のトリックでミッションをクリアすることができました。


無線通信コマによる意思疎通がうまく行けば、上記のようにスムーズにミッションをクリアすることができますが、実際にプレイしていると意思疎通がうまくいかないこともあります。例えば、プレイヤーの1人が「黄色・8が黄色カードの中で最大」と通信を送ったのが以下の場面。黄色・5のタスクカードを持つプレイヤーは「黄色・8が最大ということは、他に小さい数字の黄色カードも持っているということだから、黄色・6を出せばこのトリックに勝利できる」と考え、自分のタスク黄色・5を達成するべく、黄色・6を場に出しましたが……


通信を行ったプレイヤーが持っていた他の黄色カードは黄色・7。読みが外れ、タスクを達成することができませんでした。このように、タスクカードと同一のプレイングカードが場に出ているトリックで、タスクカードを持っていないプレイヤーが勝利してしまうとミッションは失敗となります。


ミッションは、進むにつれて難易度が上がっていきます。例えば、ミッション10ではタスクを4つ達成しなければなりません。


4つのタスクはこんな感じ。「タスク2つでもクリアできないことがあるのに、4つもタスクがあったらクリアできるはずがない」と考え、救難信号コマをつかって地球に救難を要請することにしました。


救難信号コマを表向きにすることで、地球に救難を要請します。


救難を要請すると、各プレイヤーはプレイングカードを1枚ずつ右隣か左隣のプレイヤーに渡すことができます。右か左のどちらに渡すかは相談して決めます。


救難を要請してカードの交換を行っても、4つのタスクを達成するのは至難の業。ミッション失敗を何度も繰り返し、6回目の挑戦でなんとかミッションをクリアすることができました。


「ザ・クルー」を実際にプレイしてみたところ、場に出されるカードから他のプレイヤーの意図を全員が読み取る必要があるため、参加するプレイヤー全員に高い戦略性が求められるゲームでした。高難度のミッションになると、場に出されたカードを全て記憶しておく必要が出てくるため、かなりの歯ごたえがあります。今回はミッション1~10までクリアするのに5時間かかりましたが、ミッションは50個用意されているため長く楽しめそう。かなり難易度が高いゲームなので、トリックテイキングゲームに慣れている人や、さまざまなジャンルのゲームを楽しみたいボードゲーム上級者にオススメな作品です。

「ザ・クルー」は記事作成時点ではAmazon.co.jpにて3800円で入手できます。

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in レビュー,   ゲーム, Posted by log1o_hf

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