レビュー

タイル配置と手番順を戦略的に見定めて勝利を目指すボードゲーム「ノヴァルナ」をプレイしてみた


月時計の周囲に配置されたタイルから1つ引いて、それぞれのタイルに示されたタスクの達成を目指していく、タイル配置系のパズルゲームが「ノヴァルナ」です。タイルは好きに引けるわけではなく、時計回りに並ぶ3枚から1枚を選ぶのですが、タスクの達成難度は自分がすでに配置したタイルによって大きく変化。タイルを引く順番も一定ではないなど、変動する要素が大きいこの「ノヴァルナ」を実際に4人でプレイしてみました。

ノヴァルナ | | ANALOG GAME INDEX
http://hobbyjapan.games/nova_luna/

ノヴァルナのパッケージはこんな感じ。タイトルロゴの周囲に人の顔が付いた月が描かれています。


推奨年齢は8歳以上で、1プレイにかかる時間は30分、プレイ人数は1~4人を想定しています。


箱の中には円盤状の「月時計ボード」、4色のタイル、4色のマーカー、「月コマ」が入っていました。


タイルは赤、黄色、青、ターコイズの4色で、それぞれのタイルの左上には数字が記され、残りのスペースには最大3つのタスクが記されています。


タスクは4色の丸の数によって「何色のタイル」を「何枚隣接させる」かが示されています。例えば、以下の写真の黄色いタイルには、「黄色いタイルを3枚隣接させる」と「赤いタイルを1枚と青いタイルを1枚隣接させる」の2つのタスクが設定されているというわけ。なお、以下の状態では赤いタイルと青いタイルが各1枚隣接しているため、後者のタスクが達成されていることになります。


「月時計ボード」には表と裏に人間の顔が付いた月の満ち欠けが描かれており、タイルを置いたり、プレイヤーの手番を表すために使用します。


それでは、4人でノヴァルナをプレイしてみます。ゲームを始めるためにはまず「月時計ボード」に描かれた月のイラストのうち、金色の枠で囲まれた新月の外側に「月コマ」を配置して……


それ以外のスペースにランダムに選んだタイルをグルッと配置し、新月マスのうえに黒、白、青、オレンジの4色のマーカーを1つずつランダムに積みます。


残りのマーカーを各プレイヤーに配り、余ったタイルを「月時計ボード」のそばに置けば準備は完了です。


ノヴァルナのプレイ順は一般的なボードゲームのように「何らかの方法でスタートプレイヤーを決めて、そこから時計回り・反時計回り」ではなく、「月時計ボード」の上のマーカーの位置によって決まります。最初の手番は一番上にマーカーが置かれたオレンジマーカーを所持するプレイヤーから始まります。


自分の手番が来たプレイヤーは「月時計ボード」からタイルを選んで引きます。タイルは「月コマ」から時計回りに3枚目までのタイルから選ぶことが可能。


タイルを引いたら、そのタイルの左上に書かれた数字の数だけマーカーを進めます。今回は2進みました。


次は青プレイヤーの番。今回は以下の3つのタイルから選んで引くことができます。


「タスクが多いタイルの方がタスクの達成が簡単かな」と考え、3つのタスクが指定されている黄色いタイルを選択しました。


そして、タイルに書かれている数字の通りに6マス進みます。


ノヴァルナの手番の進め方は特殊で、「月時計ボード」の最も後方のマスにマーカーがあるプレイヤーに手番がまわります。さらに、マーカーをが積み重なっている場合は、一番上にあるマーカーのプレイヤーの番となります。例えば、以下のようなマーカーの配置なら、一番後方かつ一番上に積まれている黒いマーカーを所持するプレイヤーの番というわけ。小さい数字のタイルばかり取ればマーカーの進みが遅くなり、何度も手番が周ってくるのですが、大きい数字のタイルの方がタスクの達成が簡単なので、どのタイルを選ぶかしっかり考える必要があります。


「月時計ボード」から取ったカードは、タスクをクリアできるように配置していきます。例えば以下の配置では、青いタイルの左下のタスク「赤いタイル1枚と青いタイル1枚を隣接させる」がクリアできています。


タスクをクリアしたら、そのタスクに自分のマーカーを置きます。どんどんタスクをクリアしていき、手持ちのマーカーを最初に全部なくしたプレイヤーが勝利します。


タイルの隣接カウントは、基本は「当該タイルの上下左右に何色のタイルが隣接しているか」だけをカウントしますが、同色のタイルが複数隣接している場合は枚数を足してカウントすることが可能。たとえば以下の配置の場合、黄色いタイルが2枚隣接しているので、青いタイルは「黄色いタイル2枚と隣接している」と判定してOK。青いタイル右下のタスク「黄色いタイル2枚と隣接」が達成されたことになります。


ノヴァルナでは、1枚のタイルで多数のタスクをクリアすることも可能です。例えば、以下のような配置のタイルに……


黄色いタイルを1枚引いてきて図の位置に配置することで、左上のターコイズのタイルにある「黄色いタイル2枚と隣接」タスク、およびターコイズのタイル2枚にある「黄色いタイル3枚と隣接」というタスク、さらに青タイルの「黄色いタイル3枚と隣接」タスク、そして、たった今配置したタイルの「黄色いタイル2枚と隣接」タスクを同時に達成することができました。


1度の手番で5個のタスクをクリアしたことで、一気に勝利に近づくことができました。


ゲームが進むと、「月時計ボード」の周りのタイルが少なくなります。「月時計ボード」の周りのタイルが3枚未満になったら、その時点で手番となるプレイヤーがタイルを補充するか、そのままプレイするかを選ぶこができます。


タイルを補充するときは、「月コマ」から時計回りに全ての空いたスペースにタイルを補充します。なお、勝利プレイヤーがいない段階で全てのタイルがなくなった場合は、その時点で残りマーカーが一番少ないプレイヤーの勝利となります。


ゲームが進み、青プレイヤーの残りマーカーが2個となりました。勝利まであと少しです。


「月時計ボード」からタイルを1枚選びます。


選んだタイルは「赤いタイルを4枚隣接させる」と「赤いタイルを2枚隣接させる」の2つのタスクを持ったタイルです。これを赤いタイルが密集している部分に配置して……


2つのタスクを同時に達成し、マーカーを全て使い切りました。これで青プレイヤーの勝利です。


1位以外の順位は、残ったマーカの少ない順に決まります。今回のプレイでは黒が2位、白が3位、オレンジが4位でした。


なお、1位が決まった時点で残りマーカー数が同じ場合は、手番が先に来るプレイヤーの方が上位となります。例えば、以下の場合は、黒と青のマーカーが同じ個数残っていますが、「月時計ボード」を見ると黒の方が先に手番がまわってくるので、黒が2位、青が3位、白が4位になるというわけ。


プレイ途中の手元のタイルを見ていると、人によって広がる方向が違ったり、マーカーが置かれた個数が違ったりして「どうすればいいゲームなんだろう?」と難しそうに見えますが、実際に遊ぶとルールはとてもシンプル。序盤からコツコツと細かいタスクをクリアしていったり、あるいは後半に一気に複数のタスクを消化したり、プレイするたびに異なる戦略でゲームを楽しめます。最終的に1位になれなくても、「難しそうと思っていたタスクを達成できた」「タイルを美しく並べられた」など、その他の満足感が得られるのもいいところです。


さらに、ノヴァルナを2人でプレイしてみました。4人プレイでは、各プレイヤーのタイル選択が他のプレイヤーに影響することはあまりないのですが、2人でプレイすると互いのタイル選択がもう片方のプレイヤーのタイル選択に直接影響します。そのため、相手のタイル配置から戦術を読み取って妨害しつつ、自分の戦術も決めるという頭を使うプレイが要求され、4人でプレイしたときとは全く異なるゲーム性を楽しめました。


また、ノヴァルナは1人でのプレイにも対応しています。1人プレイでは、なるべく少ないタイルで全てのマーカーを使い切ることを目指します。ノヴァルナの説明書には、タスクの達成に用いたタイルの左上の数字の合計が100未満になることを目指すように書かれていますが、数回プレイしても100を越してしまい、なかなかの歯ごたえを感じました。ノヴァルナは遊ぶ相手がいないときの暇つぶしゲームとしても楽しめます。


ノヴァルナはプレイする人数によって手軽に遊べるパーティゲームとしても、知恵を絞って戦う戦略ゲームとしても楽しめるゲームでした。

なお、ノヴァルナは全国のボードゲーム取り扱い店やAmazon.co.jpなどの通販サイトにて税込4400円で入手可能です。

Amazon | ホビージャパン(HobbyJAPAN) ノヴァルナ 日本語版 | ボードゲーム | おもちゃ

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in レビュー,   ゲーム, Posted by log1o_hf

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