レビュー

世界で3000万セットも売れたボードゲーム「カタン」の6人拡張版を遊んでみた


1995年にドイツで発売され、今なお根強い人気を誇るボードゲームが「カタン」です。発売されたその年にボードゲームの最も権威ある賞である「ドイツ年間ゲーム大賞」を受賞。その後も数々の賞を受賞し20カ国以上で販売されている、ボードゲーム界では超有名なゲームです。通常版では最大プレイ人数は4人ですが、今回は最大6人で遊べる「カタン スタンダード 5-6人用拡張版」を使用して編集部員6人でプレイしてみました。

カタン スタンダード 5-6人用拡張版
http://www.gp-inc.jp/boardgame_catan_56.html

基本セットである「カタン スタンダード版」と追加セット「カタン スタンダード 5-6人用拡張版」のパッケージはこんな感じです。


「カタン スタンダード版」の内容物はこんな感じ。海フレーム6枚、地形タイル6種類19枚、ダイス2個、4色のコマ、数字チップ18枚、発展カード25枚、建設コスト表4枚が入っています。


拡張版には、海フレーム4枚、地形タイル6種類11枚、2色のコマ、数字チップ28枚、発展カード9枚、建設コスト表2枚が入っています。あくまでスタンダード版と組み合わせて使用するもので、単体で遊ぶことはできません。


海フレームを使って、ゲームの舞台となるカタン島の外枠を作ります。スタンダード版だと地形タイル19枚で島を構成する大きさですが、拡張版だと海フレーム部分が一回り大きくなり、地形タイル30枚で島を構成します。


カタン島の地形タイルは「森林(スタンダード版4枚+拡張版2枚)」「丘陵(3枚+2枚)」「畑(4枚+2枚)」「牧草地(4枚+2枚)」「山地(3枚+2枚)」「砂漠(1枚+1枚)」の6種類があります。


資源カードは「小麦」「鉱石」「木材」「羊毛」「レンガ」の5種類があり、カードの背景で対応する地形タイルが示されています。ゲーム中、該当する地形タイルからこれらの資源が産出されます。


発展カードは騎士カード、「独占」「発見」「街道建設」の3つの進歩カード、ポイントカードの合計5種類があります。うまく使うことでゲームを有利に進められます。


プレイヤーが手元に持つコマは「街道」「開拓地」「都市」の3種類。また、これとは別にお邪魔虫である盗賊コマが1つあります。


ゲーム開始前に、スタンダード版と拡張版の地形タイルを混ぜてシャッフルし、説明書に定められているようにまず中央列、続いて左側の列、右側の列……と順番に置いていきます。続いて、数字チップを裏返してアルファベット順に、渦巻き状に並べて最後に裏返します。このとき、数字チップは砂漠タイル上には置きません。最後に、いずれかの砂漠タイルに盗賊コマを置けばカタン島の準備は完了です。


ゲームの目標は「10ポイント先取すること」。開拓地1つが1ポイント、都市1つが2ポイントとなるほか、ポイントカードは1枚で1ポイントとなるほか、5個以上の最も長い街道を敷設すると「最長交易路」ボーナスが2ポイント、3枚以上の騎士カードを出すと「最大騎士団」ボーナスで2ポイントがもらえるので、うまく組み合わせてポイント獲得を狙う必要があります。


まずは、ダイスを振ってスタートプレイヤーを決め、6人目まで順番に開拓地と街道を1つずつ配置。配置を終えたら、今度は6人目から5人目、4人目……と2つ目の開拓地と街道を配置していきます。ゲーム開始時、2つ目の開拓地に隣接するタイルから資源を獲得できるので、1つめの開拓地はもちろん、2つ目の開拓地をどこに置くかがかなりのポイントとなります。なお、開拓地は3つのタイル(タイルのうち1つは海フレームでもOK)の交差点に置きますが、開拓地同士が隣り合ってはいけないというルールがあるので、他のプレイヤーが開拓地を配置した影響で自分が狙っていたポイントに開拓地が置けなくなるということも多々あります。


たとえば白のプレイヤーは、2つ目の開拓地を「森林」「畑」「山地」の交差点に置いたので、木材、小麦、鉱石を獲得します。資源カードは手元に伏せておきます。


いよいよゲーム開始です。手番のプレイヤーがダイスを2個振り、出目の合計の数字チップが置かれたタイルの周囲に開拓地か都市を置いているプレイヤー全員がタイルから資源カードを獲得します。ここでは「4」が出たので、4の森林タイルの隣接地に開拓地を置いていた緑プレイヤーが木材を1つ獲得しました。同じ数字が複数あるので、同様の処理を他のタイルでも行います。


資源カードを受け取ったら、個別のアクションを行います。手元の建設コスト表にある通りのコストを支払って「街道」「開拓地」「都市」を作ったり「発展カード」を引いたりできます。


勝つためにはポイントが必要なので、開拓地を作り、さらに開拓地を都市へと発展させたいところですが、「新しい開拓地は既存の開拓地と街道で接続している必要がある」「開拓地同士は隣接できない」というルールがあるので、まず作る必要があるのは街道です。白のプレイヤーが木材とレンガを支払って、街道を延ばしました。


資源がタイルから産出されればよいのですが、ダイスの目は気まぐれなので、欲しい資源が手に入るとは限りません。そんなときには、手番のときに行える「資源カード交換」で、他のプレイヤーや銀行と資源を交換することができます。他のプレイヤーとの交換は「島内取引」となり「どの資源が欲しいのか、代わりにどの資源を出せるか」の交渉で条件が合えば交換できます。無償譲渡はできませんが、1枚と複数枚の交換も可能。一方、ヘタに応じると「あの資源に余裕があるのでは?」と手札の状況を他のプレイヤーに教えてしまうことにもつながるので、どう立ち回るかは腕の見せ所です。


銀行との交換は「海外取引」となり、手元の同種類の資源4枚と、銀行の任意の資源1枚を交換します。なお、海フレームに「3:1」と書かれているところは「一般港」で、もし開拓地を作っていれば、取引時に必要な資源が3枚で済みます。さらに、資源イラストと「2:1」と書かれている「専門港」に開拓地を作っていれば、該当する資源2枚と任意の資源1枚を交換できます。


資源を巧みに集めたオレンジのプレイヤーは開拓地を建設。開拓地の建設には「木材」「レンガ」「小麦」「羊毛」と4種類の資源が1枚ずつ必要ですが、開拓地が増えればそれだけ資源カードを獲得できる確率が高まります。


「小麦」「羊毛」「鉱石」を支払うことで発展カードを購入することもできます。発展カードは次の手番まで使うことができず、また、手番でも1回に1枚しか使えませんが、交渉や建設は資源さえ持っていれば何度でも行えます。


「鉱石」3つと「小麦」2つを支払って建てられる都市は、既存の開拓地と置き換えるもので、タイルから得られる資源の量が2倍になります。


スタンダード版では、手番プレイヤーは「資源交換」「街道・開拓地の建設」「開拓地を都市にする」「発展カードの購入」「発展カードの使用」という5つを順不同で行い、終わったら次のプレイヤーのターンになっていましたが、拡張版では手番プレイヤーの行動が終わったら、手番以外のプレイヤーが順番に「街道・開拓地の建設」「開拓地を都市にする」「発展カードの購入」を行うことが可能です。これにより、手番プレイヤーと島内取引を行ったプレイヤーが、次の人の手番より前に街道や開拓地を作ったり、発展カードを購入したりするケースが出てきます。


発展カードにの一つには「独占」というカードがあります。「独占」を使用したプレイヤーはプレイヤー全員から指定した種類のカードを全て回収することができます。使用した白のプレイヤーは資源カード「鉱石」を回収してご満悦です。他のプレーヤーの持っているカードを確認することができないため、みんなが何のカードを持っているか推測して使う必要があります。


資源カードはいろいろな用途に使えますが、持ちすぎていると大きな災いがふりかかってくることも。誰かが振ったダイスの目の合計が7になった場合、盗賊が動き出します。


この時8枚以上の資源カードを持っているプレイヤーは資源カードの半分を選んで捨てなければなりません。9枚持っていたプレイヤーは端数が切り捨てられた4枚を泣く泣く捨てることに。資源カードはうまく消費して常に7枚以下に保つ必要がありそうです。


7を出したプレイヤーは盗賊を別のタイルに動かすことができ、置いたタイルの周囲に開拓地があればその持ち主から資源カードを1枚奪い取ることができます。また、盗賊が移動するまで盗賊がいるタイルからは資源カードを受け取れなくなります。赤と青のプレイヤーは盗賊がどこかに動かされない限り、「5」の目が出てもこの「森林」タイルからは資源カードを獲得することができません。


また、「騎士」の発展カードを使うことでも盗賊を別のタイルに動かすことができます。騎士のカードを最初に3枚使用すると持っているだけで2ポイント分になるボーナスカード「最大騎士力」を手に入れられます。しかし他の人がより多く使用した場合カードを奪われることになります。


街道を他の人に邪魔されることなく5本つなげるとボーナスカード「最長交易路」を手に入れることができます。こちらも持っているだけで2ポイント分になるカードですが、他の人がより長い街道を作った場合は奪われてしまいます。


堅実に街道を伸ばし開拓地を都市に作り替え、ボーナスカードを2枚も獲得したプレイヤーが合計10ポイントを獲得し、勝利をつかみました。


ゲームをプレイした感想としては、開拓地や都市を置けば置くほどどんどん資源を集められるので、軌道に乗りさえすればゲームを有利に進められることがいいポイントとして挙げられます。しかしダイスの目に大きく左右されてしまうこと、先を走っているプレイヤーに追いつくことや逆転を狙うのが難しいこともあり、慣れたプレイヤーでなければ少し苦労しそうなゲーム性でした。また、同封されていたルール説明書は非常にシンプルなので、事前に公式サイトの「よくある質問」ページなどでよくルールを確認しておいた方がよさそうです。

「カタン スタンダード版」と「カタン スタンダード 5-6人用拡張版」はAmaon.co.jpで購入可能で、記事作成時点で「カタン スタンダード版」は税込2800円、「カタン スタンダード 5-6人用拡張版」は1427円で販売されています。

Amazon | カタン スタンダード 5-6人用拡張版 | ボードゲーム | おもちゃ


https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B017SB7QLO/gigazine-22Amazon | カタン スタンダード版 | おもちゃ | おもちゃ

この記事のタイトルとURLをコピーする

・関連記事
運命に左右されながら「自分だけの最強の冒険者」を作り上げる「ロールプレイヤー 完全日本語版」プレイレビュー - GIGAZINE

「自分だけの最強の勇者」を作り上げ強敵との戦いに挑む「ロールプレイヤー拡張モンスターズ&ミニオンズ」プレイレビュー - GIGAZINE

「カタンの開拓者たち」の生みの親が明らかにする開発秘話とは? - GIGAZINE

紀元前から現代まで続く「ボードゲーム」の歴史、爆発的人気の理由とは? - GIGAZINE

人気ボードゲームの「カタンの開拓者たち」がポケモンGOのNianticの技術でARゲームに - GIGAZINE

in レビュー, Posted by log1p_kr

You can read the machine translated English article here.