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紀元前から現代まで続く「ボードゲーム」の歴史、爆発的人気の理由とは?


2015年現在、ボードゲームは世界規模で爆発的な人気を得ており、2012年にボードゲームの成長率が前年比で40%に達したことをイギリスの新聞The Guardianが「ボードゲームの黄金期」と呼ぶなど、ボードゲームはあのGoogleよりも高い成長率を持っているそうです。そんなボードゲームが誕生したのは紀元前5000年と言われていて、人間と一緒に進化してきたと言っても過言ではない、ボードゲームの誕生から現在に至るまでの歴史が公開されています。

The Full History Of Board Games | Dicey Goblin
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◆紀元前5000年:世界最古のボードゲーム
ボードゲームの歴史が始まったのは紀元前5000年。2013年にトルコ南東部の「Başur Höyük」という紀元前5000年に作られた古墳群の中から、石に彫刻や塗装を施した49種類の「サイコロ」が見つかっており、これが世界最古のボードゲームと言われています。同じような最初期のゲームアイテムを示すサイコロ状のものはシリアやイラクでも発見されているとのこと。さらに紀元前4世紀に文明を築いていた古代メソポタミア人が使っていたと見られる、スティック型の四面体ダイスも見つかっています。


コレは紀元前5世紀~3世紀のギリシャ・トラキアで作られたと見られる骨のサイコロ。現代でもさまざまなゲームで使われる「サイコロ」は、まだ文字言語が生まれていないはるか古代から受け継がれてきたものというわけです。


その後もサイコロは黄銅・銅・ガラス・象牙・大理石といったさまざまな材料で作られ続けました。現代ではポピュラーな六面体ダイスが初めて作られたのは紀元前700年ごろの古代ローマ帝国時代と考えられており、「ダンジョンズ&ドラゴンズ(D&D)」で使われるような多面体サイコロも、すでに古代ローマ時代には作られていた可能性があるそうです。


◆紀元前3100年:ボードゲームは王族の娯楽へ
紀元前5000年から発展を続けたボードゲームは、紀元前3100年以降の古代エジプト時代にファラオの間で人気の娯楽になったとのこと。「セネト」と呼ばれるボードゲームが王朝誕生前と第一王朝のピラミッドから発見されており、セネトをプレイするエジプト女王を描いた壁画も発見されています。


セネトをプレイするために使われるボードは、王族を埋葬する際に「来世への旅の護符」として共に埋葬されることが多かったことが分かっています。


◆紀元前3000年:宗教との結び付き
古代エジプトではボードゲームの人気が継続し、紀元前3000年になると労働者階級層にも浸透するようになりました。その当時プレイされていたのは「Mehen(メーヘン)」と呼ばれるボードゲーム。エジプト神話における太陽神ラーを飲みこんだ「蛇神」をかたどったボードを使うもので、この時点からゲームと宗教が結び付きを持ち始め、ゲームのキャラクター性を発展させる一因にもなっています。


◆紀元前2650年:史上最も長期間にわたって遊ばれたボードゲームとは
紀元前2650年ごろに作られた「ウル王のロイヤルゲーム」のルールが刻まれた石版を発見したアーヴィング・フィンケル氏は、現代のインドで同じゲームボードが使われていることを発見しました。それまで「バックギャモン」が人類史上最も長くプレイされたボードゲームであると考えられていましたが、ウル王のロイヤルゲームが記録を塗り替えたわけです。


◆紀元前2000年:「バックギャモン」の発祥
バックギャモンは2人プレイのボードゲームで、サイコロを振ってボード上のそれぞれ15個のコマを全て先にゴールさせた方が勝利となります。古代ローマ帝国では「Ludus duodecim scriptorum」というゲームが人気だったことがわかっており、現代のバックギャモンとほぼ同じルールを持っていたことから、人類史上初めて見つかった「バックギャモンの原型」と考えられています。最古の資料としては紀元前2000年ごろに書かれた本の中で言及されていたとのこと。


数千年の歴史を持つバックギャモンが世界的な人気を得たのは1960年代中期。「現代のバックギャモンの父」の異名を持つAlexis Obolensky王子が「国際バックギャモン協会」を設立し、公式ルールを発表したことがきっかけとなっています。協会の設立後、バックギャモンの世界的な大流行が巻き起こり、1967年にはラスベガスで世界選手権が行われるまでに発展しています。


◆紀元前1300年:戦禍の影響が軍事戦略ゲームへ
Ludus latrunculorum」は古代ローマ帝国で流行したチェスによく似たボードゲーム。紀元前1300年ごろに戦争が多発したことが影響し、「軍略」がテーマのゲームが生まれたと考えられています。ラテン語で「チェスをする」という意味を持つ「Ludus latrunculorum」ですが、初期チェスの中で、ポーンの移動ルールに大きな影響を与えたと言われています。


◆紀元前500年:ボードゲームが子どものオモチャに
ボードゲームは古代の文化の中において「大人の遊び」としてたしなまれていましたが、ボードゲームは子どもの遊びにも影響を与えました。といっても実際にボードや駒を使うわけではなく、日本では「けんけんぱ/石けり」、海外では「ホップスコッチ」と呼ばれるマス跳び遊びが紀元前500年に誕生したとのことです。


◆紀元前400年:東洋文化のボードゲーム
紀元前400年に東洋文化で初めて誕生したといわれるボードゲームが「Liubo(六博)」というサイコロを使った2人対戦型ボードゲーム。1973年に漢王朝の墓の中から副葬品として「完全版」が見つかったことで、その存在と詳しいルールが明らかになっています。


◆400年:「Tafl games」とチェスの誕生
Tafl games」とは、西暦400年ごろに考案された、格子柄のボード上で奇数にそろえた軍隊を戦わせる古代ドイツやケルト発祥の戦略ゲーム。Tafl gamesの流行はアイスランド・イギリス・アイルランド・ラップランドに広がり、一部は北ヨーロッパを越えてインドにまで伝えられました。


その影響から6世紀ごろのインドでは「チャトランガ」というチェスや将棋の起源になったと言われるゲームが誕生。7世紀にはチャトランガがササン朝ペルシアに伝わって「シャトランジ」となり、アラブ地域で広く親しまれました。


シャトランジは西暦1475年までにコンスタンティノープルからロシアを巡ってイスラム世界からヨーロッパに逆輸入される形となり、世界中で親しまれました。世界各地を巡る中で現代と同様のルールを持つチェスが完成したとのことです。


◆700年:「マンカラ」の初めての痕跡
マンカラ」とはアフリカや中近東、東南アジアにかけて古くから遊ばれている、伝統的なボードゲームの総称のこと。700年ごろに誕生してから数百種類ものゲーム名が伝えられていますが、ほとんどのマンカラは石と木のボードを使うなど共通するルールがあるほか、ゲーム名が違ってもルールが同じ、という場合もあるとのこと。


◆1903年:モノポリーの元になった「Landlord's Game(家主ゲーム)」
Landlord's Game(家主ゲーム)」とは、モノポリーの原型になったボードゲームで、アメリカのゲームデザイナーであるエリザベス・マギーが考案したもの。正方形のボード上の不動産から発生する賃料の高さを競うというジョージズムの経済原則に基づいたシステムを採用しています。


◆1978年:ドイツの名誉あるボードゲーム賞「The Oscars of Board Games」
「The Oscars of Board Games」とは、Spiel des Jahres e.V.が優れたボードゲームとトランプゲームを選出する「ボードゲーム版ゲーム・オブ・ザ・イヤー」のこと。ドイツ人の審査員によって毎年1タイトルが選出され、受賞した作品は最高で50万部の販売増加を見込むことができるそうです。審査にあたって「ゲームコンセプトの独創性/遊戯性/価値」「ルール構造の構成/明解さ/わかりやすさ」「箱・ボード・ルールブックのレイアウト」「デザインの機能性/技量」が評価されます。1978年から2014年までの受賞作品は以下のようになっています。


◆1995年:アメリカにおける「カタンの開拓者たち」の影響
カタンの開拓者たち」シリーズは全世界で2400万本以上が販売され、30言語以上に翻訳されているヨーロッパ生まれのボードゲーム。アメリカではワシントンポストが2010年に「モノポリーに次ぐ人気のボードゲーム」として取り上げたほか、2012年には「Going Cardboard」というボードゲームのドキュメンタリー映画が公開されるなど、アメリカにおけるボードゲーム・ブームの火付け役となっています。


◆2009年:Kickstarterが新しいゲームの源泉に
ボードゲーム市場では「カルカソンヌ」「カタンの開拓者たち」「アルハンブラ」「Ticket to Ride(乗車券)」に続く新しいボードゲームが切望されていましたが、新作ボードゲームを考案して成功させるのは簡単なことはではありませんでした。


クラウドファンディングのKickstarterが登場したことでその状況は一変し、優れたアイデアが製品化できるようになり、ボードゲーム市場に革命が起こったとのこと。人気ヒロイックファンタジーシリーズ「英雄コナン」のボードゲーム版「Conan」は、Kickstarterで史上7番目に出資を集めたプロジェクトで、総額332万7757ドル(約4億円)もの出資を集めることに成功。Kickstarterはボードゲーム業界に大きな影響を与えているというわけです。


◆2013年:YouTubeの人気番組「Tabletop」の威力
昨今のボードゲームの人気を促進させた一因となっているのが、ウィル・ウィートンとフェリシア・デイによるボードゲームのウェブ番組「Tabletop」です。有名人同士でボードゲームをプレイしてもらうという内容で、Tabletopが「Geek & Sundry」というYouTubeチャンネルを開設したところ、すぐに超人気チャンネルとなりました。


Tabletopで取り上げられるボードゲームは販売数が急上昇するようになり、「Tsuro」というゲームが特集された時は生産が追いつかなくなるほどで、その現象はゲームメーカーから番組の司会者の名前をとって「ウィートン効果」と呼ばれているとのこと。そんなTabletopを運営するウィル・ウィートンとフェリシア・デイは、2013年から「International TableTop Day」というゲームイベントを主催しており、2014年の開催時は80か国以上が参加する超巨大イベントへと発展しています。


紀元前からの歴史を持つボードゲームですが、近年の急成長はまだまだスタートしたばかり。各国のボードゲーム・コミュニティは発展途上にあるとのことなので、面白いボードゲームを見つけた時は、純粋に楽しんでプレイしたり、発見したテクニックをネット上で公開することで、コミュニティの発展に貢献することができるとのことです。

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in ゲーム, Posted by darkhorse_log

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