レビュー

運命に左右されながら「自分だけの最強の冒険者」を作り上げる「ロールプレイヤー 完全日本語版」プレイレビュー


ロールプレイングゲームのプレイには、プレイヤーが使用するキャラクターの「筋力」「知力」「敏捷(びんしょう)」などのステータスにポイントを振り分けて、冒険と共に成長させていく楽しみがあります。アークライトゲームズから完全日本語版が出ている「ロールプレイヤー」は、「ステータスを振り分けて自分だけのキャラクターを作る」という部分だけをゲームにしたもので、種族を選び武器を集めキャラクターを強くすることで自分だけのキャラメイクを楽しめるとのこと。いったいどんなゲームかめちゃくちゃ気になったので、実際にプレイしてみました。

◆1:開封
◆2:事前準備
◆3:勝利条件確認&ゲーム開始
◆4:まとめ

◆1:開封
パッケージはこんな感じ。「偉大な勇者は虚空より沸いて出るものではなく、一から創造しなくてはならない!」というテーマで、対象年齢は10歳以上、最大プレイ人数は4人で1人プレイも可能、プレイ時間は60分から90分と記載されています。


内容物はルールブック、ダイスが入った袋、キャラクターシート7枚、金貨70枚、表示トークン12個、魅力トークン12個、カード102枚です。


ダイス袋にはダイスが73個も入っています。色は赤・青・紫・緑・黒・白・黄の7種類です。


キャラクターシートは全7種類。厚紙製で、しっかりした作りです。


金貨も厚紙製です。


表示トークンと魅力トークンはこんな感じ。


カードは6種類あります。プレイの手順が書かれたプレイヤー支援カードが4枚と数字の書かれた順番カードが5枚。


職業カードが6枚と設定カードが16枚。


属性カードは一回り小さく17枚、市場カードは54枚です。


◆2:事前準備
プレイ前の準備を行います。今回は編集部員4人でプレイ。1個ずつダイスを振り、一番大きい目のプレイヤーが「スタートプレイヤー」となって時計回りに進行します。


スタートプレイヤーから順にキャラクターシートを選んでいきます。


真ん中には「筋力」や「敏捷」などの「特性値」と呼ばれる枠にダイスを配置するための穴が空いており、それぞれ3枠、6種類あります。また特性値の欄には、「特性値の行動」を示すイラストが描かれています。


また、キャラクターによって数値の調整が異なっています。例えば竜人では筋力が追加されている代わりに、敏捷が少し低め。それに対して蛙人(フロッグキン)だと筋力が少ない代わりに敏捷が追加されています。


キャラクターシートの片面は女性キャラクター、もう片面は男性キャラクターが描かれています。女性と男性で性能は変わらないので、好みに応じて選択してOK。ただし、中には見た目にあまり違いがわからないものも。


各プレイヤーに初期所持金として、金貨を5枚ずつ配ります。ただし、4人プレイの場合は最後手番のプレイヤーだけ、さらに初期所持金に2枚が追加されます。余ったお金は「銀行」として場に置いておきます。


スタートプレイヤーから順にダイスを1つずつ引きます。この時、引いたダイスの色が自分固有の色となります。例えば、緑のダイスを引いたプレイヤーは、同じ緑色のマークが描かれた「野伏(レンジャー)」という職業カードをキャラクターシートに置きました。


職業カードの右側には「職業名」と「能力」が書かれています。職業カードに書かれた内容は表と裏で異なり、ゲーム中に変更ができないので、事前に「どんなキャラクターをつくりたいか」を考えて決める必要がありそうです。


職業カードの左側には「筋力 14-15」など、ステータスごとに目標値が設定されています。この目標値を達成すると、最終得点につながる「名誉の星」を獲得でき、名誉の星を最も多く集めたプレイヤーが勝利となります。例えば、以下の画像では、一番上の「筋力」に置かれたダイスの目の合計は6+6+2=14。そして、カードには「14-15」とあり、目標値である14もしくは15を満たしているので、名誉の星を2つゲットできるというわけです。キャラクターシートにはダイスを振って出た目を上にして配置するため、ダイスの出目が名誉の星につながります。


ちなみに「野伏(レンジャー)」の裏は「ドルイド」になっていました。能力や目標値が全く異なっているのがわかります。


次に設定カードと属性カードをそれぞれシャッフルし配っていきます。1枚ずつ受け取ったらキャラクターシートの上に置き、それぞれのカードの上に自分の色の表示トークンを1個ずつ置いておきます。


市場カードや順番カードを並べて場に置いておきます。


スタートプレイヤーから順にダイスを8個ずつ袋から取り出し、全て振ってからキャラクターシートの上に配置していきます。


振った8個のダイスをキャラクターシートに配置します。これは、RPGで言う「最初のステ振り」なので、慎重に考える必要があります。


例えば以下のシートでは、「筋力」の下に「+2」と書かれています。これはダイスの出目の合計に2を足した数字がステータスの値になるという意味。職業カードを見ると、今回の筋力は「14+」、つまり14以上あれば名誉の星を1つゲットできる模様。ダイスの出目は14-2=12以上で十分なので、筋力に最初から5や6などの高い出目を配置する必要はなさそうです。


「魅力」の条件を見ると目標値18で名誉の星を4個ゲットできるとのこと。なんとしてもゲットするため、6のダイスを置いていきます。


最終的にこんな配置になりました。それぞれのプレイヤーが配置を完成させたら、ようやくゲームスタートです。


◆3:勝利条件確認&ゲーム開始
ロールプレイヤーでは、プレイヤーは4つのフェイズを順番にこなしながら自分のキャラクターのステータスをダイスで埋めていきます。プレイヤー全員が6種類×3つ=18個のダイスをキャラクターシートに配置したら、そのラウンドでゲームは終了。最終的に名誉の星を最も獲得した人が勝利となります。

ゲームは「開始フェイズ」「行動フェイズ」「購入フェイズ」「管理フェイズ」の4つのフェイズを繰り返していきます。まずは開始フェイズです。スタートプレイヤーが5個ダイスを振り、出た目の小さい順から順番カードの上に置いていきます。この時同じ目が出た場合、そのうちどれを先に置くかはスタートプレイヤーが好きに決めてOK。


次は行動フェイズです。スタートプレイヤーから順に順番カードとその上に置かれたダイス、金貨を取り、キャラクターシート上にダイスを配置していきます。この時取った順番カードに書かれた数字は次の「購入フェイズ」で購入を行う時の順番です。今回は欲張って5のダイスを引いたのですが、その分購入順は最後に回ることに。


ダイスを配置するときには特性値の行動を任意で行います。今回は引いた紫の5のダイスを「魅力」の位置に置き、「魅力トークン」を受け取りました。この魅力トークンはこのターンの購入フェイズ限定で金貨1枚の代わりとして使用することが出来ます。


それぞれが行動し終えたら次は購入フェイズです。先ほど引いた順番カードの順に、「市場からカードを購入する」か「市場からカードを捨てて金貨を2枚獲得する」かを選びます。カードのコストは右上に書かれた数字で、例えば以下の「皮の手甲」を購入するには金貨を3枚支払う必要があります。今回は、先ほど獲得した魅力トークン1つと金貨2枚組み合わせて、皮の手甲を購入しました。


購入したカード「革の手甲」は「甲胄」という種類のため、キャラクターシートの該当する場所に置いておきます。カードには他に「武器」「技能」「特徴」といった種類があり、それぞれ置き場所が決まっています。バラバラに置いて後から確認するのが面倒にならないのでこれは便利なポイント。


別のプレイヤーは「疫病神」というカードを購入していました。これは「敏捷」もしくは「魅力」の特性値が8以下なら名誉の星を2個獲得できるというもの。このプレイヤーは耐久値が「-2」のキャラクターなので、小さい目を置いてそろえていくつもりのようです。


特徴カードを購入したら属性カード上のトークンを上に動かす必要があります。画像のようにカードには三角形の矢印が書かれているものがあり、この向きに従い動かします。今回は右矢印なので右に1マス。


ゲーム終了時、金色の星が描かれているマスにトークンが置かれていれば、書かれた数字の分だけ名誉の星を獲得できます。


全員が購入フェイズを終えたら次は管理フェイズです。場を整えた後ダイス袋を左隣の人に手渡し、受け取ったプレイヤーは次のラウンドのスタートプレイヤーとなり、再び開始フェイズからスタートです。これを繰り返して、全員が特性値の欄にダイスを18個置いたラウンドでゲーム終了となります。


基本的に「自分のキャラクターを作り上げる」ことに集中できるゲームで、他人の邪魔をするようなカードはほとんどありません。しかしゲーム中盤に一騒動、登攀(とうはん)というカードを購入したプレイヤーが「せっかくだから」と使用してきました。このカードは順番カードにのせられたダイスの出目を裏返して再配置するという恐ろしいもの。


使用する前の、順番カード上のダイスの目はこんな感じ。5つ中4つが4以上と、かなり大きな出目ばかりですが……


金貨付きの「6」のダイスを取った後に登攀の効果を発動。他ダイスの数字はひっくり返って小さくなってしまったため、大きな出目が欲しい他のプレイヤーにとっては厳しい展開です。


また、ゲーム終盤に登場した何やらまがまがしいカード「呪いの指輪」。これは「購入したらほかのプレイヤーに渡し、所有者は金貨2枚を消費し他人に譲るか4枚消費し捨てるか選べ、最後まで所有していたら名誉の星が-1される」という効果を持っています。終盤でお金のないプレイヤーは戦々恐々、幸いすぐに捨てられ事なきを得ました。ただし、呪いの指輪のようにわかりやすく妨害効果のあるカードはそれほど多くありません。


そんなこんなでゲームは終了し、得点計算に入ります。カードの効果などをよく見て名誉の星をどれだけ集められたかを計算していきます。例えば「設定カード」に書かれた絵と同じ位置に同じ色のダイスがあれば、数に応じて名誉の星を獲得できます。画像の状態ならば6個全て絵の位置にあるので名誉の星を6個獲得します。


特徴カードには「横列に同じ色のダイスを置くと、その列の分名誉の星を2個ずつ獲得できる」という効果を持ったものもあります。これを手にしたプレイヤーはダイスをきれいにそろえるプレイをしており、5列そろえて名誉の星を10個獲得していました。


中には金貨4枚ごとに名誉の星を1個獲得できる「がめつい」というカードを持って金貨を集めまくり、金満家ロールプレイを行った者も。こういったロールプレイを何通りも楽しめるのも魅力の一つです。


こんな風に獲得した名誉の星の数を合計して、一番多く獲得したプレイヤーが勝利です。また獲得した数によって「傭兵」や「冒険者」などと格付けされていきます。幸い今回はNPCにはならずにすみました。プレイヤー支援カードの裏にスコアボードがあるので、得点計算の時に便利です。


◆4:まとめ
ゲームはこれで終わりですが、それぞれが作り上げたキャラクターがどんな風になっているのかと感想を言い合うのが非常に楽しい時間でした。例えば画像のように「スリ」や「解錠」の技能を持った「虚弱」で「ずる賢い」エルフ、しかし「誠実な」とは!?だったり……


「博学」で「勇敢な」竜人だが「強迫観念」にかられた狂ったキャラクターができあがってしまった!など。長い時間をかけて作り上げたキャラクターなので、喜びもひとしおです。


4人で設定を確かめながら初めてプレイして、かかった時間は2時間10分ほど。ルールは1回プレイすれば理解できる手軽さで、リプレイ性も高そうです。ダイスの目が悪くてもカードの効果などで得点につながることが多く、完全な運任せにならない点がグッド。対戦要素は薄く、「他人に勝ってうれしい」というよりは「高得点を目指すのが楽しい」といったプレイになりやすいのも魅力です。ゲームを理解してくるとどうしても長時間悩みがちになってしまうため、時間制限を設けるなどのルールは必要かもしれません。

ロールプレイヤー 完全日本語版はAmazon.co.jpで取り扱われており、記事作成時点では税込5509円で購入可能です。

ロールプレイヤー 完全日本語版


なお、「ロールプレイヤー」の拡張版では、キャラクターを作るだけではなく、実際にバトルを行うこともできるとのこと。拡張版についての記事は以下から確認できます。

「自分だけの最強の勇者」を作り上げ強敵との戦いに挑む「ロールプレイヤー拡張モンスターズ&ミニオンズ」プレイレビュー - GIGAZINE


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in レビュー,   ゲーム, Posted by log1p_kr

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