レビュー

サイコロをカスタマイズして運を支配しながら女神や巨人のゲームで勝利を目指す「ダイスフォージ:リベリオン」レビュー


ゲームで使うサイコロの目を組み替えて、確率さえも戦略に取り込みながら神々の遊びを制する「ダイスフォージ」の拡張版である「ダイスフォージ:リベリオン」が、ホビージャパンゲームズからリリースされています。運と戦略を組み合わせて遊ぶボードゲームが拡張版でどれだけ進化したのかを確かめるため、実際に遊んでみました。

ダイスフォージ:リベリオン | | ANALOG GAME INDEX
http://hobbyjapan.games/diceforge_rebellion/

ダイスフォージ:リベリオンは拡張セットで、プレイするためには基本セットが必要です。ダイスフォージがどんなゲームでどういうルールなのかは以下の記事を読めばわかります。

サイコロを自由にカスタマイズ、運さえも味方につけて戦略に取り込むボードゲーム「ダイスフォージ」開封の儀&実際に遊んでみたレビュー - GIGAZINE


ダイスフォージ:リベリオンのパッケージはこんな感じ。


対象年齢は10歳以上、プレイ人数は2人~4人、プレイ時間は60分を想定。


箱を開けて入っていたのはルール説明書と、トークンや追加ボードが収まった厚紙。


厚紙には切れ目が入っているので、カッターやハサミがなくても取り外し可能。


コンポーネントはきれいに箱に収まっています。


イベントボードと、追加のダイスフェイスを収納するケース。


天空ダイスと追加のダイスフェイス、追加のカード


さらに、追加のリソースマーカーが各色1個ずつ。


天空ダイスは、通常ダイスのようにダイスフェイスを入れ替え可能なタイプではなく、目がそのまま印刷されています。


追加のダイスフェイスをケースに収めるとこんな感じ。


ダイスフォージ:リベリオンは「女神の迷宮」と「巨人の反乱」という2つのゲームモードをプレイすることが可能で、それぞれで使用するカードが異なります。カード裏面の隅に茶色いひし形が描かれているものが女神の迷宮用カードで、青い逆三角形が描かれているものが巨人の反乱用カード。


そして、それぞれのカードの表面の隅には「月」もしくは「太陽」のアイコンが描かれています。カードに「月」「太陽」という2属性があるのは、基本セットと同じです。


女神あるいは巨人、そして月あるいは太陽でカードを分け、他のトークンやダイスフェイスなどと一緒に、以下の画像のようにきっちりと箱に収納することができます。


◆女神の迷宮で遊んでみた
「神々の遊びであるダイスフォージで、招待されなかった女神ヘラがかんしゃくを起こして直接ゲームに介入した」という拡張ゲーム「女神の迷宮」を4人で遊んでみました。最初のダイスフェイスの構成は以下の通り。


追加ダイスフェイスとイベントボードを箱の上に配置。女神の迷宮の場合、イベントボードは茶色いすごろくのような面を使います。さらに、イベントボードの上にゴーレムトークンをプレイヤー人数分だけ置きます。


各プレイヤーボードは基本セットと同じ。


「寺院」と呼ばれる基本セットの箱に、ダイスフェイス置き場となる「基板」を置き、「地底」と呼ばれるダイスフォージ:リベリオンの箱をつなげ、さらにカード置き場となる「島々」をつなげ、カードを配置すれば準備完了。


進め方は基本ルールとほとんど同じ。各プレイヤーの手番で「1:全員が手元のダイス2つを振ってリソースを得る」「2:手元にある永続効果のカードを発動する」「3:リソースを元手にダイスフェイスかカードを購入する」「4:太陽リソースを2つ支払った場合、1回だけ追加アクションを実行可能」と、4つのフェイズを順番に行います。全員の手番が1周すると1ラウンドが終了し、4人プレイの場合は9ラウンドが終了した時点でゲーム終了。最終的にそれまでに獲得した勝利点とカードの勝利点が最も高いプレイヤーが勝利となります。

女神の迷宮で使用するカードは、拡張版で追加された新しいカードです。例えば以下の「木のニンフ」は、太陽の欠片(かけら)1つ支払うことでゲットできるカード。


カードの効果は、ゲットした時点で4ゴールドを獲得し……


ただちにゴールドを支払ってダイスフェイスを鍛造できるというもの。


勝利点を獲得するためにはカードをゲットしたりダイスをたくさん振ったりする必要があり、そのためには多くのリソースが必要となります。リソースはダイスを振ることでゲットできるため、運を味方につけるためにもダイスフェイスを付け替えることは非常に重要です。


また、拡張版で追加されたのが、青い宝玉の中に+1と書かれたダイスフェイス。宝玉のダイスフェイスが出た場合、その数字分だけイベントボード上にある自分の色のゴーレムトークンを動かします。なお、ゴーレムトークンを複数マス動かした場合、通過したマスすべての効果が発動することになります。


ゴーレムトークンを1マス分動かして、「天空ダイス」マスに止まったところが以下の画像。


天空ダイスマスに止まった場合、追加で天空ダイスを振ることができます。


天空ダイスには、普通のダイスにはない特別な効果のダイスフェイスが描かれています。例えば以下の目は、誰かのダイス目を1つだけコピーして発動できるというもの。


また、宝玉のダイスフェイスには赤色のダイスフェイスと青色のダイスフェイスがあります。2つのダイスを振って、同時に赤色と青色の宝玉のダイスフェイスを出した場合も、天空ダイスを振ることができます。


ゲーム中盤で宝玉のダイスフェイスをそろえて出したプレイヤーが天空ダイスを転がしたところ、「ダイスフェイスを無償でグレードアップできる」という目が出ました。


しかし、ゲームが進んで全員のダイス鍛造が順調に進んでいたため、ダイスフェイス置き場にはもうダイスフェイスがほとんどなく、グレードアップが不可能な状態。天空ダイスは通常のダイスフェイスでは得られない強力な効果を発動できますが、状況によってはまったく役に立たないことも。


イベントボード上のすごろくでゴールに到達すれば、勝利点を15点獲得できる上に、最初にゴールした人は手元のダイス2つで好きな目を発動して恩恵を受けることができます。


ただし、今回のゲームでは誰もゴールしないまま9ラウンドが経過し、ゲーム終了。最終的に積極的にカードを購入して勝利点を積み上げていたプレイヤーの優勝となりました。女神の迷宮では「イベントボード上のすごろく」という新要素が追加されましたが、その分「ゴーレムトークンを進める」「すごろくの目の効果を発動する」「天空ダイスを振る」という処理が増えたため、基本ルールよりも非常に時間がかかり、1ゲームにおよそ1時間20分ほどかかりました。


なお、カードを獲得することで鍛造できる宝玉のダイスフェイスをダイスにつけまくり、「イベントボードをがんがん進んで何度も天空ダイスを振る」という作戦に出たプレイヤーのダイスが以下。しかし、ここまで大量に宝玉のダイスフェイスをつけているにもかかわらず、出目に恵まれずに計画通りにゲームを進めることができませんでした。戦略がうまくいくも失敗するも、最終的にダイスの運次第であり、運をいかに味方につけられるかがこのゲームの重要なポイントです。


◆巨人の反乱を遊んでみた
神々のゲームであるダイスフォージに、神に反乱を起こした巨人が介入してめちゃくちゃにしてしまう……というのが「巨人の反乱」です。カードは巨人の反乱用のカードを並べます。


地底に置かれるイベントボードは裏返し、以下のように巨人の反乱用の面を上に向けて配置します。


巨人の反乱におけるプレイヤーのダイス2つのダイスフェイス構成はこんな感じ。


英雄の資産ボードの下に、追加のボードをピタリとくっつけます。


追加のリソースマーカーを追加のボードに置き、各自の色の忠誠トークンを受け取ります。


忠誠トークンはイベントボードの中央に配置します。


巨人の反乱も進め方は基本ルールと同じ。ただし、リソースに「太古の欠片」と「忠義」が追加されているのが、巨人の反乱の特徴。太古の欠片は月あるいは太陽の代わりとして使うことができるオールマイティなリソースです。


月あるいは太陽の代わりに使えると聞くと非常に便利なように思えますが、もちろんデメリットも存在します。太古の欠片を1つ獲得する度に、イベントボードの左型に忠誠トークンが1つ進みます。


忠誠トークンがイベントボードの左側に進んでいくと、神々よりも巨人側に忠義を尽くすと見なされます。ボードの進行具合によっては、カードの獲得に応じて勝利点をもらえることもありますが、最終的な勝利点がマスに書かれている数字分だけマイナスされてしまいます。


太古の欠片はダイスフェイスの初期構成でも1つ手に入りますが、カードを獲得してダイスを鍛造することで、太古の欠片を獲得できる期待値を増やすことが可能。


カードを獲得するためにはリソースが必要なので、最終的な勝利点がマイナスされることを覚悟してでも大量にカードをゲットしたい場合は、積極的に太古の欠片をダイスで獲得していくべきです。


また、毎ターンに太古の欠片か忠義を獲得できる「番人」のカードも非常に有用。


さらに、ダイスの目に応じて他人を巨人側に引きずり落とす「神官」のカードを使えば……


自分以外のプレイヤーを神々に背く者として、巨人側に引きずり落として勝利点を削りに行くという妨害プレイも可能になります。


一方で、忠義は太古の欠片と異なり、月や太陽の代わりにはなりませんが、ダイスの目で出すことで、「神々にさらなる忠誠を誓った」というわけで、忠誠トークンをイベントボード右側に進めることができます。


神々側は最終的な勝利点がマスに書かれている数字分だけ追加される他、ゴールドを勝利点に変換できる特典もついています。


4人のうち3人が「自分たちは巨人という闇に墜ちる」と宣言する中、ただ1人「神に忠誠を誓う光の戦士になる」と決めたプレイヤーが目をつけたのが、余剰分のゴールドをためることができる「鍛冶屋の錫杖」カード。


通常、ゴールドは最大12金までしかためることができませんが、鍛冶屋の錫杖1枚につき6金を追加でためることができます。さらにためた分に応じてゴールドを月か太陽のリソースに変換することも可能。


ダイスを振ってゴールドを獲得し……


さらにゴールド1金につき勝利点1点に変換できる「右手」カードを使用し、着実に勝利点を積み上げていきます。


「闇の世界は素晴らしいです」とつぶやきながら巨人に忠誠を誓い、闇の底にまで墜ちてしまった3人は最終的な勝利点が25点もマイナスされてしまいましたが……


光を信じて戦い抜いたプレイヤーは着実にゴールドを勝利点に変換し、さらに追加の勝利点もゲットし、ダントツで優勝。1ゲームはおよそ1時間20分ほどかかりました。


実際に「女神の迷宮」と「巨人の反乱」を遊んでみると、あらためて基本ゲームの完成度の高さを実感しました。女神の迷宮は、イベントボード上のすごろくや天空ダイスの処理があわただしく、ゲームの進行がより複雑になってしまうように感じました。ただし、天空ダイスを振ることでギャンブル性もあがり、すごろくによって大きく逆転できる機会もあり、基本ゲームよりも盛り上がる要素は多い印象。サイコロが主役となり「確率に振り回される」というゲームを味わうにはアリだと感じました。

巨人の反乱は、序盤は太古の欠片や忠誠がなかなか得られないため、イベントボードでの忠誠トークンはほとんど動くことがなく、ようやく忠誠トークンが動き始める頃にはカードがほとんど獲得されているため、巨人側の追加報酬条件が受け取れないという状況になりました。そのため、巨人側のメリットはかなり薄く、太古の欠片という便利なリソースを生かしながら、いかに巨人側に墜ちず、神々に忠誠を誓えるかという部分がポイントとなっていました。


ダイスフォージ:リベリオンはAmazon.co.jpで取り扱われており、記事作成時点だと税込5280円で購入可能となっています。

Amazon | ダイスフォージ:リベリオン 日本語版 | ボードゲーム | おもちゃ


なお、ダイスフォージ:リベリオンを遊ぶためには基本セットであるダイスフォージも必要。こちらもAmazon.co.jpで取り扱われており、記事作成時点だと税込8500円で購入可能です。

Amazon | ダイスフォージ 日本語版 | ボードゲーム | おもちゃ

この記事のタイトルとURLをコピーする

・関連記事
砂漠で繰り広げられる大白熱のラクダレースで勝敗を予想して大金を稼ぐ「キャメルアップ」レビュー - GIGAZINE

会話厳禁で制限時間内に協力して脱出を目指す激ムズ協力型ボードゲーム「Magic Maze」レビュー - GIGAZINE

より美しく宮殿の壁を飾れるようになった「アズール:クリスタルモザイク拡張セット」で再び王に仕えるタイル職人に挑戦してみた - GIGAZINE

色とりどりのひし形タイルを並べて誰よりも美しい王宮の床を作り上げる「アズール:サマーパビリオン」レビュー - GIGAZINE

デッキを構築しながら自分の領土を増やしていく人気カードゲーム「ドミニオン 第2版」&拡張版「ドミニオン:ルネサンス」プレイレビュー - GIGAZINE

in レビュー,   ゲーム, Posted by log1i_yk

You can read the machine translated English article here.