レビュー

90個ものダイスを使って美しいステンドグラスを作る対戦パズルゲーム「サグラダ」プレイレビュー


アントニ・ガウディが設計し、1882年から建設が進められている「サグラダ・ファミリア」のステンドグラス職人として、誰よりも美しいステンドグラスを作ることを目指す対戦パズルゲームが「サグラダ」です。ガラスに見立てた90個のダイスを使うパズルゲームを実際にプレイしてみました。

サグラダ 日本語版 - Engames Shop
https://www.engames-s.com/product/831

サグラダの外箱はこんな感じ。美しいステンドグラスが描かれています。


プレイ人数は1~4人。1プレイにかかる時間は30~45分で、対象年齢は13歳以上を想定しています。


箱の中には、赤、青、緑、黄色、紫の5色のダイスが入っています。ダイスの数は各色18個で、合計90個。また、ダイスを入れるためのダイスバッグも付属しています。


これはプレイヤーに配られる「窓枠プレイヤーボード」と「窓パターンカード」です。


窓パターンカードにはダイスを配置する際の条件が記されています。白以外の色で塗りつぶされたマスにはその色のダイスしか置けず、ダイスの目が記されているマスにはその目のダイスしか置けません。


さらに、「個人目標カード」「共通目標カード」「道具カード」の3種のカードが入っています。


共通目標カードには、「縦1列に置かれたダイスの色が重複していなければ5ポイント」という条件の「色のバラエティ」や、「縦1列に置かれたダイスの出目が重複していなければ5ポイント」という条件の「縦のシェードのバラエティ」など得点獲得条件が10種類用意されています。


窓パターンカードの条件に合うようにしながら、共通目標カードと個人目標カードに記された条件も満たすようにダイスを配置して、誰よりも多くの勝利点を獲得するのがこのゲームの目的です。


他にも、道具カードを使う際に消費するガラス玉のような「恩寵トークン」や得点計算の際に使う「スコアマーカー」、ゲームの進行度を表示する「ラウンドトラック」も入っていました。


ラウンドトラックの裏面には「スコアトラック」があり、ゲーム終了時に得点を数える際に使います。


ゲームを始めるには、まずダイスバッグに90個のダイスを入れます。


次に各プレイヤーに2枚の窓パターンカードを配ります。窓パターンカードには表裏両面に異なる窓パターンが記されており、プレイヤーは4つの窓パターンから好みの窓パターンを選び、窓枠プレイヤーボードに差し込みます。


ゲームに使う窓パターンカードを決めたら、窓パターンカードの右下に記された白い丸の数だけ恩寵トークンを受け取ります。今回は5つ受け取りました。


最後に個人目標カードを1枚と、自分の窓枠プレイヤーボードと同じ色のスコアマーカーを受け取ったらプレイヤーの準備は完了。


プレイヤーの準備が終わったら、場の中央に置いたラウンドトラックの下に共通目標カードと道具カードを3枚ずつランダムに選んで配置してゲームを開始します。


ゲームは10のラウンドに分かれており、各ラウンドの最初にスタートプレイヤーがダイスバッグからダイスを取り出して振ります。なお、説明書には「一番最近大聖堂を訪れたプレイヤー」が1ラウンド目のスタートプレイヤーを務めるように記されています。


振るダイスの数はプレイヤーの人数を2倍して1を加えた数です。今回は4人でプレイしたので、9個のダイスを振りました。


プレイヤーは振られたダイスから好きなダイスを選び、窓枠プレイヤーボードに配置します。ただし、最初に配置できるのは20個あるマスのうち、四辺上の14個に限られています。


2個目以降は、すでに置かれているダイスと縦・横・斜めに接するように配置していきます。この時、縦横に同じ色、もしくは同じ出目のダイスを並べることはできません。


ラウンド中の手番はスタートプレイヤーから時計回りに順番に行い、4人目のプレイヤーまで行ったらスタートプレイヤーには回さず、再び4人目のプレイヤーが手番を処理し、反時計回りでスタートプレイヤーまで戻します。つまり、1つのラウンドで2回の手番があるということ。ラウンドが終了したら余ったダイスをラウンドトラックに置き、ダイスバッグをスタートプレイヤーの左隣にいるプレイヤーに渡して次のラウンドを進めます。


各ラウンドの最後の手番には残り少ないダイスがまわってきます。今回は2の出目の緑のダイスが2つまわって来ました。


仕方なく緑の2を窓枠プレイヤーボードに置きます。同じ列に2の出目が2つ置かれたため、この列では共通目標カード「縦のシェードのバラエティ」を達成できなくなりました。


ゲームが進み、ダイスの配置はこんな感じになりました。赤枠のダイスの出目が重複しているため「縦のシェードのバラエティ」を達成できません。そこで、道具カードを使ってダイスを移動させることにします。


道具カードは手番の際、手元の恩寵トークンをカードの上に置いて使用します。未使用の道具を初めて使うときはトークン1つで使えますが、2回目以降の道具使用にはトークンが2つ必要です。


道具カード「ホイールカッター」の効果で緑ダイスを2つ移動させました。これで2つの列で「縦のシェードのバラエティ」を再び狙えるようになりました。


10ラウンドまでプレイしたらゲームは終了。得点計算を行います。


まずはゲーム終了時に残っている恩寵トークン1つにき1ポイントを獲得し、窓枠プレイヤーボード上のダイスが置かれていないマス1つにつき1ポイントを失います。


次に、条件を満たした共通目標カードに応じてポイントを獲得します。例えば「縦のシェードのバラエティ」を3つの列で達成していた場合、5×3で15ポイントを獲得します。


最後に各プレイヤーに配られた個人目標カードに応じてポイントを獲得したら得点計算は終了。


自分の得点は、スコアトラックにスコアマーカーを置いて表します。スコアトラックには1から50までの数字が記されており、50点以上を獲得した場合は、スコアマーカーを裏返して「50」と書かれた面を見せます。今回は56点を獲得したプレイヤーが勝利しました。


勝利したプレイヤーの窓枠プレイヤーボードはこんな感じ。全てのマスにダイスを置きつつ、「縦のシェードのバラエティ」を4列、「横のシェードのバラエティ」を3行で達成し、「1と2の組み合わせにつき2ポイント獲得」という条件の「淡いシェード」を3組達成し、ポイントを稼いでいます。


サグラダの最大プレイ人数は4人ですが、5~6人でのプレイに対応できる「サグラダ 5~6人用拡張」と組み合わせることで最大6人まで一緒にプレイすることができます。サグラダ 5~6人用拡張の外箱はこんな感じ。


箱の中には2人分の窓枠プレイヤーボードと40個の追加ダイス、追加の窓パターンカード、恩寵トークン、スコアマーカーが入っています。


さらに新たな5種類の共通目標カードと2種類の道具カードも入っていました。


これはサグラダ 5~6人用拡張で追加される「個人ダイスプールボード」。このボードを使ってプレイする場合、プレイヤーはゲーム開始時に10個のダイスを振り自分の手元に置いておくことができます。


さらに、振ったダイスを入れておくためのダイストレイも付属していました。


最大人数の6人でプレイする際に使うダイスの数は130個。圧倒的な数です。


6人でプレイすると、ダイスだけでなく2人分の窓枠プレイヤーボードなどを置く場所が必要になるので、広めのスペースが必要です。


6人でプレイする時も基本的なルールは通常のサグラダと同じですが、個人ダイスプールを使う場合は、ゲーム開始時に5色のダイスを2つずつ振って個人ダイスプールに置いておくことができます。


さらに、通常のルールでは1ラウンド中に自分に手番を2回プレイしていましたが、個人ダイスプールを使う場合は、1回の手番でスタートプレイヤーが振ったダイスから1つと……


個人ダイスプールからい1つのダイスを選んで窓枠プレイヤーボードに置きます。1度の手番で2個のサイコロを置くため、人数が増えてもテンポ良くゲームを進めることができます。


ゲームが終了したら得点計算を行います。得点計算も通常のルールと同じなので、違和感なく6人でのプレイを楽しむことができました。


2人でプレイするとこんな感じ。人数が4人プレイや6人プレイの時はサイコロを振りながらワイワイ楽しめるパーティーゲームのようなゲーム性でしたが、2人でプレイすると選択するダイスによって互いの戦略を予想したり、相手の邪魔になるようなダイスを残したりと戦略ゲームとしての側面が強くなりました。


さらにサグラダはソロプレイにも対応しています。ソロプレイでは1ラウンドごとにダイスを4つ振り、窓枠プレイヤーボードに置かなかったダイスの出目の合計を獲得勝利点で上回ることを目指します。一般的のボードゲームのソロプレイでは、難易度が高すぎることが多いのですが、サグラダのソロプレイでは、道具カードを1~5枚用意することで難易度を調整することができるため、さまざまなレベルのプレイヤーが楽しめる作りになっていました。


実際にサグラダをプレイしたところ、勝利点の獲得条件がゲームごとに変化し、窓パターンカードによってダイスを配置できる条件も変化するため、プレイごとに全く異なるゲームを楽しむことができました。また、大量のダイスを使うため「ダイスを振る楽しさ」や「ダイスの出目に対するドキドキ感」を存分に楽しむことができます。大量のダイスを使うため見た目には難しそうに感じられますが、実際にプレイしてみるとシンプルなルールなのでボードゲーム初心者にもオススメできるゲームです。

サグラダは全国の販売店やAmazon.co.jpなどのネットショップで入手できます。

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in レビュー,   ゲーム, Posted by log1o_hf

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