レビュー

船上に猫を敷き詰め闇の軍勢からの救出を図るボードゲーム「アイル・オブ・キャッツ 完全日本語版」プレイレビュー


古代の高貴なる猫が住む島「アイル・オブ・キャッツ」を探索し、猫や宝物を救出するボードゲームが「アイル・オブ・キャッツ 完全日本語版」です。船状のボードにテトリスのブロックのような形のタイルを敷き詰め、様々な課題をクリアすることで勝利を目指すこのゲームを実際に編集部員4名でプレイしてみました。

アイル・オブ・キャッツ 完全日本語版 | ArclightGames Official
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◆開封
アイル・オブ・キャッツのパッケージはこんな感じ。


プレイ人数は1~4人、プレイ時間は60~90分、対象年齢は8歳以上です。


箱のフタ裏には、「本物の猫を入れるスペース」が用意されていました。


内容物は5色のネココマ、ヴェッシュの船、大量のタイル


船ボード、島ボード、袋、スコアシート、カード、鉛筆、ルール説明書、ファミリールール用シートです。


ネココマはオレンジ、青、緑、紫、赤の5種類で、それぞれ6個ずつあります。


これが「ネコタイル」です。17種類の異なる形をしたタイルが5色分あります。


ヴェッシュの船はこんな感じ。「闇の手」の異名を持つ「ヴェッシュ」の軍勢が、この船に乗って「アイル・オブ・キャッツ」に攻め入ろうとしているというストーリーです。


ゲーム中で通貨の代わりとなる「魚トークン」はこんな感じ。1匹と5匹の2種類があります。


画像左が「ノーマル宝物タイル」、右が「レア宝物タイル」です。ネコタイルだけでは埋まらない隙間にこの宝物タイルを敷き詰めます。


「オシャックスタイル」は全6枚で、普通の猫タイルとは違う役割を持つタイル。


これは「バスケットトークン」で、片面がカラー、片面が灰色に塗り分けられています。


船ボードは広げて使い、この上にタイルを敷き詰めます。ボード上にはネズミや地図が描かれており、ボードによって少しずつ位置や色が異なります。


島ボードにはラウンドを数えるマスと猫の足跡、そしてゲームの舞台となる「アイル・オブ・キャッツ」が描かれています。


カードは発見カード、ファミリールール用カード、1人用色指定カード、1人用バスケットカード、1人用課題カード、色識別早見表カードがあります。「ファミリールール」は基本ルールとは別に用意された遊び方で、今回はファミリールール用カード、1人用カードは使いません。


発見カードは「課題カード」「共通課題カード」「救出カード」「随時カード」「宝物カード」「オシャックスカード」の6種類あり、すべて裏面は共通です。


「色識別早見表カード」は色の識別が困難なプレイヤー向けに用意されたカードです。


◆準備
まずは島ボードの「5」の数字の左下に赤いネコのアイコンがある面を上にし、「5」の位置にヴェッシュの船を配置します。


その下にノーマル宝物タイルを形ごとに分けて並べます。


ノーマル宝物タイルの下にオシャックスタイルを全て並べます。


発見カードをよくシャッフルし、全員がとりやすい位置に「発見の山」として置きます。


バスケットトークンも全てわかりやすい位置に置きます。


魚トークンをまとめて置き、ネココマを色ごとに分けて置きます。


袋の中にネコタイルとレア宝物タイルを全て入れ、この袋も全員がとりやすい位置に置きます。


各プレイヤーは船ボードを1枚受け取り、右上の「ラウンド早見表」の位置に赤いネコのアイコンがある方を上向きにして置きます。


さらにバスケットトークンも1枚ずつ受け取り、船ボードの近くにカラーの面を上にして置きます。


スタートプレイヤーを決めたら、各プレイヤーは自分のネココマの色を選び、ネココマを一つ島ボードの足跡の位置に順に配置します。プレイヤーAが紫、プレイヤーBが赤、プレイヤーCが青、プレイヤーDが緑のネココマを選択しました。これで準備は完了です。ルールを読みながら準備をしたので、40分ほど時間が経過していました。


◆実際に4人で遊んでみた
ゲームの流れは、フィールドへタイルを配置した後「釣りフェイズ」「探検フェイズ」「課題フェイズ」「ネコの救出フェイズ」「希少な拾い物フェイズ」と続き、最後に次のラウンドの準備をして1ラウンドが終了、5ラウンド目が終了した時点で得点計算に入ります。まずはフィールドにネコタイルを配置していきます。島ボードの左側を「左フィールド」、右側を「右フィールド」と呼び、両フィールドに8枚ずつ、袋からタイルを取り出して配置します。


レア宝物タイルを引いた場合はノーマル宝物タイルの近くに配置し、ネコタイルが出るまで引き直します。


次は「釣りフェイズ」に移ります。各プレイヤーは魚トークンを20匹分受け取ります。


次は「探検フェイズ」です。スタートプレイヤーは各プレイヤーに発見カードを7枚ずつ配ります。


配られたプレイヤーはカードを確認し、そのうち手元に残しておきたいカードを2枚選んで、残りの5枚を左隣のプレイヤーに渡します。


渡されたカードを確認し、再び残しておきたいカードを2枚選び、残りの3枚を左隣のプレイヤーに渡します。


渡された3枚も同様に処理し、最後に残った1枚も左隣のプレイヤーに渡し、手元に残ったカード7枚を改めて確認します。


ただし、選んだ7枚のカードがそのまま手札になるというわけではなく、欲しいカードは魚トークンを消費して購入する必要があります。カードの左上に書かれたカードが購入コストになっています。例えば、以下の画像の5枚を購入する場合、3+5+2+2+0=12匹分必要です。


購入したカードは手札となって場に伏せて置き、購入しなかったカードは発見の山の横に「捨て山」として置きます。


次は「課題フェイズ」です。手札に共通課題カードがあるプレイヤーは必ずその内容を読み上げ、場に公開します。公開されたカードは全プレイヤー共通の課題となり、条件を達成すれば勝利点を得られます。共通課題カードのなかにはカードを出したプレイヤーが色を指定できる物もあります。色を指定するカードの上にはネココマを置き、全員に分かるようにします。


次に手札の課題カードを全て船ボードの横に裏向きにして置きます。これは個人の課題となり、条件を達成すれば自分だけが勝利点を得られます。


次は「ネコの救出フェイズ」です。手札にある緑色の救出カードのうち、使用したいものを選んで場に出すことができます。救出カードには「バスケット」と「ブーツ」の絵が描かれていて、出したカードの「ブーツ」の数字を合計し、数字が大きい人が一番上になるように、島ボード上のネココマを並び替えます。同じ数字のプレイヤーがいた場合、以前置かれていたコマの配置を引き継ぎます。以後、ネココマの順番が手番の順となります。


バスケットは「ネコを救出できる回数」を表します。中には破損したバスケットの絵もあり、破損したバスケットは2個分で普通のバスケット1個分になります。


ネコの救出を行う場合、バスケット1個分の救出カードを捨て山に捨てるか、手元のバスケットトークンを裏返し、必要な分の魚トークンを支払います。


ネコタイルを左フィールドからとる場合は魚トークンを3匹分、右フィールドからとる場合は5匹分必要です。プレイヤーAは3匹分の魚トークンを支払い、左フィールドからタイルを1枚救出しました。


最初のネコタイルは船ボード上のどこに配置してもOKですが、周囲の白い線からはみ出して置いたり、タイルを重ねておくことはできません。ゲーム終了時の得点計算の際に「空きマス」や「ネズミ」のマスが残っていた場合は減点となるので、なるべくまんべんなく埋めていく必要があります。また、同じ色のネコタイルをつなげて置くと「ファミリー」を形成し、つなげた数によって大きく得点を得られます。


また、船ボードには7個の「区画」があり、それぞれの区画に一マスでも空きがあれば区画ごとに減点されます。区画はルール説明書に色分けされて記載されているほか、船ボードにも小さくマークが描かれています。


プレイヤーCは救出したネコタイルを配置しました。


宝の地図のマスに同じ色のネコタイルを重ねて置くと、好きなノーマル宝物を1枚獲得できます。次に置くタイルは必ず他のタイルと辺同士をくっつけて置く必要があります。


次の手番のプレイヤーAもネコタイルを配置し、ノーマル宝物を使って隙間を埋めました。全員が救出を終えると救出フェイズは終了です。使われなかった救出カードは捨て山へと移動させます。


次は「希少な拾い物フェイズ」です。このフェイズでは、手札にあるオシャックスカードか宝物カードを使用することができます。プレイヤーAは宝物カード「失われた巻物」を使用し、ノーマル宝物タイルを2枚獲得しました。カードは捨て山に置き、獲得したタイルはすぐさま船ボードに配置します。


プレイヤーDは宝物カード「聖所」を使い、レア宝物タイルを獲得しました。レア宝物タイルはノーマル宝物タイルと違い、最後の得点計算の際に点数として加算されます。


以上で全フェイズが終わり、次のラウンドの準備を行います。場に残る救出されなかったネコタイルを全て回収し、箱の中に入れます。ノーマル宝物タイル、レア宝物タイル、オシャックスタイルはそのまま場に残しておきます。


使用して裏向きにされたバスケットトークンがあれば表に向けます。


ヴェッシュの船を「4」に進め、次のラウンドの開始です。再びネコタイルを配置し、カードを選び、魚トークンを追加で20匹分獲得します。


自分に利益をもたらすカードとして「随時カード」があります。これはどのフェイズでも、どのプレイヤーの手番でも場に出して使用することができるもの。プレーヤーBは自分の手番で随時カード「ねこぶえ」を使用し、袋からタイルを4枚フィールドに追加しました。フィールドに欲しいタイルが無い場合などはかなり便利なカードです。


また、プレイヤーDは随時カード「巻上げ機」を使用しました。これは「タイルは既存のタイルと辺で接して置かなければならない」という条件を無視してタイルを置くことができる強力なカード。船の両端からじわじわと埋めていく作戦のようです。


希少な拾い物フェイズで使用できるオシャックスカードは、使用すると任意のオシャックスタイルを1枚得ることができます。


オシャックスタイルを船ボードに置いたら好きな色のネココマを選び、オシャックスタイルの上に置きます。このオシャックスタイルはゲーム終了まで置かれた色のネコタイルの代わりとなるので、ファミリーを形成する場合に便利です。


船ボードの周りから埋めていくプレイヤーや……


同じ色のネコタイルを集めてファミリーを形成するプレイヤーなど、プレイ方法は様々です。


5ラウンド目が終わるとヴェッシュの船がアイル・オブ・キャッツに到着し、ゲーム終了です。ネコと宝物でいっぱいの船を街まで帰還させ、得点計算を行います。


9匹の青いネコタイルでファミリーを形成したプレイヤーAはファミリーの得点で35点を稼ぎ、課題カードも合わせて67点を獲得しました。


船ボードのマスを極力埋めたというプレイヤーBは減点をおさえ、68点の獲得でした。


プレイヤーDは空きマスが多くなってしまったものの、共通課題カードと個人課題カードだけで60点を獲得し、合計84点の獲得で勝利です。


得点計算の際は付属のスコアシートを使って計算すると便利です。


プレイにかかった時間は準備の時間を含めて3時間ほど。後半になるほど課題カードがどんどん増えていき、「どれを達成したらいいのか」と悩んでしまいます。課題カードは大きな得点源となり得るものの、課題カードの獲得にコストをかけると救出のコストが足りなくなるといったジレンマが生まれることに。得点計算の仕組みをよく理解し、「ネコタイルで埋める」「課題カードを達成する」など、自分のプレイスタイルを決めて遊ぶのもおすすめです。

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in レビュー,   ゲーム, Posted by log1p_kr

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