ハードウェア

FacebookのAR・VR研究部門責任者が2020年の振り返りと2021年の展望について述べる


Facebookの拡張現実(AR)・仮想現実(VR)研究部門であるFacebook Reality Labs(FRL)で責任者を務めるAndrew Bosworth氏が、FRLに関するトピックについて2020年を振り返り、2021年の展望を述べたブログを投稿しました。この中でBosworth氏は、ビデオチャット端末の「Portal」やVRヘッドセットの「Oculus Quest 2」、2021年に登場予定のスマートグラスなどに言及しています。

No Looking Back
https://tech.fb.com/no-looking-back/


Facebook Smart Glasses Coming ‘Sooner Than Later’ Without AR - Bloomberg
https://www.bloomberg.com/news/articles/2021-01-06/facebook-smart-glasses-coming-sooner-than-later-without-ar

◆「Portal」に関する取り組み
2020年は新型コロナウイルスの流行によって世界中の人々が物理的な距離を取る必要に迫られましたが、そんな中でFRLは自分たちの仕事に対する信念を強めてきたとのこと。Facebookが開発したビデオチャット端末のPortalは、パンデミックの中で人々がつながりを保ち、遠く離れた人の誕生日や結婚式を祝うのに役立ちました。Bosworth氏によると、ホリデーシーズンにPortalの使用が最も増えたそうで、休暇を物理的に離れて過ごす家族がつながる上で重要な役割を果たしたとみられています。

◆VR製品について
FacebookはAR・VR分野に大きな注目を寄せており、2014年に買収したVR企業のOculusは今や独立した組織ではなく、Facebookの内部に深く組み込まれています。2020年に発売されたVRヘッドセットのOculus Quest 2は、Bosworth氏によると「最も急速に成長しているVRヘッドセット」だそうで、発売から7週間足らずで元のOculus Questの月間アクティブユーザー数を上回ったとのこと。また、他のどのVRヘッドセットより女性のユーザーが多く、ユーザーベースの多様化が進んでいるとBosworth氏は述べています。

また、Bosworth氏は大きな批判と混乱を呼び起こした「Oculus製デバイスのログインにFacebookアカウントを要求する」という仕様変更についても言及。Facebookアカウントによるログインを求めることで、ユーザーは友人を見つけて遊ぶことが容易になり、ソーシャルエクスペリエンスの向上や強力なプライバシーおよびセキュリティ対策を提供できるとのこと。2021年にはVR上の設定やプライバシーの管理など、VRに関するオプションと管理をさらに提供する予定だそうです。

なお、Oculus製品とFacebookアカウントを紐付けることの義務化については、「独占禁止法に抵触する可能性がある」との見方もあります。

「OculusによるFacebookアカウントの義務化が独占禁止法に抵触する可能性」をドイツ当局が調査 - GIGAZINE


◆VRワールド「Facebook Horizon」の展望
Bosworth氏はFacebookが計画するVRワールド「Facebook Horizon」について、「2021年はFacebook Horizonで没入型エクスペリエンスをより社会的なものにするためのステップを踏む年です」とコメント。パンデミックに伴ってリモートワークの需要が高まる中、単なる娯楽としてのVRだけではなく、コラボレーションと生産性を向上させるツールとしてのVR機能を拡張することにも取り組んでいくとのこと。

◆ARに関する取り組み
Bosworth氏は、FRLは以前からARエコシステムの構築を続けており、Facebookが提供するARプラットフォームのSpark ARでは、40万人を超えるクリエイターたちがARエフェクトを公開しているとのこと。FRLはこうしたFacebook外部のクリエイターの創造性に触発されながら、Spark ARの拡張を続けていくとしています。

また、Facebookは世界的なサングラスブランド・レイバンを展開するルックスオティカと提携し、2021年に最初の「スマートグラス」を発売する予定です。このスマートグラスは「ARグラスの実現に向けたステップ」とされていますが、Bloombergのインタビューに応じたBosworth氏は、2021年に登場するスマートグラスにはARの中心的な概念である「現実の視界にデジタルオブジェクトを投影するテクノロジー」は搭載されないと述べています。

Bosworth氏は2021年に登場するスマートグラスについて、「これは確かに接続されたメガネであり多くの機能を提供します」と述べつつも、「ARグラス」と呼べば誇大宣伝になってしまうと認めています。そのため、Facebookは「ARグラス」ではなく「スマートグラス」と呼んでいるとのこと。

Facebookがレイバンと共同開発したスマートグラスが2021年に登場 - GIGAZINE

by Stefan Sager

Bosworth氏はブログの中で、「Facebookの使命は、人々にコミュニティを構築して世界を近づける力を与えることです。これはFRLにおける私たちの仕事に根付いており、仕事の基本でもあります」とコメント。FRLは今後もプライバシーや責任のあるイノベーションを優先しつつ、今後も安全かつ広範な社会で採用可能な、真の価値をもたらす製品を開発していくと述べました。

この記事のタイトルとURLをコピーする

・関連記事
Facebookがレイバンと共同開発したスマートグラスが2021年に登場 - GIGAZINE

Facebookが薄さわずか9mmでまるでサングラスのようなVRヘッドセットの概念実証を公開 - GIGAZINE

「OculusによるFacebookアカウントの義務化が独占禁止法に抵触する可能性」をドイツ当局が調査 - GIGAZINE

VRイベント「Oculus Connect」が「Facebook Connect」と名を改めて2020年9月16日に開催へ - GIGAZINE

Facebookのゲーム部門重役が「VRゲームとクラウドゲーミングの未来」について語る - GIGAZINE

in ソフトウェア,   ネットサービス,   ハードウェア, Posted by log1h_ik

You can read the machine translated English article here.