ハードウェア

Facebookが薄さわずか9mmでまるでサングラスのようなVRヘッドセットの概念実証を公開


Facebookの仮想現実(VR)研究部門であるFacebook Reality Labsが、デバイスに応用するためのホログラフィック光学技術を発表し、「VRヘッドセットは分厚くて重い」という常識を覆す、まるでサングラスのような見た目をしたVRヘッドセットを概念実証として公開しました。

Holographic Optics for Thin and Lightweight Virtual Reality - Facebook Research
https://research.fb.com/publications/holographic-optics-for-thin-and-lightweight-virtual-reality/

Holographic optics for thin and lightweight virtual reality - Facebook Research
https://research.fb.com/blog/2020/06/holographic-optics-for-thin-and-lightweight-virtual-reality/


以下が概念実証であるVRヘッドセットを装着者側から見たところ。サングラスのようなフレームの内側にディスプレイモジュールが取り付けられています。


このVRヘッドセットでどんな風景が見えるのかは、以下のムービーを見るとよくわかります。

Very cool work by Facebook Reality Labs on holographic optics for virtual reality: https://t.co/wuuGQBZLzi pic.twitter.com/fTICb7jGuM

— Paul Linton (@LintonVision)


本来、VRのヘッドセットにはディスプレイパネルのほかに、映っている映像を目に投影するためのプラスチックレンズが必要となります。レンズの焦点距離を確保するため、VRのヘッドセットは必然的に一定以上のサイズが求められてきました。

しかし、今回Facebook Reality Labsが発表したのは、VRヘッドセットのサイズと重量を大幅に削減するために「ホログラフィック光学素子」と「偏光を用いた光学的な折り畳み技術」を組み合わせるというアイデア。映像素子からの光を偏光フィルムで制御することで、分厚いレンズを使わずに立体空間のようにリアルな奥行きのある映像を再現できるとのこと。また、概念実証用のVRヘッドセットは9mmという薄さでありながら、HoloLens 2Magic Leap Oneよりも広い約90度という水平視野角を実現できているそうです。


加えて、ムービーでは緑色のみでVR空間が描画されていましたが、フルカラーでVR空間を描写することを目標に研究開発が進められています。現行のVRヘッドセットのLCD(液晶)ディスプレイはsRGB色空間でVR空間を表現しますが、Facebook Reality Labsによれば研究用ディスプレイのプロトタイプはレーザー光源を用いており、さらに広い色空間で表現可能だとのこと。


Facebook Reality Labsは「現時点で私たちが行っていることは純粋に研究です。技術論文では、今回提案したディスプレイアーキテクチャの限界を確認し、このアプローチをより実用的にするためにはどうすればいいかを議論しました。私たちの研究は、これまでで最も薄いVRディスプレイを実証しています。将来がどうなるかが楽しみです」と述べました。

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in ハードウェア,   動画, Posted by log1i_yk

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