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ハードウェア

視力が悪い人でも「裸眼で」はっきり見えるディスプレイの開発にMITが成功


勉強やゲームのやりすぎで目が悪くなったり、視力の良い人も加齢にともなって近くの物が見えにくくなる「老眼」になったりすることもあり、メガネやコンタクトレンズなどの視力を矯正するツールは現代人が手放せないものです。しかし、これらの目の近くにセットするタイプの視力矯正ツールはわずらわしいもので、「できることなら裸眼ではっきり見たい!」というのが大半の人の願いと言えます。そんな願いをかなえてくれる、ディスプレイタイプの「裸眼対応」視力矯正ツールの開発に、MITとカリフォルニア大学の共同研究チームが成功しました。

Vision-correcting displays | MIT News Office
http://newsoffice.mit.edu/2014/new-display-technology-automatically-corrects-for-vision-defects-0731

裸眼でばっちり見えるディスプレイ「Vision-correctingディスプレイ」がどのようなハードウェアかは以下のムービーを見ればよく理解できます。

Vision Correcting Displays - YouTube


視力が悪いと文字がぼやけて読みにくいものです。


そこで目が悪い人はメガネをかけたり、コンタクトレンズをしたり。中には視力矯正手術を受ける人もいます。


そんな視力が悪い人のためのハードウェアをMIT Media Labのゴードン・ウェッツスタイン博士は、開発しました。


一般的な視力矯正ツールは人間の目に装着するものばかりです。


しかしウェッツスタイン博士のチームが開発したのはディスプレイ側で映像を調整することで、目の悪い人でも裸眼ではっきり・くっきり画面を見ることができる「Vision-correcting(映像矯正)ディスプレイ」と呼ばれるハードウェアです。


画面を立体視できる3D技術は、高解像度のディスプレイを使って左右の目にわずかに異なる映像を映すことで、視差を利用してきましたが、視差を作る代わりに見る人の目に合った映像を作るのが映像矯正ディスプレイです。


ウェッツスタイン博士は、目の悪い人はたいてい3D(立体)ではなく2D(平面)をよりはっきりと見るために視力を矯正していることに気付いたのがきっかけで、映像矯正ディスプレイを開発したとのこと。


目の悪い人でも裸眼ではっきりした映像を見ることができるスマートフォンサイズの映像矯正ディスプレイの開発に成功しています。


微細なピンホールが多数空けられた特殊な透明パネルを貼り付けた映像矯正ディスプレイがコレ。


仕組みは、映像を特別なアルゴリズムで変化させて透明パネルの微細なピンホールで光を調整して、見る人に最適な映像を表示することで裸眼でも結像できるようになるというもの。


映像を変化させるアルゴリズムは、目の悪い人に最適な光に調整できるもので、その人だけのためにカスタマイズされるとのこと。つまり、ユーザー専用に映像を作り出すので誰でもはっきり見えるわけではありません。


しかし、この新たに開発された映像矯正用のアルゴリズムは、あらゆるパターンについて適切に矯正できるため、カスタマイズ次第で、遠視・乱視など従来、メガネで矯正してきたさまざまな症状に対応できます。


映像矯正ディスプレイを使えば、スマートフォン・タブレット端末・PC・カーナビなどのディスプレイを裸眼でもはっきり見えるように映像を矯正することができるので、メガネやコンタクトレンズなしでもはっきりした映像を見ることができます。


「映像矯正ディスプレイ技術を使って、目につけるタイプの視力矯正ツールの煩わしさから解放し、目の悪い人のライフスタイルにインパクトを与えるのが目標です」とウェッツスタイン博士は話しています。


Vision-correctingディスプレイは、MITとカリフォルニア大学バークレー校の共同研究チームが開発したハードウェアで、3Dディスプレイで培われた技術を使って、解像度が損失するのを防ぎつつ、また、光量が減少するという問題も2枚の液晶パネルを平行に配列することでクリアしたとのこと。

研究チームは、すでに近視・遠視・乱視・老眼・かすみなどの症状を矯正することに成功しており、映像矯正ディスプレイの技術を例えば、自動車のメーターパネルに応用することで、運転中にディスプレイを確認するためにメガネを取り外すといった危険な動作をなくすことができると考えられており、実用化が期待されています。

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