サイエンス

人間の睡眠タイプは朝型と夜型だけではない、専門家が説明する「6つの睡眠タイプ」とは?


睡眠を基準にした人間の生活リズムはクロノタイプと呼ばれており、クロノタイプについて話す時は「朝早くに活動を始める朝型」と「夜遅くまで活動的な夜型」の2つに分けられることがほとんどです。しかし、ロシアの研究チームは「人間のクロノタイプは朝型と夜型の2つだけではない」と指摘し、人間の覚醒と活動パターンに基づいた「6つのクロノタイプ」が存在すると主張しています。

Single-Item Chronotyping (SIC), a method to self-assess diurnal types by using 6 simple charts - ScienceDirect
https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0191886920305444


Doctors confirm the existence of multiple chronotypes | EurekAlert! Science News
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2020-11/ru-dct112620.php

There Are 6 Human Chronotypes, Not Just Morning Larks And Night Owls, Study Says
https://www.sciencealert.com/scientists-say-there-are-6-human-chronotypes-not-just-morning-people-and-night-owls

人間の体における生理学的な機能は概日リズムの影響を強く受けており、一部の人々は朝早くから活動できる一方で、朝に弱い代わりに夜遅くまで活動できるタイプの人々もいます。こうした朝型・夜型の違いには年齢・性別・日照時間などの環境的な要素だけでなく、遺伝子的な要素も関連していることが判明しています。

広く知られているクロノタイプとしては朝に活動的な朝型、そして夜に活動的な夜型があり、多くの研究はこれら2つのクロノタイプに焦点を当てているとのこと。しかし、近年の研究ではクロノタイプがステレオタイプ的な朝型・夜型に分類できる単純なものではなく、より多様なクロノタイプが存在することが示唆されています。

ロシア諸民族友好大学の生理学研究者であるDmitry S. Sveshnikov氏は、個々の時間生物学および時間心理学的な研究は主に朝型と夜型のクロノタイプに焦点を当ててきたものの、最近の研究では既存の分類を再考し、拡大する必要があることが示唆されているとして、2000人以上を対象にクロノタイプの調査を行いました。


研究チームによると、2015年の研究では朝型・夜型に加えて「1日を通して眠気が強いタイプ」と「1日を通して眠気が弱いタイプ」の存在が判明したほか、2019年の研究では「日中に眠気が強くなり、朝と夜に眠気が弱まるタイプ」と「日中に眠気が弱くなり、朝と夜に眠気が強くなるタイプ」が特定されたとのこと。

これらの研究を基にして研究チームが考案した「6つのクロノタイプ」を表したグラフが以下。色分けされた横軸が左から順に朝・昼・夜を示し、縦軸が覚醒度の強弱を示しています。左上から順に「MORING TYPE(朝型)」「EVENING TYPE(夜型)」「HIGHLY ACTIVE TYPE(常に覚醒度が高いタイプ)」「DAYTIME SLEEPY TYPE(昼に覚醒度が低くなるタイプ)」「DAYTIME TYPE(昼に覚醒度が高くなるタイプ)」「MODERATELY ACTIVE TYPE(常に覚醒度が低いタイプ)」となっています。


研究チームは6つのクロノタイプに基づいたオンライン調査を実施し、合計で2283人から回答を収集しました。回答者の多くは大学生であり、自分が6つのクロノタイプに当てはまるのか、それとも当てはまらないのかを自己評価したました。さらに、睡眠科学者がさまざまな時間帯の眠気について評価する際に使用するテストや、平日や週末の就寝・起床時間などを調べる質問にも回答したとのこと。

調査の回答を分析した結果、全体の95%に当たる2176人が6つのクロノタイプのいずれかに当てはまることが判明しました。その内訳を見ると、13%が「朝型」、24%が「夜型」、18%が「昼に覚醒度が低くなるタイプ」、16%が「常に覚醒度が低いタイプ」、15%が「昼に覚醒度が高くなるタイプ」、9%が「常に覚醒度が高いタイプ」となっており、「朝型」「夜型」に当てはまるのは全体の37%に過ぎないことがわかります。

今回の研究は比較的小規模なものでしたが、研究チームは将来的により多くの手法を用いる研究を行うことで、これら6つのクロノタイプが人々にどのような影響を与えるのかが判明するだろうと主張しました。

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in サイエンス, Posted by log1h_ik

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