朝型人間と夜型人間はそもそも脳の特徴が違うことが判明
世の中には早起きが得意な朝型の人と、深夜の活動を好む夜型の人がおり、朝型/夜型は遺伝子が関係していると考えられているほか、性格にも影響があると考えられています。生活のさまざまな点に違いが出る朝型/夜型ですが、そもそも脳にも違いがあることが、3700人以上の脳スキャンから明らかになりました。
Diurnal Preference and Grey Matter Volume in a Large Population of Older Adults: Data from the UK Biobank
https://www.jcircadianrhythms.com/articles/10.5334/jcr.193/
Night owls have more grey matter in their brains than early birds
https://phys.org/news/2020-06-night-owls-grey-brains-early.html
脳は灰白質・白質・脳脊髄液という3つの組織タイプに分けられ、一般的には灰白質は情報処理を行い、一方で白質は脳の異なる場所で情報を共有するための『道路』の役割を果たすと考えられています。
共感力が高い人と低い人では、脳の灰白質の密度や質量が異なると、これまでの研究で示されてきました。新たな研究で、イギリスのブルネル大学で心理学上級講師を務めるレイ・ノーベリー博士はUKバイオバンクから得た3730人の脳スキャン画像を比較。3730人のサンプルはアンケート調査により明確に朝型/夜型と判断されており、ノーベリー博士は朝型/夜型といった行動形式と、脳の特徴の間に関連があるかを調べました。
この結果、ノーベリー博士は、夜型の人は楔前部と呼ばれる大脳内側面にある脳回において、灰白質の体積が大きいことを発見しました。
「メタ分析と過去研究から、社会的な人間関係を築く上で必要な脳機能にとって灰白質が重要なのはわかっていました。また、楔前部の体積が小さいことは共感・協調性・協力と関係していることも示されています。これらは、朝型が夜型に比べてより社会的行動を取りやすいという考えとも結び付きます」「人がどれだけ同調的なのかを測定することはできませんが、脳にある灰白質の量がこれを示していると考えられます」とノーベリー博士はコメント。
なお、2013年の研究で、夜型の人はナルシストや精神病質の傾向が高いことも示されています。
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