オープンソースのOS「Plasma Mobile」搭載スマホ「PinePhone: KDE community edition」が登場
デスクトップ環境KDEの開発コミュニティによってオープンソースで開発されるスマートフォン向けのOSユーザーインターフェースが「Plasma Mobile」です。64bitシングルボードコンピューターメーカーのPINE64による、このPlasma Mobileを搭載したスマートフォン「PinePhone KDE Community Edition(CE)」の予約注文が、2020年12月1日に始まりました。
KDE Community Edition is now available | PINE64
https://www.pine64.org/2020/12/01/kde-community-edition-is-now-available/
Introducing the PinePhone - KDE Community edition : KDE.org
https://kde.org/announcements/pinephone-plasma-mobile-edition/
PinePhone: KDE community edition | Plasma Mobile
https://www.plasma-mobile.org/2020/12/01/pinephone-kde-community-edition.html
「PinePhone」はPINE64が開発したスマートフォンで、ARMベースSoCのA64、解像度1440×720ピクセルの5.95インチLCDディスプレイ、充電とデータの入出力に対応するUSB Type-Cポート、5メガピクセルのフラッシュ付きアウトカメラ、2メガピクセルのインカメラ、容量3000mAhのバッテリーを搭載しています。また、PinePhoneの組み立て方法や使用部品の型番などは公式wikiで公開されており、Ubuntu TouchやSailfish OS、LuneOSといった好みのモバイル端末向けLinux環境をインストールして使うこともできます。
Plasma MobileはLinuxディストリビューションからビルドされるモバイルOSのUIで、今回登場する「PinePhone: KDE community edition」には、PinePhoneにプリインストールされているpostmarketOSの代わりに、ARM端末に最適化されたLinuxディストリビューション「Manjaro ARM」にビルドされたPlasma Mobileが搭載されています。
Plasma Mobileには、天気予報アプリ「KWeather」や計算機アプリ「Kalk」ブラウザアプリ「Angelfish Webbrowser」、音楽再生アプリ「VVAVE」といったオープンソースで開発されたKDE製のアプリが含まれています。「PinePhone: KDE community edition」ではそれらのアプリに加えて、Manjaro ARM向けに開発されたモバイル端末用アプリのインストールも可能とのこと。
なお、Plasma MobileにはManjaro ARMのほかにKDE NeonやpostmarketOSベースのバージョンもありますが、KDEによれば、PinePhoneでの安定性を優先して、Manjaro ARMベースのPlasma Mobileが採用されたとのこと。今後はManjaro ARM以外のLinuxディストリビューションをベースとしたPlasma Mobileも利用できるように対応を進めるとしています。
「PinePhone: KDE community edition」は2021年1月中旬に発送予定で、16GBのストレージと2GBのメインメモリを搭載したバージョンが149.99ドル(約1万5600円)、32GBのストレージと3GBのメインメモリを搭載したバージョンが199.99ドル(約2万1000円)で予約を受け付けています。
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