Googleにトルコ競争委員会が約27億円の罰金を科す、「Googleは市場の支配力を乱用した」

トルコの市場独占を取り締まる競争委員会がGoogleに対して「公正な競争ルールに違反し、広告を通じて市場での支配力を乱用した」として、1億9670万トルコリラ(26億9000万円)の罰金を科したと報じられています。

Turkish competition board hits Google with $25m fine
https://www.arabnews.com/node/1763111/business-economy

Turkey fines Google $26 million for abusing market position: competition board | Reuters
https://www.reuters.com/article/us-turkey-google-idUSKBN27T26R

Googleがトルコの競争委員会から罰金を言い渡されるのは今回が初めてのことではありません。2018年9月には、Googleは「広告で特定の業者を他の業者よりも優先した」として、競争法違反で9800万トルコリラ(約13億4000万円)の罰金を科されています。また、2020年始めには「『積極的な競争戦術』を展開した」という理由で、9830万トルコリラ(約13億4500万円)の罰金を科されました。

Googleがトルコの競争委員会からにらまれてしまっている背景には、トルコでのインターネットに対する厳しい規制があります。2016年にはTwitterやFacebook、YouTubeへのアクセスがまとめて遮断される事態が発生しました。

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By Neha Viswanathan

この規制はWikipediaも対象とされ、Wikipediaに対する閲覧制限は2年以上にわたって継続しました。さらに、2020年7月には、「政府がTwitterやFacebookに対してコンテンツの削除を強制できる法案」が可決されました。

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この法律に対してFacebookは真っ向から対立し、「トルコ国内に代表者を置かなければならない」という法的規制に背く決定を下しました。これにより、Facebookも罰金や速度制限などのペナルティを受ける可能性が指摘されています。

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トルコのメディアコミュニケーション学者であるSarphan Uzunoğlu氏は「Googleのアルゴリズムは、消費者行動の変動を示すものであると同時に、消費者行動に最も深く干渉するものでもあります。Googleは、どの商品やサービスがグローバルにどのようにアクセスできるかを決定する能力を持っています」と述べ、デジタル広告市場を支配するGoogleはインターネットとほぼ同等といえるほどの影響力を持っていると指摘。

Uzunoğlu氏によれば、トルコはEUの決定に追従する形でテクノロジー企業に対する姿勢を決めているのこと。「トルコはGoogleを厳しく取り締まることで、新興国のリーダーになったつもりなのでしょう」とUzunoğlu氏は述べました。

なお、トルコの競争委員会はGoogleに対し、「問題を修正して不公正な広告戦略を終了する」までの猶予を6カ月間設けたとのこと。Uzunoğlu氏は「Google関連への接続が完全に遮断される事態はトルコ国内に大きな打撃を与えてしまうリスクがあるため、競争委員会とGoogleの間である程度の妥協点に至る可能性があります」と予想しています。