サイエンス

新型コロナウイルス感染リスクが最も高い場所はどこなのか?


屋内で粒子がどのように飛散するかに関する研究を行ってきた専門家が、新型コロナウイルスへの感染において部屋の中で最もリスクの高い場所を指摘しています。

When COVID-19 superspreaders are talking, where you sit in the room matters
https://theconversation.com/when-covid-19-superspreaders-are-talking-where-you-sit-in-the-room-matters-145966


クラークソン大学の特別教授であるスレシュ・ダーニヤラ氏によると、空気中の微生物の動きを示すモデルのほとんどは、空気が十分に混合され、粒子濃度が全体に均一であることを想定しているとのこと。この想定は、換気がなされていない部屋や狭い場所であれば当てはまるものの、適切な換気によりリスクを減らせる広い部屋については当てはまらないそうです。

ダーニヤラ氏は、30人規模の授業で使う約9m×約8mの教室内で新型コロナウイルスはどのように拡散するのか、粒子の動きで確かめました。


その結果、10分から15分経過すると粒子が発生源から教室の後方まで到達したことが確認されたものの、室内換気のおかげで、発生源から約6m離れていれば、その濃度は発生源近くの10分の1にまで下がっていました。

このことは、適切な換気が行われているのであれば、COVID-19への感染リスクが高いのは感染した話者の近くにいる少数の人々に限定される可能性があることを示しています。

一方で、粒子の濃度がどれだけ高くなるかは、部屋にいる人の数、放出される粒子の量、換気の効率に部分的に依存します。

たとえば、部屋の隅では、空気交換が少なくなる可能性が高いため、粒子が長く残り続ける可能性があります。また、通気口の近くにいると、部屋の他の場所の浮遊粒子が通過していくことになり、その粒子の中にさらされる可能性があるとのこと。


適切な換気システムがあれば、室内の粒子の95%は30分以内に入れ替わるとのことですが、当然、ウイルス感染者がいた場合は、新たにウイルスが室内に拡散することになるので、できるだけ空気交換が行われる位置で、かつウイルスにさらされない場所にいることがポイントとなりそうです。

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in サイエンス, Posted by logc_nt

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