ネットサービス

「将来登場する海賊版サイト」まで対象にしたサイト遮断命令がカナダで下される、ドメイン変更などで回避されても裁判することなく遮断可能


Netflix、ディズニー、ワーナー・ブラザースといったハリウッドの様々なスタジオが要請した遮断命令をカナダの連邦裁判所が認め、インターネットサービスプロバイダ(ISP)に対し13の海賊版サイトの遮断を命じました。この命令には包括的な「適用範囲拡大」が含まれており、権利者は遮断命令に含まれていないサイトを裁判所に再申請することなく追加できるようになりました。

Canada's 'Expanded Scope' Blocking Order Targets Existing and Future Pirate Sites * TorrentFreak
https://torrentfreak.com/canadas-expanded-scope-blocking-order-targets-existing-and-future-pirate-sites/


カナダ連邦裁判所が初めて「海賊版サイト遮断命令」を下した2019年時点では、特定のサービスと固定されたドメイン名を対象としていました。そのため、新しい海賊版サイトが登場したり、規制されたサイトがドメインを変更して運営を継続した場合、裁判所に再度申し立てを行う必要がありました。

その後、2026年6月に複数のストリーミング配信サイトに対して出された命令では、権利保有者がブロックリストに「出現する可能性のある代替ドメイン」や「既に指定されたブランドの模倣サイト」を追加できるようにブロック対象が広げられました。これにより、権利保有者は新しいドメインが出現するごとに新たな訴訟を起こす必要がなくなりましたが、新たなサイトをブロックするには「連邦裁判所に再度申し立てを行い、新たな命令を発令してもらう」というプロセスは依然として必要でした。

そして、2026年7月にロジャース、TVA、Netflix、そしてディズニーやワーナー・ブラザースといったハリウッドの様々なスタジオが要請した13の海賊版ブランドを対象とした遮断命令では、既存のドメイン名だけでなく、既存の海賊版サイトと運営者が同一かどうかに関係なく、同じブランド名を使う将来のドメインもブロック対象に含めていました。この差止命令には「適用範囲の拡大」という新たな特徴が加わっており、単一のブランドとその模倣品だけではなく、「他のブランド名で運営されている同様の権利侵害プラットフォーム」も対象としています。これは事実上、一定の条件を満たす新たな海賊版サイトやサービスを、裁判所へ改めて申し立てることなくブロックリストへ追加できることを意味します。


連邦判事は「海賊版サイトが裁判所命令でブロックされると、新たな海賊版サイトが人気を集めることでブロックされたサイトにすぐに取って代わります。この海賊版対策のいたちごっこ問題に対処するためには、今回の措置が必要です」と命令書に記しています。

実際に新しい海賊版サイトが出現した場合、権利保有者はそのサイトが命令の条件を満たしていることを確認する宣誓供述書をISPに提出する必要があります。この条件とは、「対象となるサービスの唯一または主な目的が、スタジオの映画やテレビ番組の無許可配信であること」「IPTVやオープンウェブ型の海賊版サービスと同様の運営形態をとっていること」「カナダ国内でアクセス可能であること」「運営者に侵害通知が送付され、7日以内に回答するよう求められたこと」が含まれます。


対象となるISPが5営業日以内に異議申し立ての通知を提出しない場合、審理や裁判所からの追加命令無しに、遮断命令リストが更新されます。ISPが明示的に同意していない場合でも、異議申し立てがなければリストは更新され、裁判所は一切関与しません。

ただし、今回の命令では権利者側の要求がすべて認められたわけではありません。権利保有者側は新たな命令が「申立人が著作権を所有するすべての作品」に適用されることを望んでいましたが、命令では適用範囲を「申立人の作品」、つまり「判決で具体的に列挙された作品」に限定しています。これにより映画スタジオ側は、将来新たに取得した著作権を根拠として対象作品を追加することはできず、その場合は改めて裁判所の判断を仰ぐ必要があります。

カナダのISPであるTekSavvyは「当社は、遮断命令をネットワーク中立性の重大な侵害であり、ISPとしての当社の業務に対する根本的な変更と捉えています。共通搬送とネットワーク中立性の原則は、ISPがエンドユーザーとの間でトラフィックを可能な限り中立的な方法で伝送することを意味します」と今回の判決に反発しています。

今回の命令は2年間有効で、命令が下された時点のブロックリストには13のドメインと5つのサブドメインが含まれています。期限切れまでにどれだけのドメインが裁判所を介さず追加されるのか注目されています。

・関連記事
海賊版サイトがブロックを回避している「モグラたたき戦略」とは? - GIGAZINE

AIは著作権法を壊したのではなく「元から壊れていた著作権法の仕組み」を露呈させただけ - GIGAZINE

YouTubeが「フェアユースvs著作権」の訴訟費用を負担へ - GIGAZINE

ロシアの検閲の標的になってしまったらどうなるのか?VPNサービスと政府とのいたちごっこの実情が明かされる - GIGAZINE

音楽ストリーミングサービスが普及した時代に「音楽海賊版の失われた喜び」をアーティストが語る - GIGAZINE

映画会社グループがISPへの海賊版訴訟を取り下げ、数億円規模の損害賠償&差止命令を共に撤回 - GIGAZINE

in ネットサービス, Posted by log1e_dh

You can read the machine translated English article A Canadian government has issued a site ….