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新型コロナによってPCの出荷台数が過去10年で最高の伸びを記録


新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックによって引き起こされた「在宅勤務特需」によってPCの需要が急増し、PCの出荷台数が2010年以降で最高値となる「前年同期比12.7%増」に達したと、テクノロジー系分析企業のCanalysが報告しました。報告によると、ノートPCの「前年同期比28.3%増」という驚異的な売れ行きが、PCの出荷台数増に大きく貢献しています。

Canalys Newsroom- Canalys: PC market shipments grow a stellar 13% in Q3 2020 to break 10-year record
https://www.canalys.com/newsroom/canalys-pc-market-shipments-grow-a-stellar-13-in-q3-2020

The pandemic has changed the trajectory of the PC, as "stellar growth" beats 10 year record - MSPoweruser
https://mspoweruser.com/the-pandemic-has-changed-the-trajectory-of-the-pc-as-stellar-growth-beats-10-year-record/

近年はスマートフォンの登場により、PCの総出荷台数は年々減少するという傾向が続いていました。こうした状況の中、2020年第1四半期はCOVID-19のパンデミックによりサプライチェーンが打撃を受けて出荷台数が前年同期比10%減少し、過去最低値を記録していました。

2020年第1四半期のPC出荷台数が新型コロナウイルスの影響で前年同期比で約10%減、一方でPCの需要は急激に上昇 - GIGAZINE

by Nick Normal

しかし、COVID-19パンデミックの影響を受けて2020年第2四半期の売上が急増。出荷台数の急激な伸びはその後も持続し、2020年第3四半期の出荷台数は前年同期比の12.7%増となる7900万台に達したとのこと。


Canalysによると、この急成長を支えているのは「ノートPC」です。デスクトップPCおよびデスクトップワークステーションの出荷台数は前年同期比26%減でしたが、ノートPCとモバイルワークステーションの出荷台数は前年同期比28.3%増と好調でした。

また、Canalysはメーカーごとの出荷台数も計測しています。2020年第3四半期の出荷台数で1位に輝いたのはLenovo(約1927万台、前年同期比11.4%増)。2位はヒューレット・パッカード(約1866万台、11.9%増)、3位はDELL(約1199万台、0.5%減)、4位はApple(約6372万台、13.2%増)、5位はAcer(約1728万台、15.0%増)でした。


パンデミックによって好調な売り上げを示しているPC市場について、Canalysのアナリスト部門に所属するIshan Dutt氏は、「政府はパンデミック中の経済活動を維持する上でPCアクセスが重要だということに気づき、財政的な支援やデバイスの本格的な導入などの施策を実施しています。PCへの投資を含むIT関連の支出は、パンデミック後の経済回復の核になると予想しています」とコメント。調査部門に所属するRushabh Doshi氏は、「今回のパンデミックは働き方や学び方を永続的に変化させるほどの影響を与えており、今後数年間はPC市場に大きなチャンスがやってくると考えられます。また、2020年の第1四半期と第2四半期は業務用PCの需要が中心でしたが、ホリデーシーズンにかけて家庭用PCの需要が高まるとみられます」とコメントしています。

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in ハードウェア, Posted by darkhorse_log

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