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太陽光発電が普及すると「電気を消費するほど報酬がもらえる」時代が来るかもしれない


太陽光発電をはじめとする再生可能エネルギーは、石炭火力発電による地球温暖化への影響を抑える手段として有望視されています。テクノロジー関連のブログ・IFOST Blogを運営するGreg Baker氏が、「太陽光発電の効率が上昇して十分に普及すると、『電気の消費者』が報酬を受け取る仕組みが誕生する可能性がある」と主張しています。

IFOST Blog: Something funny is about to happen to some prices
http://blog.ifost.org.au/2020/09/something-funny-is-about-to-happen-to.html

近年、太陽光発電にかかるコストはどんどん安くなっており、2030年代には化石燃料の発電所を動かすより安くなるとも予測されています。Baker氏は、太陽光発電の効率化のスピードは他の発電手法と比較しても急速で、今後10年以内に日中の電力需要を太陽光発電だけでまかなえるようになると述べています。

太陽光発電で電力需要をまかなおうとした場合の問題として挙げられるのが、パネルに当たる太陽光が少なくなる朝や夕方などの時間帯は、発電量が減ってしまうという点です。この問題を解消するため、太陽光発電はさらなる効率化が進んでおり、将来的には「太陽光が十分な昼の時間帯に過剰なほどの電力を発電するようになるだろう」とBaker氏は指摘。


しかし、ここで問題となるのが、太陽光発電によって生み出された余剰電力の消費方法です。発電した電気は適当に余らせておくということができないため、発電した分の電気は何らかの形で使われなければなりません。電気は蓄えておくことが難しいエネルギーのため、電力会社はあの手この手で「余剰電力を消費してくれるところ」を探しています。日本でも、深夜帯などの電力消費量が少ない時間帯には電気料金を安くして、余剰電力の解消に努めています。

また、比較的発電量を調整しやすい火力発電所などではピーク時以外の発電量を抑えることができますが、発電量をこまめに調整することが難しい原子力発電所では、既に余剰電力を揚水式発電という形で消費しています。

揚水式発電とは「高い場所から低い場所へ流れる水の力」を利用して発電する方法であり、電力が余る夜間に水を低い場所から高い場所に引き揚げ、電力需要が高まる昼間に水を高い場所から低い場所に流すことで発電しています。つまり、揚水式発電所は一種の蓄電池のような役割を持っているとのことで、原子力発電所と組み合わせて利用されることが多いそうです。


Baker氏は太陽光発電に伴う余剰電力の消費方法として、揚水式発電の代わりに「電力を消費してくれる代わりに報酬を支払う」という方式が登場するのではないかと指摘しています。これは既に電力会社が導入している「深夜帯の電気料金割引」を加速させた施策であり、下がり続けた電気料金がついにゼロになり、さらに電気料金がマイナスになる可能性は十分にあるとのこと。

発電した電気を消費しなければならない事業者にとって、電気料金をゼロにしてもまだ余剰電力が発生するのであれば、電気料金をマイナスにして電力消費者に報酬を支払うことは自然な流れです。また、たとえ電気料金がマイナスになったところで、それ以外の時間帯の発電で利益を上げられるなら問題はありません。この場合、電力消費者に支払うコストは「送電システムの維持費」の一種として考えることができます。


さらにBaker氏は、「電力を消費するほど報酬がもらえるシステム」が誕生した場合、この時間帯を見計らって大規模な事業を行うグループが登場する可能性があると指摘。「機器の待機時間が長い」「ジャストインタイムで生産することが難しい」といった点を考慮すると、「海水の淡水化」がこの事業に適しているとBaker氏は主張しています。

海水の淡水化はエネルギーコストが高いことが知られていますが、電力を消費するほどメリットがある状況では、海水の淡水化を行う十分なメリットが生じます。また、「1kWh当たり0.5セント(約0.5円)の報酬が支払われる」という場合、1kWhの電力で作られる淡水を必要経費込みで0.5円未満の価格で売ることができれば、作り出した淡水で利益を得られなくてもコストを回収することが可能です。その結果、「水の価格がマイナスになる」という状況が生じるかもしれないとのこと。


いくら太陽光発電で余剰電力の解消が問題になるとはいえ、「電気料金がマイナスになる」「水の価格がマイナスになる」といった状況が実際に起こるとは信じにくいかもしれません。しかしBaker氏は、「多くの経済学者らはそれが実際に導入されるまで、マイナス金利が存在することは不可能だと思っていました」と述べ、経済学の分野では非常に奇妙なことが起こりうると述べました。

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in メモ, Posted by log1h_ik

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