メモ

太陽光発電にかかるコストは2030年代には化石燃料の発電所を動かすより安くなるという予測


クリーンエネルギーに詳しい投資家・作家のラメズ・ナム氏は、10年前から太陽光エネルギーの価格は下落すると予測していましたが、実際にはその予測以上のペースで下落が進んでおり、このままいけば「世界を変えるほどに安くなる」と語っています。

Solar’s Future is Insanely Cheap (2020) – Ramez Naam
https://rameznaam.com/2020/05/14/solars-future-is-insanely-cheap-2020/


2020年時点で太陽光発電にかかるコストは、IEAが2010年に予測した数字の4分の1、ナム氏の2011年に行った「かなり楽観的な予測」の半分という低さまで下落しました。これは裏返してみると、実際に価格下落はIEAの2010年予測を50年~100年も先取りするものだったことを示しているとのこと。ナム氏の2011年予測と比べても10年~15年先行するもので、ナム氏は2015年に予測を再計算してさらに楽観的な数字を出していますが、それよりもなお7年~10年先行するものだったとのこと。

もともと、太陽光発電に用いられるモジュールは、「累積生産量の増加に対してコストが指数関数的に減少する」というライトの法則が当てはまり、生産量が2倍になるとコストが約25%下がることがわかっていました。

ただし、太陽光発電にかかるコストのうちモジュールの費用は3分の1程度。パネル設置の人件費や、モジュール以外の費用なども含めたときにライトの法則が当てはまるのかが不明でした。そこでナム氏が計算を行ったところ、太陽光発電全体としても、発電所の数が2倍になると、価格が30%~40%下落するという形でライトの法則が当てはまることがわかりました。


コストが下がりきった「激安の太陽光発電」がいつ現れるのかについて、ナム氏は2030年から2035年ごろであろうという予測を立てました。このころには、化石燃料を用いた火力発電所を稼働させるよりも、新たに太陽光発電所を建設して稼働させる方が日常的に安くなるとのこと。

今後、世界は発展途上国の所得と消費の増加、輸送手段の電動化などにより、さらに電力需要が増加していくと考えられています。一方で、電気を蓄えておくバッテリーの安価化や、「電気料金の安い時間に充電する」といった需要の柔軟化により、太陽光発電の貢献度はさらに高まると考えられています。

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in メモ, Posted by logc_nt

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