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2020年最新モデル「Apple Watch Series 6」はどこが優れているのか?各モデルと比較してみた


「血中酸素濃度測定機能」というわかりやすい目玉機能を搭載して登場した、Apple Watchの2020年最新モデルが「Apple Watch Series 6」です。「血中酸素濃度測定機能」以外に、Apple Watch Series 6はどのような点が進化しているのかを、Apple公式のモデル比較ページをベースに各モデルと比較して確かめてみました。

Apple Watch - モデルを比較する - Apple(日本)
https://www.apple.com/jp/watch/compare/

◆外観デザインを比較
Apple Watchは初代からSeries 3まではケースサイズが38mm/42mmですが、Series 4からは40mm/44mmにサイズアップしており、同時にディスプレイサイズも30%以上大きくなっています。ただし、38mm用のバンドは40mmケースで、42mm用のバンドは44mmケースで使用することが可能です。

以下は左から初代Apple Watch(42mm)、Series 2(42mm)、Series 3(42mm)、Series 4(44mm)、Series 5(40mm)、SE(40mm)、Series 6(40mm)を並べた写真。それぞれ本体カラーやバンドが異なりますが、本体の基本デザインは変わりません。


背面はこんな感じ。Series 4から背面センサーの見た目が変化しており、Series 6では血中酸素濃度センサーが統合されたことでさらに大きな変化がみられます。


本体右側面にあるデジタルクラウンのデザインも微妙に変化しています。Series 3ではデジタルクラウン全体が真っ赤に塗られていますが、Series 4とSeries 5は赤線のアクセントのみ。SEは初代&Series 2と同じアクセント線のないデザインで、Series 6では本体カラーごとにアクセント線のカラーが異なるようで、アルミニウムケースのゴールドカラーの場合、アクセントカラーは白色です。


左側面にはスピーカー&マイク。Series 4からのデザイン変更に伴いスピーカー&マイクユニットも第2世代に進化しており、音量が50%アップしています。


なお、Apple WatchはSeries 2以降は着用したまま水泳することも可能な「50メートルの耐水性能」を備えており、第2世代のマイク&スピーカーユニットがどのように入り込んだ水を排水しているかがわかるムービーも公開されています。

着用したまま水泳も可能なApple Watchはどうやって中に入り込んだ水を排水しているのか?がわかるスローモーションムービー - GIGAZINE


Series 6の詳細な外観デザインについては以下のフォトレビューを見ればよくわかります。

「Apple Watch Series 6」速攻フォトレビュー、血中酸素ウェルネスセンサー搭載で背面センサーが進化 - GIGAZINE


◆性能を比較
記事作成時点でApple公式のオンラインストアで販売されているのは、Series 6・SE・Series 3の3つ。販売価格はSeries 6が税別4万2800円から、SEが2万9800円から、Series 3が1万9800円からです。

・Series 6とSEを比較
Series 6とSEの違いは「血中酸素ウェルネスセンサー」「ディスプレイ」「電気心拍センサー」「チップ」の4点。

2020年の最新モデルであるSeries 6とSEを比較した際の最も大きな違いは、Series 6が血中酸素ウェルネスセンサーを搭載しているという点。これによりSeries 6では血中酸素ウェルネスアプリが使用でき、いつでも手軽に血中酸素濃度の測定が可能です。血中酸素濃度が測定できることによる恩恵がどのような形で現れるかは記事作成時点では明確ではないものの、Apple Watchに命の危機を救われたという人が多数いるように、「血中酸素ウェルネスアプリに救われた」という事例が今後報告されることもあるのかもしれません。

なお、Series 6で血中酸素ウェルネスアプリを使う方法については、以下の記事にまとめてあります。

「Apple Watch Series 6」で血中酸素濃度を測定できる「血中酸素ウェルネスアプリ」の使い方まとめ - GIGAZINE


Series 6とSEのその他の違いは、Series 6が常時表示Retinaディスプレイを搭載しているという点です。常時表示Retinaディスプレイを搭載することで、Series 6では常時表示機能を使うことが可能。常時表示をオンにすると、ユーザーがApple Watchのディスプレイを見ていないタイミングでも画面上に文字盤が表示されるようになります。必要不可欠な機能ではないものの、装着者以外からもApple Watchが時計らしく見られるようになるため、「時計らしく常に文字盤が表示されていてほしい」という人にとってはありがたい機能かもしれません。

なお、以下の写真の左が通常時に表示される文字盤で、右が常時表示オフだと表示されない「手首を下げている際などに表示される電力消費が少なくなるように調整されたデザインの文字盤」です。


その他、Series 6はSEにはない電気心拍(ECG)センサーを搭載していますが、ECGセンサーを用いる心電図アプリは記事作成時点では日本で使用できません

また、Series 6の心臓部にはSEのS5 SiP(System in Package)よりも最大20%高速なS6 SiPが採用されており、Wi-Fiが5GHz帯に対応しているという違いもあります。


これに加えて、Apple Watchとしては初めてU1チップを搭載しています。これは超広帯域テクノロジーを使用した空間認識用のチップで、iPhone 11で初めて採用されたものです。U1チップが初登場した際には、識者から「U1チップこそがiPhone 11発表会における最大の発表」とまで評されていたため、今後U1チップを搭載したSeries 6ならではの機能などが登場することが期待されます。

iPhone 11に搭載された「U1チップ」の座標計測精度が「誤差数センチレベル」という超絶高性能だと注目を集めている - GIGAZINE


・Series 6とSeries 5を比較
Series 6とSeries 5の違いは、「血中酸素ウェルネスセンサー」「ディスプレイ」「チップ類」「高度計」の4点。

ディスプレイはSeries 6がLTPO OLED常時表示Retinaディスプレイを搭載しているのに対して、Series 5は感圧タッチ対応のLTPO OLED常時表示Retinaディスプレイを搭載しています。そのため、Series 5ではディスプレイをグッと押し込むようなタッチと通常のタッチを別の種類のタッチとして認識することができますが、Series 6では不可です。なお、Appleは2019年に登場したiPhone 11シリーズでも感圧タッチ機能の3D Touchを廃止しています。

チップ類の違いとしては、Series 5がSEと同じS5 SiPを採用しているのに対して、Series 6はS5 SiPよりも最大20%高速なS6 SiPを採用。また、Series 6はU1チップを搭載している点もポイント。

その他、Series 6は常に高度情報を測定することができる「常時計測の高度計」を搭載していますが、Series 5は気圧高度計を搭載しています。常時計測の高度計を搭載しているApple WatchはSeries 6とSEのみ。


・Series 6とSeries 4を比較
Series 6とSeries 4の違いも、「血中酸素ウェルネスセンサー」「ディスプレイ」「チップ類」「高度計」の4点。

Series 6がLTPO OLED常時表示Retinaディスプレイを搭載しているのに対して、Series 4は感圧タッチ対応LTPO OLED Retinaディスプレイを搭載しているので、Series 6は感圧タッチに対応しておらず、Series 4は常時表示機能に対応していません。

チップはSeries 4がS4 SiPを搭載しており、このチップはS5 SiPと同じCPUを積んでいることが明らかになっています。加えて、Series 6だけがU1チップを搭載。

また、Series 6は常に高度情報を測定することができる「常時計測の高度計」を搭載しているのに対して、Series 4に積まれているのはただの気圧高度計なので、常に高度を測ることができるというわけではない模様。


・Series 6とSeries 3を比較
価格に2倍以上の開きがあるSeries 6とSeries 3の違いは、「血中酸素ウェルネスセンサー」「電気心拍センサー」「ケースサイズおよび解像度」「コンパス」「常時計測高度計」「ディスプレイ」「転倒検出機能」「騒音モニタリング機能」「海外における緊急通報」「ファミリー共有設定」「チップ」「スピーカー&マイク」など、かなり多岐にわたります。

ケースサイズはSeries 3(左:42mm)が38mm/42mmであるのに対して、Series 6(右:40mm)は40mm/44mmにサイズアップ。解像度も272×340ピクセル(38mm)/312×390ピクセル(42mm)から、324×394ピクセル(40mm)/368×448ピクセル(44mm)に進化。ただし、Series 6のディスプレイは感圧タッチに対応していないのに対して、Series 3は感圧タッチに対応しています。


Series 6はコンパス内蔵なのでいつでも手元で方角の確認が可能。


さらに、コンパスアプリからいつでも高度を測定できます。


騒音モニタリング機能を使えば周囲の騒音レベルを測定可能。


この他、Series 6はSeries 3では使えない転倒検出機能・海外における緊急通報・ファミリー共有設定が使えます。また、スピーカー&マイクは第2世代のものが搭載されており、音量は50%もアップ。なお、Series 6のS6 SiPはSeries 3のS3 SiPと比べて最大2.4倍高速です。

各モデルを比較すると、やはりSeries 6の優位な特徴は「血中酸素ウェルネスアプリ」を使えるという点。逆に、血中酸素ウェルネスアプリを使える点以外はSE・Series 5・Series 4と大きな差はないので、同機能の必要性を感じないという人は無理をしてSeries 6を購入する必要はなさそう。現行モデルの中で最も安価なSeries 3はかなりお手頃価格ですが、Series 6と比べると使えない機能も多数あるので、購入時はよく検討するのが良さげです。

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in レビュー,   モバイル,   ハードウェア, Posted by logu_ii

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