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Facebookは「ホロコースト否認論」を積極的に促進しているという指摘

by Book Catalog

Facebookは「ヘイトスピーチへの取り組みを行っている」としていますが、一方で公民権の監査レポートで酷評されているのも事実。ナチス・ドイツによるユダヤ人虐殺であるホロコーストの一部あるいは全てを否認する人はSNS上に多く存在していますが、新たな調査で、Facebookのアルゴリズムにはホロコースト否認論を推奨する動きがあると示されました。

Facebook algorithm found to 'actively promote' Holocaust denial | World news | The Guardian
https://www.theguardian.com/world/2020/aug/16/facebook-algorithm-found-to-actively-promote-holocaust-denial

ホロコースト否認論者」は一定数存在し、現代ではヘイトスピーチの一種とみなされています。シンクタンクのInstitute for Strategic Dialogue(ISD)が調査を行ったところ、Facebookのアルゴリズムはこのホロコースト否認論を推奨する動きがあることがわかりました。具体例としては、Facebookの検索で「ホロコースト」を調べると、ホロコースト否認論者として知られるデイヴィッド・アーヴィング氏などの本を売る出版社のページへリンクがあるページが示唆されることがあるとのこと。


Facebookは2020年8月11日に「ユダヤ人が世界を支配している」といったような反ユダヤ主義の陰謀論を助長する投稿をFacebookとInstagramで禁止すると発表しました。それにもかかわらず、ホロコースト否認論はまだFacebook上に散見され、ホロコースト否認のコンテンツを扱う36個以上のFacebookグループが発見され、それらのグループのフォロワーの合計は36万人を超えていたとのこと。研究者はホロコースト否認コンテンツを含むFacebookページをフォローした時に、同様のコンテンツを持つページが推奨されることも確認しています。

またこのようなホロコースト否認コンテンツへは、Twitter・Reddit・YouTubeでも簡単にアクセス可能とのこと。ホロコーストはでっちあげであるという意味の「holohoax」という言葉はReddit上に2300個、Twitter上に1万9000個、YouTube上に9500個あると確認されています。一方で、YouTubeでは2019年に特定の思想や属性についての至上主義者によるコンテンツ&チャンネルを削除する方針を立てており、これによりholohoaxへの言及が激減したこともわかっています。

YouTubeがヘイトスピーチ対策で3カ月で10万本超の映像と1万7000チャンネルを削除 - GIGAZINE


ISDで調査コーディネーターを務めるJakob Guhl氏は「私たちの発見は、プラットフォームの取るアクションによって反ユダヤ主義のコンテンツの量や目に付きやすさを効率的に減らせることを示しています。それゆえに企業はホロコースト否認を許すのか、対抗するのか、『自分はどのようなプラットフォームになりたいのか』と自問しなければなりません」とコメント。ただし、コンテンツの中には暗号を使ったり言葉に慎重になったりと、検知されないものもあるため、今回の分析が全てを反映しているとはいえないとのこと。

これに対しはFacebookの広報担当者は「私たちはホロコーストを称賛、擁護もしくは正当化する投稿を削除しています。ホロコーストの被害者をあざける投稿や、嘘つきと呼んだり、ヘイトの対象としたり、ユダヤ人への暴力を推奨する投稿についても同様です」「また私たちは、ホロコースト否認について議論するページやグループを、オススメや、検索予測のリファレンスから外しています。私たちがコンテンツを取り下げているのは、それが単純にウソだからではなく、ホロコースト否認の投稿がヘイトスピーチのポリシーに違反しているためです」と自社の取り組みについて説明しました。

Facebookの広報担当者はさらに、ドイツやフランス、ポーランドではホロコーストを否認すること自体が法律で禁止されていることを指摘した上で、言論の自由を認めることと、人々の安全を守ることのバランスをとることの難しさを強調しました。

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in ネットサービス, Posted by darkhorse_log

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