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Amazonで「アウシュヴィッツ強制収容所柄のクリスマス用飾り」が販売されアウシュヴィッツ博物館が大激怒


アウシュヴィッツ強制収容所の写真が印刷されたクリスマス用のオーナメントや栓抜きがAmazon上で購入可能だったことが2019年12月1日に判明しました。報告を受けてAmazonは指摘されたアイテムを削除していますが、同様のアイテムがAmazonの削除が追いつかないペースで出品されており、問題となっています。

Amazon Removes Holiday Ornaments With Images of Auschwitz After Criticism - The New York Times
https://www.nytimes.com/2019/12/01/business/amazon-auschwitz-christmas-ornament.html

Amazon pulls Auschwitz Christmas ornaments showing concentration camp - CNN
https://edition.cnn.com/2019/12/02/tech/amazon-auschwitz-products-removed-scli-intl/index.html

2019年12月1日付で、アウシュヴィッツ・ビルケナウ博物館が「Amazon上でアウシュヴィッツ強制収容所の写真を使ったオーナメントや栓抜きなどが販売されています」とTwitterに投稿しました。博物館は「これらは適切でなく、不快で失礼なものです」とコメント。この投稿は記事作成時点で約1万リツイートされ、Amazonに対して「最低」「あらゆる意味で信じられないほどに不適切」といった多くの批判が投げられ、不買運動を呼びかける人まで登場しています。

Selling "Christmas ornaments" with images of Auschwitz does not seem appropriate. Auschwitz on a bottle opener is rather disturbing and disrespectful. We ask @amazon to remove the items of those suppliers. https://t.co/0uG2JG558e pic.twitter.com/ucZoTWPk1W

— Auschwitz Memorial (@AuschwitzMuseum)


実際にAmazonに掲載された製品は以下のような感じ。クリスマス用のオーナメントと記されています。


以下は栓抜き、冷蔵庫用マグネット、ビール瓶カバーと称されたアイテム。


最初の投稿から約10時間後に、博物館はAmazonから上記のアイテムが削除されたことを報告しました。

It seems that @amazon has removed all of the "Christmas ornaments" with the images of the former Auschwitz camp. Thank you everyone for your activity and response. https://t.co/VGFnSDMWM9

— Auschwitz Memorial (@AuschwitzMuseum)


その後、Amazon広報も正式に問題の製品が削除されたことを発表し、「全ての売り手は販売ガイドラインに従わねばならず、従わなかった売り手はアカウント削除を含む処置の対象となります」と述べました。なお、アウシュヴィッツ強制収容所の写真が使われた製品が販売された期間などについて、Amazonは公開していません。

しかし、Amazonで販売されているのは、上記のアイテムだけにとどまりません。強制収容所へと続く線路の写真がオーナメントに使われていたり……

Sadly, it is not over yet @amazon. The "Massacre Auschwitcz (!) Birkenau Jewish Death" mousepad is another disturbing online product. We are not sure if @yadvashem would like the "Christmas ornament" with a freight car used for deporting Jews for extermination either. https://t.co/qDEEzqzwSU pic.twitter.com/wXExhFZPmV

— Auschwitz Memorial (@AuschwitzMuseum)


ナチス政権が強制収容所のスローガンとして掲げた「働けば自由になる」を製品名に含むバスタオルなどの存在も報告されています。

The story continuous. We start getting an impression that people took upon themselves the job that someone at @amazon should be doing: verifying the products that are uploaded there. Here is an "Arbeit macht frei" bath-beach-pool-gym towel. https://t.co/VD4uXikjpl https://t.co/DF4rChxIiV pic.twitter.com/NS9kROWIFp

— Auschwitz Memorial (@AuschwitzMuseum)


Amazonが不適切なアイテムを販売したのは、これが初めてではありません。2018年にはオルタナ右翼画像が印刷された子ども服や、ナチスがテーマのアクションフィギュア、反ユダヤ主義の本やCDなどがAmazon上で販売されていることを非営利団体が報告しました。このとき、ヘイトを禁ずるAmazonのポリシーが力を持たず不十分であるために、ヘイトグループの活動資金を作り出していると批判されています。問題が指摘された数週間後には議員からの圧力もあり、サードパーティーがAmazon上でナチスや白人至上主義の象徴を持つ製品を販売することは禁じられました。

Amazonの元従業員でeコマースのコンサルタントとして働くクリス・マッケイブ氏によると、Amazonではアルゴリズムがウェブサイトを巡回して「ポリシーを侵害している可能性のあるアイテム」を見つけ出し、人間の作業員が該当アイテムについて「削除すべきか否か」の判断を下すというアプローチが取られています。膨大なアイテムがこのような仕組みで評価されることから、商品掲載前に判断を下すことや、一般人が気づく前にAmazon側が商品を削除するといった作業ができないとのこと。マッケイブ氏は今回問題となったアイテムについて、「技術的なエラーではないと思います。フラグは立てられたのでしょうが、人間によって適時に評価が行われなかったのでしょう」とみています。

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in ネットサービス, Posted by darkhorse_log

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