ネットサービス

「Amazonドライバーは忙しすぎてペットボトルにおしっこしている」問題をAmazon公式が否定、直後に証拠が大量に公開される


Amazonの配達ドライバーに課せられるノルマがあまりにも厳しいことを訴えるため、アメリカの国会議員がTwitterで「ドライバーはペットボトルに排尿することを余儀なくされている」とツイートしました。この投稿をAmazonが否定したところ、反論となる証言や文書が続々とインターネット上に公開される事態が発生しています。

Amazon denies stories of workers peeing in bottles, receives a flood of evidence in return - The Verge
https://www.theverge.com/2021/3/25/22350337/amazon-peeing-in-bottles-workers-exploitation-twitter-response-evidence

Documents Show Amazon Is Aware Drivers Pee in Bottles
https://theintercept.com/2021/03/25/amazon-drivers-pee-bottles-union/

Amazon Denies Workers Pee in Bottles. Here Are the Pee Bottles.
https://www.vice.com/en/article/k7amyn/amazon-denies-workers-pee-in-bottles-here-are-the-pee-bottles

アメリカ連邦議会の下院議員であるマーク・ポーカン氏が2021年3月25日に、Amazonにおける労働問題に関する議論の中で「労働組合を潰そうとしたり、労働者に水筒で排尿させたりするようでは、『進歩的な職場』とは言えません」とツイートしました。

Paying workers $15/hr doesn't make you a "progressive workplace" when you union-bust & make workers urinate in water bottles. https://t.co/CnFTtTKA9q

— Rep. Mark Pocan (@repmarkpocan)


ポーカン氏のツイートに対し、Amazonの広報用公式アカウントは即座に反応。「まさか、ペットボトルにおしっこしているだなんて、本気で信じているわけではありませんよね?もしそれが本当なら、誰も私たちのために働いたりしないはずです。実際のところ、全世界で働く100万人以上のAmazonスタッフは、自分たちの仕事に誇りを持ち、勤務の初日から素晴らしい賃金と健康管理を受けています」とツイートして、ポーカン氏の訴えを真っ向から否定しました。

1/2 You don’t really believe the peeing in bottles thing, do you? If that were true, nobody would work for us. The truth is that we have over a million incredible employees around the world who are proud of what they do, and have great wages and health care from day one.

— Amazon News (@amazonnews)


しかし、このAmazonによる配達ドライバーの多忙さを否定するツイートに対して、インターネット上では多数の反論が相次いで投稿されました。ジャーナリストのジェームズ・ブラッドワース氏は、「私はボトルにおしっこが入っているのを見つけたことがあります。信じてください。それは実際に起きていることです」とツイートしています。なおブラッドワース氏は、身分を隠してAmazonの倉庫で働いた実体験をつづった書籍「Hired: Six Months Undercover in Low-Wage Britain」の著者です。

I was the person who found the pee in the bottle. Trust me, it happened. https://t.co/U76UlDRWSO

— James Bloodworth (@J_Bloodworth)


非営利の報道団体・Revealのシニアレポーターであるウィル・エバンズ氏は「おしっこもできないという事態は、Amazonでは実際にあることです」と述べました。2019年にRevealに掲載されたエバンズ氏の記事には、「ノルマがきつすぎてトイレに行けなかった結果、尿路感染症にかかってしまった」という労働者の証言が寄せられています。

Peeing at Amazon - or not being able to - is an actual thing. Here's what workers told me. https://t.co/D0lp4pdQ5D https://t.co/eqFiS8WZbG pic.twitter.com/RVLOYezGvE

— Will Evans (@willCIR)


また、Amazonの配達ドライバー向けのRedditコミュニティ「r/AmazonDSPDrivers」には、Amazonの荷物に黄色い液体が入ったボトルがまぎれている写真や……

I've found piss bottles from other drivers, but now from the warehouse too... from r/AmazonDSPDrivers


ドライバーが空のボトルを準備している写真などが多数投稿されていました。

I've been saving my vitaminwater to repurpose as piss bottles. I can't wait until next week... I'll be on vacation then starting a new job. from r/AmazonDSPDrivers


さらに、海外メディアのThe Interceptは、Amazonの従業員が匿名でリークした「従業員による規則違反」に関する(PDFファイル)文書を公開しました。「List of Violations and Defects(違反行為と欠陥の一覧)」と銘打たれた項目には、「公共での排尿および排便」という文言が記載されています。


この文書について、The Interceptは「Amazonの従業員の証言からは、Amazonではノルマ達成のためにペットボトルに排尿するという慣行が広く行われており、上層部もこのことを把握していることがうかがえます」と述べて、従業員がペットボトルに排尿しているという訴えを否定したAmazonのツイートは、実態とは異なることを指摘しました。

イギリスの日刊紙The Mirrorによると、Amazonのドライバーには1日に200個もの商品配達ノルマが課されているとのこと。この問題を取り上げたThe Mirrorの報道は、以下の記事から見ることができます。

Amazonドライバーは激務のため「ペットボトルの中におしっこ」を強いられている - GIGAZINE

この記事のタイトルとURLをコピーする

・関連記事
Amazonがドライバーを車載カメラで監視&生体認証データへのアクセス許可を義務づける - GIGAZINE

Amazonは配送車にAI搭載カメラを設置してドライバーを24時間監視し始めている - GIGAZINE

約65億円でAmazonが物流ドライバーのチップを「ピンハネ」していた一件について和解 - GIGAZINE

Amazonの下請け配送業者が「配送拠点の近くの木に携帯電話をぶら下げる」理由とは? - GIGAZINE

in ネットサービス, Posted by log1l_ks

You can read the machine translated English article here.