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Amazonに存在する「Twitter部隊」の隊員は「ユーモアのセンス」で選ばれている


2021年3月、アメリカの国会議員が「Amazonのドライバーはペットボトルに排尿することを余儀なくされている」とツイートしたことを皮切りに、Amazonには多数の非難が寄せられましたが、同時にAmazonを擁護する声も多数上がりました。こうした擁護の中にはAmazonの「Twitter部隊」の暗躍があるとして、アメリカのIT系ニュースメディアThe InterceptがTwitter部隊の内部文書を公開しています。

Document: Amazon Twitter Army Handpicked for “Sense of Humor”
https://theintercept.com/2021/03/30/amazon-twitter-ambassadors-jeff-bezos-bernie-sanders/

2021年3月25日、アメリカ連邦議会のマーク・ポカーン下院議員がAmazonにおける労働問題について、「労働者に水筒で排尿させている」と発言し、これにAmazonの公式広報用アカウントが「まさか、ペットボトルにおしっこしているだなんて、本気で信じているわけではありませんよね?」と返答。この一件は大きな注目を集め、Amazon側には元従業員からの反論が殺到しました。

「Amazonドライバーは忙しすぎてペットボトルにおしっこしている」問題をAmazon公式が否定、直後に証拠が大量に公開される - GIGAZINE


この問題の直後、The InterceptはAmazon従業員が匿名でリークした「従業員による規則違反」という(PDFファイル)内部文書を公開。Amazonによって定められた違反行為の中に、「公共での排尿および排便」という項目が存在していることを示し、「Amazonは従業員が公共の場で排尿・排便することを認識していた」ことを明らかにしました。

そんなThe Interceptが新たに報じたのは、AmazonのTwitter部隊「Veritas(ラテン語で真理の意)」の存在です。労働者の排尿問題に関し、Amazonには厳しい非難が集まりましたが、同時に擁護の声も上がっていました。しかし、こうした声の一部は「Veritasによるもの」というのがThe Interceptの主張です。

My FC lets me to take (2) 20min breaks and (1) 30min lunch. On overtime days, we get three 20min breaks, which is also pretty nice as well. Before the pandemic, our breaks used to be only 15min. The overall 10min increase is ???? . Being an essential worker is dignifying for me ????

— Gary at OAK4 ???? (@AmazonFCGary)

Although the facility is big, there are numerous bathrooms to use. My building has 12. Each bathroom can have 3-6???? Thats plenty. Plus with 20-30 mn breaks that's more than enough time,

— Yola at OAK4 ???? (@AmazonFCYola)


The Interceptが公開した文書によると、Veritasは「Amazonのフルフィルメントセンター(物流拠点)における労働条件の質に関するソーシャルメディアやオンラインフォーラム上での憶測や誤った主張に対処するための、在職中のフルフィルメントセンター従業員で構成されたソーシャルチーム」とのこと。Veritasのメンバーは、「フルフィルメントセンター(FC)アンバサダー」と呼ばれており、「フルフィルメントセンターに関するあらゆるウソに丁寧かつ率直に対応する権限が与えられる」と明記されています。以下がVeritas文書の全文です。

Amazon Ambassador program - DocumentCloud
https://www.documentcloud.org/documents/20533967


Amazonは2018年の時点でTwitter部隊が存在することを認めていました。しかし、新たに公開された文書によると、FCアンバサダーは「ユーモアのセンス」によって選ばれるということや、Twitterのアカウント名は「@AmazonFC」から始まらなければならないということ、ヘッダー画像にAmazonのロゴが使用されなければならないということが規定されていたことが明らかになっています。なお、ユーザー名に絵文字を含めるというのは、FCアンバサダー個人の裁量で行うことが可能でした。


Amazonの広報担当者であるケリー・ナンテル氏はThe Interceptに対し、「FCアンバサダーはフルフィルメントセンターで働き、個人的な経験を共有することを選択した従業員です。FCアンバサダープログラムは、当社が提供する一般向けのツアーと合わせて、フルフィルメントセンター内の実際の様子を示すのに貢献しています」とコメント。これに対し、The Interceptは「Veritas文書は、FCアンバサダーが非常に情熱的な社員であり、Amazon労働者の代表的なサンプルとはとてもいえないということも示しています。きっと、まだペットボトルにおしっこするというのを経験したことがない新入社員なのでしょう」と返しています。

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in ネットサービス, Posted by darkhorse_log

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