Appleが「プライバシー上の懸念あり」としてSafariへの一部ウェブAPIの実装を拒否
by iphonedigital
IT系ニュースメディアのZDNetが、Appleが16種類のウェブAPIのSafariへの実装を拒否したと報じています。Appleは拒否した理由について「プライバシー上の懸念があるため」と説明しています。
Apple declined to implement 16 Web APIs in Safari due to privacy concerns | ZDNet
https://www.zdnet.com/article/apple-declined-to-implement-16-web-apis-in-safari-due-to-privacy-concerns/
ZDNetによると、AppleがSafariへの実装を拒否したウェブAPIは以下の通り。
・Web Bluetooth
・Web MIDI API
・Magnetometer API
・Web NFC
・Navigator API: deviceMemory
・NetworkInformation API
・Battery Status API
・Web Bluetooth Scanning
・AmbientLightSensor API
・EME Extension: HDCP Policy Check
・Proximity API
・WebHID API
・Serial API
・WebUSB
・Idle Detection
Appleは、「上記16種類のウェブAPIによって、オンライン広告主とデータ分析会社がユーザーとそのデバイスを識別して追跡するデバイスフィンガープリンティングが可能になる」と主張し、すでに実装されているウェブAPIについてもすでに対策を行っていることを明らかにしました。
デバイスフィンガープリンティングは、サードパーティーCookieに取って代わるユーザーの追跡手段で、ターゲティング広告にも利用可能。かねてよりAppleは、「プライバシーの観点からユーザー追跡やターゲティング広告を排除するべき」という方針を打ち出しており、Appleは2019年8月にWebKit Tracking Prevention Policyを発表し、デバイスフィンガープリンティングを含めるユーザー追跡を徹底的に制限する姿勢をみせました。
Appleは間もなくオンライン上のトラッキングをセキュリティ上の脆弱性と同様に扱うようになる - GIGAZINE
また、Apple製のウェブブラウザであるSafariは一般的なブラウザとして初めてサードパーティーCookieの完全ブロックを行ったことで話題となりました。
AppleのSafariがサードパーティーCookieを完全にブロック、一般的なブラウザでは初 - GIGAZINE
一部のウェブAPIを制限したことについて、Appleは「WebKitのデバイスフィンガープリンティング対策は、指紋認証を強化し、ユーザーを安全な方法で保護しないウェブAPIを実装しないことです」と述べました。
・関連記事
Appleの反トラッキング機能が広告の世界を揺さぶっている - GIGAZINE
「Safari 14からGoogleアナリティクスが完全にブロックされる」疑惑を専門家が否定 - GIGAZINE
Apple製ウェブブラウザ「Safari 14」の新機能まとめ、拡張機能の強化やFace IDによる生体認証など - GIGAZINE
AppleのSafariがサードパーティーCookieを完全にブロック、一般的なブラウザでは初 - GIGAZINE
GoogleはChromeでユーザーエージェント文字列を段階的に廃止する方針 - GIGAZINE
・関連コンテンツ