「地球が存在する銀河系には少なくとも36種類の知的生命体が存在する」という主張
ノッティンガム大学のクリストファー・コンセリス教授とトム・ウェズビー教授が、人間が地球誕生から46億年以上かかったことを念頭に、ドレイクの方程式を用いて「地球が存在する天の川銀河系には人類と通信可能な地球外知的生命体は36種類存在する」と主張する論文を発表しました。
The Astrobiological Copernican Weak and Strong Limits for Intelligent Life - IOPscience
https://iopscience.iop.org/article/10.3847/1538-4357/ab8225
Scientists say most likely number of contactable alien civilisations is 36 | Science | The Guardian
https://www.theguardian.com/science/2020/jun/15/scientists-say-most-likely-number-of-contactable-alien-civilisations-is-36
Are there really 36 alien civilizations out there? Well, maybe. | Live Science
https://www.livescience.com/how-many-alien-civilizations-exist.html
ドレイクの方程式は、1961年にアメリカの天文学者であるフランク・ドレイク氏が考えた、銀河系に存在して人類とコンタクトする可能性のある地球外文明の数を推定する式で、人類とコンタクトしうる地球外文明の数Nを以下の式で算出します。
N=R*×fp×ne×fl×fi×fc×L
R*:人類がいる銀河系の中で1年間に誕生する恒星の数
fp:1つの恒星が惑星系を持つ確率
ne:ひとつの恒星系が抱える、生命が存在できる惑星の平均数
fl:生命が存在できる惑星で生命が誕生する確率
fi:誕生した生命が知的生命体に発達する確率
fc:知的生命体が他の星とコンタクトがとれるようになる確率
L:知的生命体が他の星とコンタクトできる状態を維持できる期間
R*やfpといった変数にどういう数字を代入するかは人によって大きく異なります。そのため、人によって方程式の答えは0から数十億までさまざま。コンセリス教授は「この方程式は科学的な数式というよりは、『人類とコンタクトしうる地球外文明はどれだけ存在するのか』という疑問を考えるためのツールのようなものです」と述べました。
地球が存在する銀河の年齢はおよそ140億年といわれており、その97%以上が地球と同様、あるいは地球よりも古い星で構成されているといわれています。そして、その97%の星々のうちおよそ3分の1は惑星系を持つことができると考えられるとのこと。
また、各確率についてはコペルニクスの原理の「現実の標本は確率最大のものが実現した」という仮定のもとで算出しているとのこと。コンセリス教授とウェズビー教授は、地球と同様に星が生まれてから45億年~55億年の間に知的生命体が形成される場合を想定した時、地球が存在する銀河系には4~211の文明が存在すると主張しました。
さらに人類が電波を利用している期間が「およそ100年」と踏まえた場合、存在しうる知的生命体の中で人類とコンタクトがとれるものは36種類存在している可能性が高いとのこと。
コンセリス教授とウェズビー教授は、地球から最も近い知的生命体は1万7000光年先に存在していると主張し、人類がそういった知的生命体と双方向通信を行えるようになるためには、少なくともさらに6120年は文明を持続させる必要があると述べています。コンセリス教授は「人類とコンタクトがとれる知的生命体の外見は地球上の生き物と類似していると信じています。私たちが知的生命体の姿を見ることで大きなショックを受けることはないでしょう」と述べました。
また、コンセリス教授は「この研究は非常に重要でエキサイティングだと思います。なぜなら、私たちは初めて、潜在的に接触し、宇宙に他の生命体が存在することを発見することができる、活発で知的で意思の疎通が可能な文明の数を実際に見積もることができたからです」と語りました。
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