2019年07月06日 22時00分サイエンス

「宇宙人がコンタクトしてきたらどうするべきか？」問題について過去最大規模の世論調査が実施中

by Simon 'Brien

英国SETI研究ネットワークが、地球外生命体への対応に関する国際的な協定を策定するプロジェクト「A Message from Afar」を開始しました。このプロジェクトでは「宇宙人がコンタクトしてきた場合の対応方法」についてインターネット上で広く意見を募っており、イギリスの新聞社The Guardianの報道によると、公的機関が実施する同様の調査としては過去最大規模の世論調査だということです。

From Afar
https://www.fromafar.world/

How should we respond to alien contact? Scientists ask the public | Science | The Guardian
https://www.theguardian.com/science/2019/jul/01/do-you-think-that-there-is-alien-life-beyond-earth-first-contact

セント・アンドルーズ大学の物理・天文学部長を務めるマーチン・ドミニク氏は今回の調査目的について「地球外文明からの通信にどう対応するかについては、いまだ国際法による取り決めがありません。そこで、我々は多くの人々の意見を聞きたいと考えました」と述べています。

また、リーズ・ベケット大学で知性について研究するジョン・エリオット博士は、The Guardianの取材に対し「地球外知的生命体探査を行う国際SETIコミュニティはすぐにでも異星人のシグナルについて発表できることでしょう」と回答。その一方で「ソーシャルメディアの時代ともいえる今日では、フェイクニュースや陰謀論が社会にあふれているため、このままでは混乱をもたらすだけでしょう」とも語っており、異星人に関するニュースが社会に与える影響についての調査が急務だとの考えを示しました。

「A Message from Afar」での世論調査は、2019年7月1日からロンドンで開催されている「王立協会夏の科学展2019」の会場で実施されているほか、公式サイトにアクセスすることでインターネットからでも回答が可能。主な設問はこんな感じ。

Q1：展覧会「A Message from Afar」に参加しましたか？

Q2：地球外知性を探すことには価値があると思いますか？

Q3：地球外生命体は存在すると思いますか？

Q3-2：どんな形態だと思いますか？(Q3に「はい」と回答した場合)
・単純(バクテリアなど)
・知的(人間やイルカなど)
・人間よりもはるかに高度

Q4：地球外生命体が存在するかどうかを知りたいですか？

Q5：もし地球外の知性からのシグナルが発見されたら、あなたは……
・あまり気にしない
・ニュースを見る
・このトピックに関してソーシャルメディアでコメントしたり拡散したりする

Q6：Q5についてどう感じますか？

Q7：信頼できる情報源はなんだと思いますか？(複数回答可能)
・主要なテレビニュース
・専門的な科学者からの直接的な引用
・政府の公式発表
・その他すべての情報源

Q7-2：どんなコメントをしますか？(Q5で一番下の回答をした場合)
・科学的証拠に限定したコメントをする
・多分憶測に基づいたコメントもしてしまう

Q7-3：シグナルを解読したというニュースがない場合、あなたの憶測に基づいたコメントは拍車がかかってしまいますか？(Q7-2で下の回答をした場合)

Q8：地球外知性からのシグナルではなく、単純な生命体が発見されたとしたら、あなたは……
・つまらないと思う
・地球外知性からのシグナルと同じくらい興味深い
・むしろもっと興味深いかも

Q9：メッセージを受け取る前に、こちらから宇宙にメッセージを送るべきだと考える人もいます。あなたはどう思いますか？
・賛成できません。宇宙にメッセージを送るのは禁止されるべき
・メッセージの送信者や内容についての規則や法律が必要です
・メッセージを送りたい人は自由に送ってもいいと思う