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サイエンス

広い宇宙といえども知的生命体は人類だけかもしれないとの説


広大な宇宙のどこかには知的生命体が存在していると信じる人は多く、それはある種の定説にもなっています。しかし、新しい研究では「宇宙には人類以外に知的生命体は存在しない」可能性が十分あると指摘されています。

Dissolving the Fermi Paradox
(PDFファイル)https://arxiv.org/pdf/1806.02404.pdf

New model predicts that we’re probably the only advanced civilization in the observable universe — Universal-Sci
https://www.universal-sci.com/headlines/2018/6/22/new-model-predicts-that-were-probably-the-only-advanced-civilization-in-the-observable-universe

「地球外知的生命体は存在するのか?」というテーマを探求するときに、1960年代に天文学者フランク・ドレイク博士によって考案された「ドレイクの方程式」が取り上げられます。ドレイクの方程式は、宇宙に地球外生命体が分布している数をはじき出す計算式で、「人類のいる銀河系で1年に誕生する恒星の数」×「恒星が惑星系をもつ確率」×「恒星系がもつ、生命が存在し得る状態の惑星の平均数」×「生命が存在する状態下で、実際に生命が発生する確率」×「発生した生命が知的なレベルに進化する確率」×「知的な生命体が星間通信を行う確率」×「技術文明の存続期間」で表されます。


ドレイクの方程式を使って各パラメータに科学的な知見からくる予測値を当てはめることで、「銀河系には100種類の知的生命体が存在するはずだ」などという予想が立てられます。想像するのが困難なほどの広大さと時間の長さを持つ「宇宙」規模ならではの議論とも言えます。

しかし、「地球外知的生命体は存在するのか?」を考えるときに、必ず出くわすものには「フェルミのパラドックス」もあります。物理学者のエンリコ・フェルミが問いかけた、「宇宙人(地球外知的生命体)が存在する可能性が高いというのに、なぜ宇宙人に出会わないのだろう?」という素朴な問いを、多くの科学者が説明しようと試みてきました。

これらドレイクの方程式やフェルミのパラドックスについて、オックスフォード大学FHIのアンデルセン・サンドベルグ博士らの著名な研究者3人が「Dissolving the Fermi Paradox(フェルミパラドックスの解消)」という論文を発表しました。3人の研究者は、ドレイクの方程式に遺伝的転移モデルなどの最新の知識を盛り込むことで、各パラメーターの再考を促すという目的で研究を行っています。

「ドレイクの方程式を議論するときに、『このパラメーターは不確実ですが、一応の推測値を使います』というような注釈を見ることは少なくないでしょう。そして、推測に基づいて出された結果が出されます。しかし、この結果は単なる数字としての固定値で示されるだけで、不確かさを含むものとしては表現されません。これが、しばしば誤解をもたらします。さらに悪いことに、ドレイクの方程式は、バイアスに非常に弱いものです。もしも、知的生命体の存在に肯定的な結果を出したい、と思えばいくつかのパラメータの不確実な推測値を操作することで、望む結果を得ることも可能でしょう」とサンドベルグ博士は述べています。


そこで、サンドベルグ博士らは、ドレイクの方程式で出される数値そのものに焦点を当てるのではなく、現在の科学的知識に基づいて得られるパラメータの最大値と最小値を幅を持って考え、それらを無作為に選んで推測値を出すことを試みると、「地球外に知的生命体が存在しない」という結論を導き出すことはあり得ないものではなかったとのこと。パラメータの組み合わせ次第では、「地球以外に知的生命体はいないため、宇宙人と遭遇していない」という結論で、フェルミのパラドックスを解消することも十分可能だというわけです。

もちろん本論文の主眼は「地球外生命体は存在しない」という結論を導くことではありません。知的生命体の探索のためには、まだまだ科学的に洗練すべきことが多く残されており、人類が学び続けなければならないという警鐘を鳴らすものになっています。

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in サイエンス, Posted by logv_to