手のひらサイズで爆速10Gbps&冗長電源まで備える格安ルーター「MikroTik CRS305-1G-4S+IN」レビュー

2018年には「auひかり ホーム10ギガ」が、2020年4月1日からは「フレッツ 光クロス」が提供開始となり、10Gbpsの回線サービスが徐々に家庭に浸透し始めました。しかし、10Gbpsの通信に対応したネットワーク機器の選択肢はまだ少なく、かつ高価であることも事実。MikroTik製ルーター「CRS305-1G-4S+IN」は、手頃な価格でSFP+4ポートによる10Gbps通信に対応しており、L2スイッチとしてもルーターとしても使えるということで、実際に使ってその機能を確かめてみました。
MikroTik Routers and Wireless - Products: CRS305-1G-4S+IN
https://mikrotik.com/product/crs305_1g_4s_in

今回はeurodkでCRS305-1G-4S+INを購入。外箱はこんな感じです。

内容物はCRS305-1G-4S+IN本体、ACアダプター、取扱説明書です。

本体の外観はこんな感じ。金属ケースなので発熱には強そうです。

前面にはPoE対応のギガビットEthernetポートと、10Gbps通信が可能なSFP+ポートが4ポート備わっています。PoEポートは他の機器に給電するポートではなく、他のPoE給電ポートから電力供給を受けることができるポートです。

側面にはリセットボタン、各ポートのステータスを表すLED、表示するステータスをカスタマイズできるLED、電源LEDがあります。

背面には電源ポートが2つあり、冗長構成が可能。アースやケーブルをまとめる留め具もついています。

上部や下部には多数の穴が開けられていて、通気性はよさそう。

長辺145.6mm、幅68.2mmのPixel 3とサイズを比較してみました。CRS305-1G-4S+INはちょうどPixel 3を2つ並べたくらいの大きさ。

CRS305-1G-4S+INと通信するために用意したNICはMellanox製「ConnectX-3 Pro」です。

SFP+ケーブルはMikroTikのものを使用。

SFP+の2ポートにケーブルを差し込み、各ケーブルの反対側はサーバーに取り付けたConnectX-3 Proを接続します。

各サーバーでIPアドレスなどを設定し、2つのサーバーの間にCRS305-1G-4S+INを接続。お互いのサーバーと通信する際は必ずConnectX-3 Proに接続したインターフェースを使うように念のため静的ルーティングして、iPerf3で通信速度を確認すると、ほぼ10Gbpsで通信できていることが確認できました。

CRS305-1G-4S+INの10G対応L2スイッチとしての実力はわかったので、今度はCRS305-1G-4S+INをルーターとして使用すべく、PPPoEによるインターネット接続を試してみます。CRS305-1G-4S+INは、ネットワークにつなぐことでブラウザからさまざまな設定を行うことが可能。デフォルトのIPアドレスは「192.168.88.1/24」なので、まずは設定のためCRS305-1G-4S+INに接続するPCのIPアドレスを変更します。

ブラウザから「192.168.88.1」にアクセスすると、CRS305-1G-4S+INのインターフェースについての画面が表示されました。この画面ではMTUの値や上り、下りの通信速度、1秒当たりパケット転送数などを確認することができます。

ルーターとしての設定を行うため、画面右上の「Quick Set」をクリック。

「Mode」を「Router」にセットし、PPPoE接続のためのIDやパスワード、LAN側で使用するルーターのIPアドレスを入力していきます。なお、「Bridge All LAN Ports」にチェックを入れないと、LAN側で使用するポートそれぞれにIPアドレスを付与しなければならなくなるので注意が必要。

さっそくPCをCRS305-1G-4S+INに接続し、デフォルトゲートウェイをCRS305-1G-4S+INのIPアドレスに設定。WAN側の回線はeo光の10G回線なので、これで高速なインターネットを楽しめるはずです。

Cloudflareのスピードテストを試してみると、下りが524Mbpsと、少し物足りない数字。

Fast.comでも試してみましたが、こちらも760Mbpsと10G回線の力をフルに発揮できていないスピードです。

試しにPCを直接終端装置とつなぎ、PPPoE接続を確立した状態でスピードテストをしてみると、Cloudflareのスピードテストでは1.38Gbpsと、CRS305-1G-4S+INを使用した場合と比較してスピードが向上。

Fast.comでも2.6Gbpsとかなり良好なテスト結果だったので、CRS305-1G-4S+INが律速になっていたことが判明。CRS305-1G-4S+INを10G回線に接続してルーターとして使用する場合は、速度低下を覚悟する必要があるのかもしれません。

CRS305-1G-4S+INはファイアウォールを利用することが可能。ブラウザの設定画面から「IP」をクリックし「Firewall」をクリックするとファイアウォールの設定画面が現れます。新しいルールを追加するには「Add New」をクリック。

ファイアウォールを設定する画面が表示されました。

「IP」メニュー内の「SNMP」では、ネットワーク機器の監視に使用されるSNMPを設定することができます。

「Routing」メニューの中には、BGPやOSPFといったルーティングプロトコルの設定画面が現れました。設定さえすればBGPによるルーティングも可能なようです。

「System」メニューでは、CRS305-1G-4S+IN自体の設定を行うことができます。例えば「LEDs」では、ユーザーが自由に設定できるLEDを使って「SFP+のポートが10G通信を行っていればLEDを点灯させる」といった設定が可能です。

「Password」では、現在設定画面にログインしているユーザーのパスワードを設定することができます。

パスワードを設定すると、ブラウザで設定画面にアクセスする際にユーザー名とパスワードを確認する画面が表示されるようになります。

「Tools」メニューでは、ネットワークをテスト・検証するための機能を使用することができます。例えば「Ping」では、特定のIPアドレスにPingを飛ばすことができます。

CRS305-1G-4S+INは、記事作成時点だとAmazon.co.jpではマーケットプレイスでの取り扱いで、最安値は税込1万4324円でした。
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in レビュー, ハードウェア, Posted by darkhorse_log
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