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10GのSFP+はどれぐらい高速なのか?Wi-Fi 6対応ルーターASUS「RT-AX89X」使ってみた&速度実測レビュー


最大10Gbpsでの高速有線通信に対応したSFP+ポートを搭載し、Wi-Fi 6による高速無線通信にも対応する高性能ルーター「RT-AX89X」が、2021年2月12日にASUSから登場しました。実際にRT-AX89Xを使って、通信速度を計測したり、便利機能を試したりしてみました。

RT-AX89X|Wi-Fi 6製品 |ASUS 日本
https://www.asus.com/jp/Networking-IoT-Servers/WiFi-6/All-series/RT-AX89X/

◆開封
◆スペックの確認
◆実環境での通信速度
◆AiMeshを用いて手軽にメッシュWi-Fiを組んでみる
◆まとめ

◆開封
RT-AX89Xのパッケージはこんな感じ。


フタを開くと、RT-AX89X本体が現れます。


箱の中身はこんな感じ。左から順にRT-AX89X本体・電源アダプター・LANケーブルです。


他に、クイックスタートガイドや保証書も入っていました。


RT-AX89Xには、折りたたみ可能なアンテナが8本搭載されています。


アンテナを全て展開するとこんな感じ。


裏面にはゴムパッドが3つ搭載されており、安定感抜群です。


RT-AX89Xの側面には、数種類のポートやLEDインジケーターが配置されています。LEDインジケーターは、左から順にSFP+・10G・LAN・WAN・5GHz・2.4GHz・電源のオン/オフを示しています。


また、WPSボタン・LEDオン/オフボタン・Wi-Fiオン/オフボタンも搭載されています。


1Gbpsでの通信に対応したLANポートは、8基搭載されています。


左から順にWANポート・10Gbpsでの通信に対応したLANポート・10Gbpsでの通信に対応したSFP+ポート。


他に、USB 3.1 Gen 1 ポートが2基と電源ボタン、電源コネクタも搭載されています。


◆スペックの確認
SFP+での10Gbps通信を試すために、SFP+モジュール「AT-SP10SR」とOM3の光ファイバーケーブルを用意しました。


用意したケーブルを用いてRT-AX89XとPC2台でLANを組みます。この状態で接続したPC同士の通信速度を計測することで、RT-AX89Xを介した有線通信速度を確かめます。なお、PCにはSFP+カード「MCX312B-XCCT」を搭載しています。


iperf」を用いて通信速度を計測した結果はこんな感じ。送信速度:9.42Gbit/sec、受信速度:9.40Gbit/secと、理論値に近い値が記録されました。


次に、Wi-Fiで接続した場合の実際のスペックを確認してみます。Wi-Fi 6に対応した「Let'snote CF-SV9」を用いてac規格で無線LANを組んだところ、送信速度・受信速度共に618Mbit/secと記録されました。


そして、ax規格で無線LANを組んでみると送信速度・受信速度共に786Mbit/secと記録されました。


最後に、オープンソースで開発されているSDRHackRF」を用いて、RT-AX89Xの5GHzでの無線通信を観察してみました。


以下の図は、iperfによる通信を行った際の無線スペクトラムを示しています。波形を観察すると、約5250MHzから約5330MHzまでの約80MHzの無線帯域幅を通信に使用していることが分かります。なお、RT-AX89Xの仕様には、最大帯域幅80MHzと記載されていますが、ASUSに問い合わせたところ、「160MHzへの対応を進めている」という回答を得られたため、将来的にファームウェアアップデートでWi-Fi 6の最大帯域幅である160MHzに対応する可能性があります。


◆実環境での通信速度
RT-AX89Xを実際にインターネットに接続した場合の通信速度を計測してみます。計測環境として、GIGAZINEで契約したeo光の「10ギガコース」を使います。


まずは、終端装置からRT-AX89XのWANポート(最大1Gbps)へ接続し、RT-AX89XとPCをSFP+で接続して通信速度を計測します。


Fast.comでダウンロード速度を計測した結果、最大値の1.0Gbpsが記録されました。


次に、Cloudflareが提供するスピードテストサービス「speed.cloudflare.com」で通信速度を計測した結果はこんな感じ。ダウンロード速度は467Mbpsで、アップロード速度は555Mbpsです。


最後に、「Speedtest.net」で通信速度を計測したところ、ダウンロード速度が920.80Mbpsで、アップロード速度が340.03Mbpsという結果になりました。


今度は、終端装置から10Gbpsに対応したWAN/LANポートへ接続して通信速度を計測してみます。


Fast.comでは、ダウンロード速度が2.6Gbpsと、1Gbpsを超える速度をたたき出しました。


speed.cloudflare.comでの計測結果はダウンロード速度が629Mbpsでアップロード速度が628Mbps。


Speedtest.netで計測結果はダウンロード速度が1312.88Mbpsで、アップロード速度が1361.66Mbpsと、ダウンロード速度・アップロード速度共に1Gbpsを超える値を記録しています。


最後に、終端装置から10Gbpsに対応したWAN/LANポートへ接続し、Let'snote CF-SV9とRT-AX89Xをax規格で接続した時の無線通信速度を計測してみます。Fast.comでのダウンロード速度は590Mbpsと記録されました。


speed.cloudflare.comでの計測結果は、ダウンロード速度が492Mbpsで、アップロードは637Mbps。


Speedtest.netでは、ダウンロード速度が693.15Mbpsでアップロード速度が456.88Mbpsと計測されました。


◆AiMeshを用いて手軽にメッシュWi-Fiを組んでみる
RT-AX89Xには、ネットワーク構築支援機能の「AiMesh」が搭載されています。この機能を用いることで、AiMeshを搭載したルーター同士で手軽にメッシュ Wi-Fiを組むことができます。今回は、AiMeshを用いてRT-AX89Xを親機、RT-AC68Uを子機としてメッシュWi-Fiを構築してみました。

まずは、両ルーターのファームウェアを更新し、子機となるルーター(RT-AC68U)を初期化しておきます。次に、親機となるルーター(RT-AX89X)の管理画面にログインして、「AiMesh ノード」「検索」の順にクリックします。


検索結果に表示されたRT-AC68Uをクリックすると……


確認ダイアログが表示されるので、「適用」をクリック。


自動的にメッシュWi-Fiの構築が始まるので、数分間待ちます。


構築が完了すると、ルーターの設置方法や接続方法が表示されるので「OK」をクリックすれば設定は完了です。


設定が完了すると、管理画面のAiMeshの欄に接続中のルーターが表示されました。


なお、AiMeshではルーター同士の接続を無線から有線に切り替えても自動で認識してくれるので実際に試してみます。まずは、RT-AX89XのLANポートにLANケーブルを接続。


次に、RT-AC68UのWANポートにLANケーブルを接続すれば接続完了です。


接続が完了すると、自動的に有線接続をアップリンクとしたメッシュWi-Fiが構築されます。


◆まとめ
RT-AX89Xを実際に使ってみたところ、数Gbpsでの有線通信を手軽に実現でき、メッシュWi-Fiなどの複雑なネットワークも数クリックで構築可能なルーターでした。また、コンシューマー向けのルーターには珍しくSFP+ポートを搭載しているため、安定したネット接続にこだわる人にオススメです。

RT-AX89Xは記事作成時点では、Amazon.co.jpで4万9280円で入手できます。

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in レビュー,   ハードウェア, Posted by log1o_hf

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