サイエンス

音楽を聴いているとき鑑賞者と演奏者の脳は同期している


脳が音楽に反応していることはこれまでも知られていましたが、新たな研究により、鑑賞者と演奏者の脳が同期していることが示唆されていて、人気のある音楽もどういうものなのかが浮かび上がってきています。

The averaged inter-brain coherence between the audience and a violinist predicts the popularity of violin performance - ScienceDirect
https://doi.org/10.1016/j.neuroimage.2020.116655


Early Research Suggests Our Brains Sync Up With Musicians' During a Performance
https://www.sciencealert.com/the-brains-of-audiences-and-musicians-sync-up-during-a-performance

中国・華東師範大学脳教育イノベーション研究所などの研究チームは、近赤外分光法を用いて、バイオリニストと聴衆との脳の同期が、演奏の人気につながるかどうかを調べました。


まずは、バイオリニストに100秒程度の短い曲を12曲弾いてもらい、その際の脳の動きを分析。続いて、演奏した映像を女性16名に見てもらいながら脳の動きを分析しました。

その結果、バイオリニストと聴衆で脳間コヒーレンスは一致しており、脳の同じ特定部位で、同じような高揚した活動がみられたことが示されました。

また、ある音楽が平均的にどれぐらい好きかということと、聴衆全体との脳間コヒーレンスが左側頭皮質でより強くなることとの間にも、顕著な相関関係がみられ、グレンジャー因果関係が小さければ小さいほど曲の人気が高いことも分かりました。

今回の研究は脳波を詳細に記録していない小規模な研究だとのことですが、「この研究は音楽鑑賞の理解を広げるものです」と研究者らは記し、「これらの知見は、聴衆と演奏者との間の神経同期が、音楽の演奏を肯定的に受け取るための基礎的メカニズムとして機能する可能性があることを示唆しています」とまとめています。

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in サイエンス, Posted by logc_nt

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