メモ

海に落ちたレゴは最長で1300年間も海中に存在し続ける


海洋に投棄されたプラスチックは海を汚染するだけでなく、誤ってプラスチックを食べてしまう海洋生物の健康や、人間の健康にまで影響を与えています。プラスチック製の組み立てブロック玩具として有名なレゴは、海で溶けて消えてなくなるまでに100年から1300年ほどかかるという研究結果が公開されました。

Weathering and persistence of plastic in the marine environment: Lessons from LEGO - ScienceDirect
https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0269749119364152

Study suggests LEGO bricks could survive in ocean for up to 1,300 years
https://phys.org/news/2020-03-lego-bricks-survive-ocean-years.html

A Lego Brick That Falls in The Ocean Could Still Be Found 1,000 Years From Now
https://www.sciencealert.com/those-little-lego-bricks-could-survive-in-the-ocean-for-more-than-1-000-years

あまり知られていませんが、記事作成時点で少なくとも何百万個ものレゴブロックが海中を漂っていることが明らかとなっています。1997年2月13日、ロッテルダムからニューヨークに向かっていたTokio Express号がイギリスのコーンウォール沖合32kmの地点で波に見舞われ横転するという事件が発生。波に呑まれたコンテナ62箱のうちの1箱には、約500万個ものレゴブロックが積まれていました。

コンテナに入っていたレゴは、潜水艦と水生生物に関する「アクアゾーン」シリーズと海賊に関する「パイレーツ」シリーズが大部分を占めていたことから、事故そのものだけでなく、皮肉な巡り合わせにも注目が集まりました。この事故の後、コーンウォールの海岸にはレゴブロックが多数漂着するようになりました。


海からプラスチック廃棄物を回収する取り組みを行っているコーンウォールのボランティア団体「Rame Peninsula Beach Care」のロブ ・アーノルド氏と、海からレゴブロックを回収するボランティア団体「LEGO Lost at Sea Project」のトレーシー・ウィリアムズ氏はイギリスのプリマス大学のアンドリュー・ターナー氏と合同で、コーンウォールの海岸に流れ着いたレゴブロックを回収して科学的に分析し、「海中のレゴブロックはどれくらいの期間で溶けてなくなるのか」についての調査を行いました。

研究チームは回収したレゴブロックを、「元の状態」とそれぞれ比較。以下が実際の比較画像であり、海に流れ着いたレゴブロック(左側)とそのレゴブロックの新品(右側)がペアで並べられています。なお、実際に分析に用いられたレゴブロックは50個とのことですが、以下の画像はその中から14個をピックアップしています。


流れ着いたレゴブロックは、それぞれが摩耗・黄変・破砕・汚損していましたが、驚くほど無傷に近い状態だったとのこと。それぞれのレゴブロックが海で漂う間にどの程度すり減るのかを質量の減少から算出して、「海洋で完全に形がなくなるまでには、100年~1300年かかる」と研究チームは推定しました。


レゴブロックは、ABS樹脂という原料から作られています。ABSは1954年にアメリカのU.S.Rubberが初めて製品化した比較的新しい素材であるため、環境に対する長期的な影響は不明です。しかし、研究チームの分析によると、引き上げられたレゴブロックは一部が破損して断片化しており、マイクロプラスチックとして定義されるサイズまで分解される可能性があるとのこと。研究チームはレゴブロックと透明なペットボトルの分解の度合いを比較することで、レゴブロックとペットボトルの海洋生物に対するリスクは同程度だと見積もっています。

海中にレゴが漂っているのは、Tokio Expressの事故だけが原因ではありません。200万個以上のレゴブロックが「子どもがトイレに流す」ことによって海に流れ着いたと推定されています。ターナー氏は、「不要なレゴブロックは適切に廃棄し、環境に潜在的な問題を引き起こさないようにすることが重要です」とコメントしました。

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in メモ, Posted by darkhorse_log

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