Microsoftが「COVID-19 トラッカー」を公開、新型コロナウイルス感染症の情報を視覚的に入手可能

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は、発生源である武漢から遠く離れたEUなどでも急速に感染が拡大しており、フランス・ベルギー・アメリカのニューヨークなどで外出制限措置が執られています。COVID-19に対する関心の高まりを受け、Microsoftの「Bing」チームが世界各地の感染状況を地図から確認できるウェブポータルサイト「COVID-19 トラッカー」を公開しました。

Bing COVID Tracker
https://www.bing.com/covid

実際に「COVID-19 トラッカー」にアクセスするとこんな感じ。右側の地図上には、感染者数が多い地域が赤い円で表示されています。記事作成時点ではEUでの感染拡大が続いていたため、地図上でもEU付近に赤い円が多数重なって表示されています。

マップ右上の＋／－アイコンから地図の拡大・縮小が可能。渦中のEUをズームしてみた画像が以下。新型コロナウイルスの感染者が3万人を突破したイタリアの赤い円がひときわ大きめ。赤い円にマウスカーソルを重ねると、治療中患者数や回復者数、死亡者数が表示されます。この数値は、アメリカ疾病予防管理センター(CDC)、世界保健機関(WHO)、欧州疾病予防管理センター(ECDC)、そしてWikipediaの情報に基づいているとのこと。

赤い円をクリックすると、左側のカラムが拡張して、合計感染確認者数に加えて「その地域に関連したニュース」が表示されます。記事作成時点でイタリアをクリックして表示されるニュースのトップはGIGAZINEの「新型コロナウイルスの影響でイタリアの大気汚染が激減、そのことが一目でわかるムービーも公開中」という記事でした。NHKが報じた「新型コロナウイルス イタリアで感染者３万人超に」などの記事はニュース欄に表示されておらず、どのようなアルゴリズムで表示するニュースを選択しているかは不明。

ニュースのカラムを下にスクロールすると、その地域に関連したビデオも表示されます。

今度は日本の情報をチェック。日本に赤い円は2つ存在していますが、これは日本の感染者情報と、新型コロナウイルスの集団感染が発覚してから日本に寄港したダイヤモンド・プリンセス号の情報が別々に換算されているため。記事作成時点では、日本の合計感染者数は878人。治療中患者数は686人、回復者数は164人、死亡者数は28人と表示されました。

ニュース欄はこんな感じで、一番上に表示されているニュースは2週間前のものというだけでなく、またしてもGIGAZINEの「新型コロナウイルスの影響でイタリアの大気汚染が激減、そのことが一目でわかるムービーも公開中」という記事が表示されています。この記事は新型コロナウイルスがイタリアの大気汚染に与えた影響を論じたもので、日本とは一切関係がありません。そして、NHKなどの日本の大手報道各社の報道や厚生労働省などの発表はニュース欄に表示されませんでした。

「COVID-19 トラッカー」について、IT系ニュースサイトのThe Vergeは、「1時間ごとに情報が更新されているものの、表示されるニュースは新型コロナウイルスのパンデミックの状況を理解するのにタイムリーであるとも有用であるともいえない」と報じています。

新型コロナウイルス感染症を視覚的に理解できるウェブサイトは、他にもジョンズ・ホプキンズ大学のシステム科学工学センター(CSSE)が作成した「Coronavirus 2020-nCoV」や……

感染拡大する新型コロナウイルスの勢いが一目でわかるマップ「Coronavirus 2020-nCoV」 - GIGAZINE
https://gigazine.net/news/20200127-coronavirus-2020-ncov-map/

オランダの国際的通信社BNO Newsの「BNO Noticias Coronavirus tracker」が公開されています。

新型コロナウイルスの流行状況が一目でわかるマップ「BNO Noticias Coronavirus tracker」 - GIGAZINE