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「自分に共感してくれる親しい人」が秘めるダークサイドとは?

by Enrique Meseguer

職場や学校で誰かと口論やけんかをしてしまった時に、パートナーや家族などの親しい人に相談したことがある人は多いはず。信頼する相談相手が共感を示して味方についてくれると心強いものですが、そうした反応には負の側面があると指摘されています。

The dark side of supportive relationships
https://theconversation.com/the-dark-side-of-supportive-relationships-128591

アメリカのメリーランド大学で心理学について研究しているエドワード・ルメイ氏らの研究グループは、「人が対立関係について親しい人に打ち明けた場合の人間関係」について論じた7つの文献や実験結果を精査し、対立関係を打ち明けられた親しい人の反応が、その後の人間関係に及ぼす影響を検証しました。


横断的な検証の結果、「同情的で思いやりのあるパートナーは、相談者と対立している『敵』を非難し、『敵』に否定的な意見に同調しやすい」ということが判明。これにより、「共感を示してくれるパートナーを持っている人」の方が、「冷静になるよう諭したり、『敵』の肩を持ったりするパートナー」を持つ人より幸せを感じる可能性が高いということが分かりました。

ルメイ氏らはさらに、パートナーのリアクションが相談者の人間関係に重大な影響を与えることも突き止めています。たとえば、パートナーに対立関係を相談した後に「敵」との関係を避けるようになった人は、パートナーが共感を示さなかった場合では19%だったのに対し、パートナーが共感した場合では56%と、大きな差が生じました。

ルメイ氏はこの結果について「共感的なパートナーを持つ人は、対立する相手を不道徳な悪人だと思い込み、和解に関心を持たなくなってしまいます。これは、対立関係の悪化を助長するばかりか、最悪の場合人間関係の断絶を招きます」と指摘しました。

by Vera Arsic

また、パートナーからの共感は、人が持つ敵意を増長させてしまうことも明らかになっています。人間関係についてのアンケートに対し、「『敵』を傷つけ、惨めな思いをさせたい」と回答した人は、パートナーが共感を示さなかった場合は6%でしたが、共感を示した場合は20%もいました。また、「『敵』の存在を無視している」と回答した人も、パートナーの共感がなかった場合では15%なのに対し、共感があった場合では41%にも上りました。

ルメイ氏はこうした結果について「感情的に満足させてくれる反応は、人がいさかいを解決する妨げとなります。これにより、怒りや憎悪の感情がエスカレートし、時間を追うごとにますます関係がこじれてしまいます」と結論付けました。

さらに、誰かから対立関係について打ち明けられた人に対しては「最初は共感を示して感情を発散させることが必要な場合もありますが、長い目で見て親しい人を支えたいのであれば、後で当事者とは異なる観点から見た、客観的な助言を与えるべきです。真実は人を傷つけますが、時には厳しくいさめてくれるパートナーこそが大切になることもあります」とアドバイスしました。

by Free-Photos

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in メモ, Posted by log1l_ks

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