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Facebookが「政治広告を掲載し続ける」方針を発表

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Facebookが2019年1月9日に、「ユーザーが政治広告をコントロールしやすくするツールを提供する」と発表しました。しかし、政治広告の在り方についての方針には手を付けなかったことから、Facebookに対し非難が集中する事態となっています。

Expanded Transparency and More Controls for Political Ads - About Facebook
https://about.fb.com/news/2020/01/political-ads/

Facebook to Keep Targeted Political Ads but Give Users More Control - WSJ
https://www.wsj.com/articles/facebook-to-keep-targeted-political-ads-but-will-give-users-more-control-11578567603

Facebook Says It Won’t Back Down From Allowing Lies in Political Ads - The New York Times
https://www.nytimes.com/2020/01/09/technology/facebook-political-ads-lies.html

Misleading political ads are the user’s problem to avoid, Facebook says | Ars Technica
https://arstechnica.com/tech-policy/2020/01/misleading-political-ads-are-the-users-problem-to-avoid-facebook-says/

2020年11月には次期アメリカ合衆国大統領選挙が予定されていますが、2016年に実施された前回の大統領選では、SNS上での政治広告が大きな役割を担いました。また、ドナルド・トランプ陣営のサポートを行ったケンブリッジ・アナリティカは、大統領選挙で使用するための政治広告ターゲッティング技術をFacebookのデータを不正利用して開発したと伝えられており、ここから世界中で個人情報の利用やプライバシーを見直す動きが加速することとなりました。

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こうした反省を踏まえて、2019年10月にはTwitterが「政治的な広告の全面禁止」を発表し、11月にはGoogleが「政治広告の大幅な規制強化」を打ち出すなど、インターネット業界では政治広告を自粛する動きが加速しています。そんな中、Facebookの製品管理ディレクターであるロブ・レザーン氏は公式ブログの中で「『広告ライブラリ』をアップデートして、ユーザーに提供する透明性を高め、ユーザが広告をより詳細に制御できるようにします」と発表しました。

Facebookが2018年5月に公開した「広告ライブラリ」とは、FacebookやInstagramで掲載されている広告を検索可能なサービスで、ターゲット層以外には表示されない広告を含めた「Facebookで現在表示されている広告」を見ることが可能なプラットフォームです。


Facebookは今後、「広告ライブラリ」を拡充して、検索機能やフィルタリングの使い勝手を向上させるほか、広告のターゲット設定オプションであるカスタムオーディエンスをユーザーが制御できるようにする方針だとのこと。また、ユーザーがFacebookやInstagramに表示される政治・社会問題に関する広告を減らすオプションの追加も予定しているとしています。

レザーン氏は「政治広告に対するFacebookのスタンスは、多くの批判や議論を巻き起こした問題であると認識しています。私たちは、そうした声に耳を傾けないわけではないので、選挙の公平性を保護する取り組みを続けるべく、今後とも規制当局や政策立案者との協力を続けます」と述べて、ユーザーに対し理解を求めました。


しかし、Twitterが政治広告を全面的に禁止したのに対し、単に「ユーザーが政治広告を減らす設定をすることができる」のみにとどまるFacebookの対応には、不満の声が挙がっています。

次期大統領選挙に向けて、民主党候補指名争いに名乗りをあげているエリザベス・ウォーレン上院議員はTwitterで「Facebookは自身に好意的なフェイクニュースに対価を支払っているので、政治家にウソをつかせ続けるとの決意を見せたとしても、驚くには値しません」と厳しく非難しました。


同じく民主党候補指名を目指すジョー・バイデン前副大統領も、「Facebookは引き続き、利益のために真実を売るつもりです」と述べています。


また、報道各社からも反発が相次いでいます。ウォール・ストリート・ジャーナルはFacebookの発表を受けて「政治的キャンペーンが有権者に届くことを、企業が妨げるべきではないというFacebookの姿勢は、2020年の選挙を念頭に置いた他のハイテク企業のアプローチに逆行するものです」と指摘。ニューヨーク・タイムズも同様に、「Facebookは、政治広告に新たな制限を設け始めた他の大手テクノロジー企業とは対立するスタンスを打ち出しました」と述べて、Facebookの施策は他社の政治広告対策に比べて見劣りしているとの見方を示しました。

トランプ大統領の再選キャンペーンでディレクターを務めるTim Murtaugh氏はニューヨーク・タイムズの取材に対し、「Facebookの取り組みは、有権者への抑圧につながるTwitterやGoogleよりはるかに優れています」と回答し、Facebookの方針を歓迎する姿勢を明らかにしました。

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