生き物

水深800メートルでうごめく「巨大イカのムービー」がまるでホラー映画のよう


メキシコ湾の水深759mで、巨大なダイオウイカが10本の足を広げるその瞬間が撮影されました。生きた巨大イカがアメリカの海中で撮影されたのはこれが初めてとのことですが、その映像はホラー映画さながらとなっています。

Journey into Midnight: Light and Life Below the Twilight Zone: Mission Logs: June 20: NOAA Office of Ocean Exploration and Research
https://oceanexplorer.noaa.gov/explorations/19biolum/logs/jun20/jun20.html

Haunting Video Shows a Giant Squid Emerge From The Darkness in The Gulf of Mexico
https://www.sciencealert.com/haunting-video-shows-a-giant-squid-emerge-from-the-darkness-in-the-gulf-of-mexico

巨大イカを捉えた映像は以下から見ることが可能です。


カメラが写しだしているのは、ダイオウイカをおびき寄せるためのワナ。


すう……っと触手が伸びてきたと思うと……


触手がワナに絡み出します。


その様子はさながらエイリアンが標的を襲うかのよう。


ワナに興味を失うと、ダイオウイカは再び闇の中に消えていきました。


映像を撮影したのはアメリカ海洋大気庁(NOAA)が出資する探査を行う研究者たち。研究者たちは、光の遮断が生物にどのような影響を及ぼすのかを水深1000mの暗闇で調査していました。

自然の中で生きたダイオウイカを撮影するのは非常に難しく、2012年に日本の沖でWidder氏らのチームが撮影するまで、生きた姿が映像で確認されたことはありませんでした。2012年に撮影された映像は以下から確認できます。

NEW EXPEDITION FOOTAGE of Live Giant Squid (2013) The Monster is Real in HD - YouTube


2004年には日本の研究者が写真の撮影に成功していましたが、多くの場合、ダイオウイカは死んだあとに浜に打ち上げられたり、クジラの腹の中から取り出されたりといった状態でした。

Operation Calamari: How the Smithsonian Got Its Giant Squids | At the Smithsonian | Smithsonian Magazine
https://www.smithsonianmag.com/smithsonian-institution/operation-calamari-how-smithsonian-got-its-giant-squids-180969422/


巨大さやエイリアンのような見た目、その捉えどころのなさから、ダイオウイカは海洋生物の中でも伝説的な位置付けとなっています。ジュール・ヴェルヌの「海底二万哩」といったフィクションに登場する怪物「クラーケン」も、このようなダイオウイカのイメージからきています。

調査を行っていたエディス・ウィダー氏によると、ダイオウイカの映像を世に公開するまでには、23人のクルーが特殊な探査を行い、コンピューターを搭載する探査船を襲った落雷に耐え、何時間もかけて映像を確認しなければならなかったとのこと。探査のため、海洋生物が検知できない赤い光を利用する「メデューサ」というカメラシステムが開発され、このカメラをクラゲのように偽装してイカをおびき寄せたとウィダー氏は述べています。


そして2週間におよぶ探査の最終日目前に、ダイオウイカの映像が撮影されたとのことです。

クルーの1人であるナザン・ロビンソン氏がダイオウイカを見つけた瞬間について、ウィダー氏は「目が頭から飛び出そうになっていました。彼は何も言いませんでしたが、私はすぐに、何か驚くべきものが映像に映っていることを察しました」と語っています。なお、研究者は、ダイオウイカのサイズを3~3.7mと推定しています。

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in サイエンス,   生き物,   動画, Posted by darkhorse_log

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