生き物

めったに見られない深海を泳ぐマッコウクジラの撮影に成功


世界最大級の生物であるマッコウクジラのオスは群れを作ることがなく、生涯のほとんどを光の届かない深海の中で孤独に過ごします。そんなマッコウクジラは90分間の潜水が可能であり、その移動範囲は水深2000メートルにまで及ぶため、深海を泳ぐオスのマッコウクジラを目撃するのは非常に難しいことです。しかし、ナショナル・ジオグラフィックの海洋探検チームが、水深600メートルの深海でオスのマッコウクジラが泳ぐ姿を撮影することに成功しました。

Rare Video Captures Sperm Whale in Deep Sea
http://news.nationalgeographic.com/2015/04/150415-sperm-whale-deep-sea-video-rov-gulf-mexico-nautilus-ballard-science/

水深600メートルの深海で巨大なマッコウクジラが泳ぐ様子は、以下のムービーから見ることができます。

Rare Sperm Whale Encounter with ROV | Nautilus Live - YouTube


ナショナル・ジオグラフィックは世界最高の探検家や科学者を支援する「Explorers-in-Residence Program」というプロジェクトを行っています。そのプロジェクトの一環として、深海探検家のロバート・バラード氏らが海洋探査船E/V Nautilusに乗ってフィールドワークを行っていたところ、海面に現れたマッコウクジラが息継ぎの後に深海へ潜水する場面を目撃。急きょ船に積んでいた遠隔探査機「Hercules」を海中へ投下したとのこと。しかしマッコウクジラは急速な潜水が可能なため、船上から見た個体を深海で見つけ出すのは不可能と思われていたのですが……


何かがカメラに映り込み、「オーマイガー!何か映ったぞ!」と、モニター越しに騒然となる研究員たち。


そこでカメラを切り替えたところ、ぼんやりと遠隔探査機の前を通り過ぎる一頭のマッコウクジラが映っているのがわかります。


再びアングルを切り替えると、遠隔探査機の間近を悠然と泳ぐマッコウクジラの姿。思わず「ワーオ……!」と息を飲む研究員一同。


マッコウクジラは遠隔探査機に「ゴツっ」とかすってしまうなど、おちゃめな一面も見せてくれました。


光る探査船に興味を示しているのか、何度も近づいてきては様子を確認するマッコウクジラ。


マッコウクジラは1日に約1トンものイカや深海魚を捕食します。標準的なオスのマッコウクジラの体長は16~18メートルに達するとのことで、間近で見るとまるで一隻の巨大な潜水艦が通り過ぎているように感じられるほど。


気が済むまで探査船を確認したマッコウクジラは、また暗く広大な深海へと旅立っていきました。わずか数分間の映像ですが、非常に貴重な映像が撮影できたというわけです。

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in 生き物,   動画, Posted by darkhorse_log

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