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中国の大学が憲章から「思想の自由」を削除して共産党への忠誠を教員や学生に誓わせるものに改定

by Thomas Fisher Rare Book Library, UofT

中国の国立大学である復旦大学の大学憲章から「思想の自由」が削除され、中国共産党への奉仕を義務付ける内容が追加されたことが判明し、中国内で大きな波紋を呼んでいます。

China's Fudan University axes “freedom of thought” from charter — Quartz
https://qz.com/1770693/chinas-fudan-university-axes-freedom-of-thought-from-charter/


China cuts 'freedom of thought' from top university charters | World news | The Guardian
https://www.theguardian.com/world/2019/dec/18/china-cuts-freedom-of-thought-from-top-fudan-university-charter


2019年12月17日付けで中華人民共和国教育部のホームページで、2014年に作成された復旦大学の大学憲章を一部改定したものが告知されました。この新しい憲章では40カ所以上が改定されており、「思想の自由」という文言が削除されていたほか、「学校は独立して自主的にに大学を運営する」「教師や学生は法律を順守しながら独立して自主的、自律的に学術研究を行う」という部分から「独立して」という学問の独立性を示す文言が削除されたことが判明しました。


さらに、「大学は党の指導力を堅持し、党の教育政策を完全に実行する」「マルクス主義を指導哲学として、社会主義を学校運営の基礎として固守する」など、学校に対して中国共産党が主導権を握っていることを強調した文章も追加された上に、「(大学は)常に人民と党の中国統治に奉仕し」「中国の特色を生かした社会主義体制の強化・発展に貢献する」べきと明記されたとのこと。また2017年に中国共産党憲章に追加された「習近平による新時代の中国の特色ある社会主義思想(習近平思想)」を大学教員と従業員が把握している必要があると記されました。

by thierry ehrmann

復旦大学は中国でも特にリベラルな校風を持つ大学として知られており、復旦大学の大学憲章から思想の自由が削除されたというニュースは中国国内に大きな衝撃を与え、中国版Twitterである新浪微博(Weibo)では「復旦改正」というキーワードがトレンドのトップに躍り出たそうです。

復旦大学に通う学生を自称するWeiboユーザーは「昨日1晩で論文を書き終えました。論文内の謝辞では、復旦大学で学んだ『思想の自由』と『学問の独立性』に感謝を述べました。この2つの言葉がもう復旦大学と関係ないものになると誰が予想したでしょうか?」とWeiboでコメント。また、別のユーザーは「将来の子どもたちは、復旦大学が『思想の自由』と『学問の独立性』を重視していた時代があったことを知らない世代となるのではないかと心配しています」とWeiboでつぶやきましたが、記事作成時点で既にこの投稿は削除されています。

2019年12月18日には大学憲章の改定に抗議する形で、大学の食堂で大勢の学生が復旦大学の大学歌を歌うパフォーマンスを披露。このムービーはWeiboで瞬く間に拡散され、Twitterにも投稿されました。


なお、海外メディアのQuartzによれば、大学憲章を改定したのは復旦大学だけにとどまらないようで、南京大学陝西師範大学なども中国共産党の力を強調するような内容に憲章が改定されているとのことです。

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in メモ,   動画, Posted by log1i_yk

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