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カメラブランドの「ライカ」が中国で検閲対象に、「天安門事件」に触れたことが原因か


老舗カメラブランドであるライカは、Huawei製のスマートフォンに搭載されるカメラを開発するなどして中国でも大きな存在感を持っています。ところが、ライカが公開したプロモーションムービーが「天安門事件」に触れてしまったため、中国のSNSから「ライカ」という単語が削除される事態に発展しています。

Leica Camera’s advert depicting Tiananmen Square’s ‘Tank Man’ causes uproar from Chinese online | South China Morning Post
https://www.scmp.com/news/china/politics/article/3006817/leica-camera-backs-away-promotional-video-depicting-tiananmen

China Bans the Word 'Leica' on Social Media
https://gizmodo.com/china-bans-the-word-leica-on-social-media-1834163199

天安門事件とは、1989年6月4日に学生を中心とした一般市民のデモ隊が北京の天安門広場に集結して民主化を訴えたところ、中国人民解放軍によって鎮圧が行われて多数の死傷者を出した事件です。今でも中国共産党は天安門事件を重大なタブーと認定しており、中国国内からインターネットなどを通じて天安門事件について知ることはできない状態となっています。

そんな中、2019年4月になってライカが発表したプロモーションムービーが、天安門事件を示唆するものだったとして大きな反響を呼びました。「The Hunt」というタイトルで公開されたムービーはブラジルの広告代理店F/Nazca Saatchi & Saatchiによって制作されたもの。公式チャンネルで公開されたものは削除されていますが、その告知ツイートが残っているほか、他のユーザーが保存したムービーを再アップロードしていて内容を知ることは可能です。

Inspirada por histórias de fotógrafos que não medem esforços para que todos vejam a realidade, a Leica faz um tributo a esses valentes profissionais.https://t.co/1LPOsqodmh

— F/Nazca S&S (@fnazca)


"The Hunt" from Leica - Leica Camera's ad depicting Tiananmen Square’s ‘Tank Man’ China - YouTube


ムービー冒頭では、武器を構える男性の姿や……


自然の風景をカメラに収めようとするカメラマンの姿が収められています。


ところが、ムービー中で「天安門事件」というワードが登場することはないものの、「Beijing, 1989」という字幕が表示されたり、ホテルの外部で騒ぎが発生する中でカメラマンが中国人民解放軍の制服を着た男性に詰問されるシーンがあります。


やがて男性はドアをたたく音や兵士の声が響く中、ホテルの窓にカメラを向け……


レンズには天安門事件の直後、戦車の行く手を遮る写真が撮影されて大きな話題を呼んだ「無名の反逆者」らしきシーンが映っていました。


数週間後に天安門事件30周年となる2019年6月4日を控える中、検閲に力を入れている中国共産党はもちろんこのムービーを見逃すことはありませんでした。すでに中国のSNSでは「ライカ」を含む投稿ができなくなっており、中国市場において影響力を強めるライカも問題の火消しを行っています。

ライカの広報担当者であるエミリー・アンダーソン氏は、今回のプロモーションムービーが「ライカ公認のものではない」と説明し、誤った結論や誤解を招きかねないコンテンツとは距離を置くと述べ、ライカは中国共産党の立場に反対するものではないと主張しました。

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in メモ,   ネットサービス,   ハードウェア,   動画, Posted by log1h_ik

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